保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

一人住まいより同居している方が「うつ病」になり易い事実

2012年07月05日 | (雑学Ⅲ)高齢者の自殺を考える

NHK福祉ネットワークの番組でも
高齢者の自殺におけるいくつかの特徴を取り上げていました。

 

まず、高齢者が自らを傷つけるような行動にうって出た場合
死に直結する危険が他の年代とは比べものにならないほど高いことです。

子どもから高齢者まですべての年齢の人をみた場合
自殺1件に対し自殺未遂がおよそ10件生じていると推計されています。

この10対1の比率は年齢によって大きく異なり、思春期までの若者では100~200対1
これが65歳以上の高齢者になると約4対1となってくるのです。

高齢者は死に対する決意が確固たるものであるというばかりではなく
若い人と同じ手段をとったとしても、抵抗力が弱くなっていて容易に死に至るという事実とも関連しています。

 さらに、自殺の危険の高い若者が周囲に敵意を訴えるかのように
「死にたい」「死んでやる」などとはっきりと口にするのとは対照的に
年齢が高くなるとともに、次第に感情を表に出すのを控えるようになっていき
むしろ攻撃性は外部にではなく、自分自身へと向けられていきます。

問題を抱えていても、責めるべきは他者ではなく
自分自身であるという傾向がますます強くなってしまうのです。

 さらに、外国の調査では家族数が多いことは自殺を予防することにつながっているのに対して
日本の高齢者は家族と同居しているお年寄りのほうが一人暮らしの方よりもうつ病の傾向が強い
ことが分かっています。

これは、秋田県北部のA町で2,000人のお年寄りに対しうつ病の傾向がどのくらいあるのか
大規模な調査が行われて明らかになったことです。


この結果について、K大学のO先生は次のように話しています。

 「驚かれると思いますが、実際はこういうことが起こりうるのです。
私はこれを『物理的孤独と心理的孤独』と考えています。一人暮らしの方は、物理的には孤独ですが
周囲の方は『一人暮らしだから』といろいろ気を遣ってくれるので比較的孤独を感じないですみます。
ところが、同居で家族と一緒にいると、例えば『家事は私がやるからしなくていいよ』
『農作業は僕たちがやるからいいよ』といわれ、『私の役割はどこにあるの?』
と、特に頑張っていらした方に限って空虚感を持つということがあります。
そしてもう一つ大きいのは、ご家族と一緒にいると、子ども世代、孫世代と価値観が違ってくるので

なんとなくコミュニケーションがうまくとれない、ギャップを感じてしまうということ。
このようなことから、『迷惑をかけて心苦しい』という気持ちになり、自分を責めてしまうのです

特に高齢者がうつ病になるきっかけは次の4項目が挙げられます。

・社会での役割減少 ・経済的問題 ・身体機能の低下 ・配偶者や知人の死

これらは誰にでも起こり得ることですので、だからこそうつ病もまた誰にでも起こり得ると言えます。

うつ病はすでに治療法が確立された病気です。

副作用が少なく効果的な薬も開発され、各種の心理療法との組み合わせにより
十分に治療・完治が可能なのです。

怖いのはこの心の病気になったということではなく、それに気付かずに
あるいは その事実を認めようとしないで放置したままにしておき、手遅れになってしまうことです。

つまり、精神科受診に対する根強い抵抗感は実は自分自身の中にありますので
周囲の一押しがとても重要になります。

このように、自殺予防のためには、まずはうつ病に早く気付くことが必要です。

 

これまでのレポートには「原因・動機」と「きっかけ」の2つの単語が登場し
はっきりと使い分けられていないことが話を分かりづらくしている気がします。

元来「きっかけ」は「発端・手がかり・スタート」など
“作用の因果関係において前に位置するもの”の意味を持っていますから
上記レポートにおける高齢者が自殺に至る場合においては
4項目に分類される様々なきっかけ⇒うつ病⇒(放置・未治療)⇒自殺
という階段を登ると解釈して良いのでしょう。

自殺予防を語る時、前回の国立研究所のレポートは
「高齢者のうつを予防するという観点から、高齢者の引きこもりを防止し
生きがいを創造することが結果的に高齢者の自殺予防にもつながると考えられます」

 上記のNHKの番組では
「自殺予防のためには、まずはうつ病に早く気付くことが必要です」 と言います。

自殺者がこの階段を登る前提に立ち
国は1段目の“うつ病のきっかけ”になる「引きこもりや生きがいの創造」を予防策とし
NHKは2段目の直接“自殺の原因”となる「うつ病の早期発見」を訴えていると思われます。

ただし、この立場に立つと自殺の原因のほとんどはうつ病になってしまいますが
遺書などで原因が明確なケースを集計して「自殺の原因・動機」を毎年発表している警察庁のデータでは
きっかけという言葉は使わず、経済問題、家庭問題そしてうつ病も
すべて「原因・動機」として並列に分類されていますのでちょっと立場が違います。

結局、よく分からない心の病であるうつ病の捉え方がこうした違いを生んでいるように思えてなりません。

 

 

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6年目のヒアルロン酸局部注射

2012年07月03日 | 変形性膝関節症など

3カ月に一度、ヒアルロン酸を膝に直接注入する「変形性膝関節炎」の治療のため
I 病院へ通ってもう6年になることを
整形外科の担当医 I 先生がカルテを見て改めて教えてくれました。


(2008年に必死に痛さに耐え頭を起こして撮影。今も変わらぬ光景です)

