ドラムセットの中で最も口径が大きい太鼓がbass drum (バスドラ)です。このバスドラの胴体に基盤を取りつけてパイプを差し込み、1個か2個のtom tom (タムタム)を載せます。最初の見出し画像は基盤を取り外して裏を接写しました。
基盤と胴体には直径3cmのパイプを通せる穴が空いています。
基盤の裏に面した胴体を補強盤で挟み4つのネジでバスドラに取り付けます。今までここを取り外したことは無かったのですが、パンデミックが始まりいつでも自宅でドラムセットを叩きたくなったので初めて外しました。
自宅の部屋の一角に設置した「ステイホーム用ドラムセット」。各ドラムに音量を大幅に抑えるメッシュ製の皮を張り、各シンバルには幾何学的に美しく並んだ小さな穴で音量を80%抑えるものを使っています。タムタムはシンバルスタンドに取り付けました。画像では基盤があった箇所にパイプを挿す穴と基盤を固定するネジの穴が2つ見えます。
我が家は築80年のアパート内ですので「自宅でドラムを叩こう!」なんて滅相もございません。大層なたわけです、そのままのドラムセットでは。特に階下の住人へは打撃による振動が直撃します。メッシュ製皮でも振動は伝わるので、緩和する製品をバスドラ用のペダルとバスドラ本体の脚の下に置きました。この類の製品関連のネット情報によると、載せるものが軽いほど振動が弱くなるようなので重量を少しでも減らすべく基盤部分を外しました。おかげさまで今のところ苦情は来ていません。
縦15cm、横8cm、厚さ5cm、重さ1kgあまり。片手に少し余り、持ち上げるとずっしりとして「質実剛健」という四文字熟語が頭に浮かびます。
その内側に見える “MADE IN GERMANY” の刻印と全面に施された溝の形がなかなか興味をそそります。ドイツ製品ってこういうのが多いのでしょうか?
Sonorは1875年創業の老舗ドラム製造元。各ドラムもスタンドもことごとく他メーカー品より重いので、自宅から演奏会場まで運んで組み立てるのは一苦労です。それでもジャズを演奏すると、良く鳴りながらも他の楽器の邪魔にはならない私好みの音色が出るので手放せません。
重厚な金属部品を付けるには頑丈な木材が必要です。そんな丈夫な木だからこそ、皮をキツく張っても持ち耐えるのでしょうね。
ドイツには一度も行ったことが無く、いつか行ってみたいと思っていました。そこへきてこのドラムセットを数年間叩き、去年パンデミックが無ければ見なかったであろうバスドラ部品の内側を見たので、安心して海外旅行ができるようになればすぐにでも訪れて他の楽器や様々な工業製品を見物したくなりました。