昨日のTVで「本日は中秋の名月。6年ぶりの満月が見られます」ですと!
気付かれた方、いました
「中秋の名月」と言えば
誰でも“満月”と思っているのに“6年ぶり”とはどういうこと?
確か今月の初めから、新聞に載っている月齢(正午現在)が
8,0とか13,0とか区切りのよい数字になっていたのは知っていましたが。
以下、その理由を調べた結果です。
毎年12ないしは13回の満月があるのに、なぜか昔から
八月十五日の月は「中秋の名月」と呼ばれ特別扱いされています。
一年には「春夏秋冬」の四季があります。
旧暦では三ヶ月毎に季節が変わり、
「一・二・三月」は春
「四・五・六月」は夏
「七・八・九月」は秋
「十・十一・十二月」は冬
と分けられます。
そして、それぞれの季節に属する月には「初・中・晩」の文字をつけて
季節をさらに細分するのに使いました。
たとえば、旧暦四月は「初夏」となりますし、八月は秋の真ん中で「中秋」となります。
そして、旧暦の暦月の日数は29日か30日のいずれかですから
15日は“暦月の真ん中の日”と考えることが出来ます。
旧暦の八月十五日という日は“秋の真ん中の月、かつ真ん中の日”
つまり、“秋全体の真ん中の日”なのです。
一方、旧暦は太陰暦の一種ですから、日付は月の満ち欠けの状態に対応します。
月の半ばである15日の夜の月は、必ず満月か満月に近い丸い月が見えることから
十五夜の月 = 満月 と考えられるようになりました。
中秋の日の夜に澄んだ秋空に昇るこの丸い月は
やがて「中秋の名月」と呼ばれるようになり、これを観賞する風習が生まれましたが
実際の月齢を調べてみると、満月ではなくそれに近い月齢の方が多いのです。
そのワケは…
1.旧暦1日(ついたち)の決め方
旧暦の1日は“新月となる瞬間を含んだ日”ですので
0時0分に朔(新月)となる日も、23時59分になる日も同じく「一日」になります。
これを考慮すると旧暦15日の月齢は、最小13.0、最大15.0、平均14.0となります。
2.新月から満月(望)までの平均日数
実際は約 14.76日で、これが本当の満月の月齢の平均となります。
これは 1 の旧暦15日の月齢平均より0.76日分だけ長い値ですので
実際の満月は旧暦15日より遅れる傾向があります。
3. 新月から満月までの実際の日数
月の軌道が円でない、などの理由から、新月から満月までの日数は
約13.8~15.8日の間で変化します。
上記1~3の理由が絡み合って、旧暦15日と満月の日付が一致しないことが普通で
だいたい半分は“本当の満月”と“旧暦八月十五日の日付”が異なります。
とまあ、天文学は円や球がベースのためか
ヤヤコシイ話が多くて、私には未だ…
ちなみに、長野の昨晩9時頃は、真っ黒なまだら模様の雲間から時々顔を出す
それもうっすらと白い雲がかかった満月を見ることができました。