当初は右膝だけでしたが2年後には左膝まで痛くなり
結局、両膝にこうしてとても痛い注射を打たれ続けているのです。

(I先生)「調子はいかがですか?」

(私)「おかげさまで快調です

(I先生)「そうですか。でも一応、注射しておきましょうね」

これがここ数年、先生とのお決まりの会話になっています。

「また痛くなるより良いでしょう」が快調なのに注射される先生の説明なのですから
これはもう、「治りました」と言われることは一生ないものと覚悟しています。

ヒアルロン酸は粘性が強く細い針を使えないので痛いのだそうです。

すでに24回、一回に2本なので48本は注射されていますので
これから20年生きるとするとさらに80回、160本を打ち込まれる計算になります

(I先生)「ちょっと痛いですよぉ。大丈夫ですかぁ」

(私)「大丈夫じゃない時は注射を止めてくれるんですか」

(I先生)「本当に大丈夫でない人は気を失ってしまいますから
答えられるということは大丈夫な証拠です」

(私)「・・・」

(なるほど、気を失っていないか確認しているのか。つまり、どっちにしても注射されるんだ

I 病院の整形外科は未だに、緊急を除く初診の予約は3カ月待ちだそうです。

私のこの病気は別名「加齢による半月板損傷」と呼ばれ、頭に“加齢による”と付く以上
私のような歳では、もはや死んでしまう以外に完治することはなく
同じように予約治療を受けているのはさらに高齢な年寄りばかりなのですから
患者数が増えることはあっても減ることはなく、これはこれでしょうがないのでしょう。

今後さらに我々団塊の世代がどんどん患者になって行くはずで、若い方はあまりご存じないでしょうが
整形外科と整骨院の混み具合は今よりさらにヒドイ状態になっていくことが大いに懸念されます。

おばちゃん看護師に「今日はお風呂には入らないでくださいね」といつも通りに言われても
今は朝9時、風呂に入るのは夜8時だから治療の11時間後、もし夜9時にこの注射をされても
明日の朝は入浴しないでくださいとは言わないはずだから大丈夫、などと勝手に解釈して
当日の夜には必ず入浴して6年間、何も不都合はありませんでしたので
“注射の穴”にバンドエード状の小さな止血用テープを貼られながら
今日もこのセリフを右から左に聞き流して診察室を後にしたのでした。 

 

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2つの国立研究所のレポートは「うつ病」で一致

2012年07月01日 | (雑学Ⅲ)高齢者の自殺を考える

・・・・・・・・・・・・・・・レポート1・・・・・・・・・・・・・・

国立精神・神経センター精神保健研究所) 

◎ 自殺者の約4割は高齢者
◎ 「死にたい」と考えたことがある「高齢の介護者」は3人に1人
◎ 高齢者の自殺未遂や自殺は「うつ病」が大きな原因
◎ 自殺の前兆によって内科医等は受診するが、精神科医は未受診
◎ 自殺者の多くが家族と同居、単身生活は全体の5%以下

 《高齢者特有の要因》

○ 身体的負担

・高齢者の自殺の「原因・動機」の7割は「健康問題」(全年齢では4割)

・高齢自殺者の90%以上がなんらかの身体的不調を訴え
約85%が入通院による治療を受けていた

・高齢者の多くは自分の健康状態について悪い評価を下しがちで、病気を大きなストレスに感じ
「楽になりたい」、「元の体に戻らないなら死んだ方がましだ」といった言動が目立つ

・高血圧症、糖尿病、脳梗塞後遺症、心臓病、関節痛などの慢性的疾患をかかえることが多い

継続的な身体的苦痛がうつ病の引き金となり自殺につながると考えられる

・自殺行動に際し身体の耐久性が衰えているので死に繋がり易い

○ 家族への精神的負担

・高齢自殺者の多くが生前、家族に「長く生きすぎた」、「迷惑をかけたくない」ともらしていた

・心身両面の衰えを自覚し、同居する家族に看護や介護の負担をかけることへの遠慮が生じる

○ 喪失感と孤立

・高齢者の自殺の「原因・動機」の1割は、配偶者、子、兄弟など近親者の病気や死(喪失体験)

・強い喪失感から閉じこもりがちとなり、孤独・孤立状態からうつに至ると考えられる

 

・・・・・・・・・・・・・レポート2・・・・・・・・・・・・・

国立長寿医療研究センター

<高齢者の自殺の動機>

 高齢者の自殺の動機としては健康問題が6割以上を占めており
経済・生活問題、家庭問題がそれに続きますが
その背景にはうつ病などの精神疾患が存在していることが多いことが知られています。

加齢に寄り疾患を有する頻度および同時に罹患している疾患数、共に増加していきます。

高血圧症、糖尿病、脳梗塞後遺症、心臓病、関節痛などの慢性的疾患をかかえることが多くなりますが
こうした継続的な身体的苦痛がうつ病の引き金となりうる危険性を持っています。

 また、高齢になると近親者の死亡などによる環境変化
家庭内での人間関係のもつれを経験することが多くなり、こうした状態もうつ病の危険因子となります。

うつ病に罹患するとすべてのことに対して悲観的なとらえ方をするようになり
自殺志向が強まると考えられます。

 高齢者のうつ病は自殺の危険性が高いにもかかわらず
本人が医療機関にかかることをいやがることが多く、また周囲が「年のせい」と取り合わなかったり
認知症と混同したりして適切な治療が受けられないケースがしばしばあるのも問題です。

こうした背景から、高齢者のうつを予防するという観点が重要となってきます。

高齢者の引きこもりを防止し、生きがいを創造することが結果的に
高齢者の自殺予防にもつながると考えられます。

 

 

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