保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

石炭は今…

2011年09月01日 | (雑学Ⅱ)脱原発とエネルギーの話

最近ではすっかり話題に上らなくなっている石炭ですが
その現状を知る方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。

三大化石燃料のうち、石油は液体で使い易く長らくエネルギー界の主役ですが
最も早く枯渇すると想定されています。 

天然ガスは、硫黄や窒素を含まずクリーンで、21世紀の主役と目されるのですが
現状のままでは石油と同じ時期に枯渇に向かうことになるでしょう。

石炭は固体でかさばる上に硫黄、窒素、重金属など公害成分や灰を多く含む一方
埋蔵量は石油・天然ガスの数倍以上あります

ところで、化石燃料とは「過去の動植物などの死骸が地中に堆積し
長い年月をかけて地圧・地熱などにより変成されてできた有機物の化石のうち
人間の経済活動で燃料として用いられるもの」の総称です。

このうち石炭は“化けて石の如くなった化石”の名にもっともふさわしく
液体の石油や気体の天然ガスに対しても使われていることはどこか不思議な気がします。

石炭は現在でも世界の全エネルギーの3割を超えた石油に次ぐエネルギー源であって
それどころか、2000年以降、世界の石炭需要は大幅に増加、特に新興国や開発途上国を中心に
エネルギーコストが相対的に安い石炭にシフトしている傾向さえあるとされています。

世界の電力供給における石炭の火力発電比率だけを見ても
特に使い勝手が良く経済的なため、発電量の4割を超えていて
米国で5割、ドイツでほぼ同じ5割程度、日本でも3割近くのウェイトを占めています。

ここ日本においては、“黒いダイヤ”ともてはやし多大の恩恵を受けて来たにもかかわらず
SOx、NOxおよび灰に加えCO2が議論の焦点になってくると
幾多の犠牲者を出しながらも戦前の産業振興、戦後の復興を担ったきた炭坑は
2002年、数億トンの石炭を地下に残したまま全てが閉山してしまいました。

以後、石炭に代わって石油の話題だけが身近で聞かれるようになりました。

確かにCO2の排出量を見ただけでも
同一発熱量では石炭の100に対し石油80、 天然ガス56の比になり
石炭利用のアキレス腱になっています。

そもそも、温室効果ガスであるCO2は、その約80%が化石燃料の燃焼に起因するとされています。

しかし、化石燃料の利用はアジアを中心としたエネルギー消費量の増加や人口増加を背景に
今後も増え続けると見込まれ、それにともないCO2排出量の増加が予想されています。

こうしたことから、太陽光・風力などの太陽を起源とする再生可能エネルギーや
原子力に後世を託す作業を進めていたのですが、このうち原子力に暗雲が垂れこめた今となって
その引き継ぎが石油・天然ガス時代に終ればよいのですが、遅れれば
石炭に再び主役に近い役割を期待せざるを得ない時代が来るかもしれませんし
その前段階でも、石油・天然ガス時代をより長く保つためには
いかに石炭をうまく使えるようになるかが一つの重要な要素になると予想する研究者もいるほどです。

この場合には、石炭のガス化発電や液体燃料化など
高効率でクリーンな石炭の利用技術の開発が進むことになるのでしょう。

ただし、石炭が世界の全エネルギーの5割を占めていた半世紀前の教科書的見解では
「熱源や電力用などの燃料としての石炭の利用は好ましいことではない」ことであって
決して「CO2,SOXなどが環境を汚すから使わない方がよい」ということではありませんでした。

つまり、石炭を含む化石燃料は主として炭素と水素からなる貴重な有機蓄積資源のため
原子力や自然エネルギーで間に合わせることができないだけでなく
いずれ枯渇する宿命にあるため、電力や熱などの膨大かつ低レベルの用途にではなく
化学工業などの高いレベルの利用にすべき大切な資源である、とされていたのですが…。

 

2種類のガス

都市ガス…1970年代までは石炭から作られたものの比率が高かったのですが
現在では主として、液化天然ガス(LNG)やナフサ等の原油を原料に作られます。
空気よりも軽く、常温でも液化しづらいというのが大きな特徴です。

プロパンガス(LPG)…石油・天然ガスの副生ガスから不純物を取り除いたもので
ブタンやプロパンなどを主成分とするガスです。
常温でも圧力をかけることで比較的簡単に液化、かつ
体積を250分の1に圧縮できますので可搬性に優れています。

 

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