去年の春頃、僕の演奏を聴きに来てくれたことがきっかけでRoland Kelts, ローランド・ケルツさんと知り合った。アメリカでは作家であり編集者であり、また同時に東京大学の非常勤講師でもある。その彼が先月、"JAPANAMERICA: How Japanese pop culture has invaded the U.S."という本を上梓した。
最近アメリカでブームになっている日本産の漫画とアニメとゲームが題材。とはいっても幾つもの作品を事細かく紹介したガイドブックではない。主にアニメに関わる様々な人へのインタビューを軸にしての、業界のこれまでの軌跡と今後についての洞察が書かれている。そしてアメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、幼少の頃から現在まで両国を頻繁に行き来してきたケルツさんならではの経験が大きく反映されている。
アメリカでは、つい最近まで国産の漫画とアニメとゲームが子供向けというコンセプトに捕われすぎたため、思春期以降の世代には見向きもされなかった。そのため時代的には後発だが、大人向けにも成りうる幾つかの日本産漫画とアニメが若者を中心としたアメリカ人にウケた。かつて自動車や電化製品で日本製品がアメリカを席巻した時と同じような調子で、これからは日本産漫画とアニメがバッシングを受けていく可能性がある。ケルツさんによればもう一部でバッシングは始まっているそうだ。
一方日本では、知的財産を取り巻く環境が先進国の中では劣悪なようだ。例えば世界一ヒットしたアーケードゲームとして、ギネスブックに掲載されているパックマン。25年前に開発したのは当時24歳だった一人のナムコ社員なのだが、世界中の殆どの人に知られていない。また全般的に日本の知的財産の価値があまりにも安く見積もられたため、次世代を惹き付けて育成する資本が枯渇しているそうだ。これは多くの日本人が持っている協調性が度を越して「個」を抑えつけ過ぎた結果なのだろうか?
「ジャパナメリカ」には秋葉原でアニメーター志望の少年にインタビューした件などで、メイドカフェやフィギュアショップなど旬(?)のアキバスポットがしばしば登場する。だからアキバ、と聞いただけで拒絶反応を起こす人には手に取りづらいかもしれない。しかしその拒絶反応さえなければ、1990年代以降のアニメについて何も知らない人でも楽しめる内容になっている。簡潔な英語で書かれているし、コムヅカしい単語やフレーズが少ないから、ネイティブスピーカーでなくても読みやすい。大雑把に言えば比較文化論なのだろうけれど、肩肘張らずに楽しめます。日本のアマゾンのサイトでも購入できるようなので、興味のある方は是非一度手に取ってみて下さい。
最近アメリカでブームになっている日本産の漫画とアニメとゲームが題材。とはいっても幾つもの作品を事細かく紹介したガイドブックではない。主にアニメに関わる様々な人へのインタビューを軸にしての、業界のこれまでの軌跡と今後についての洞察が書かれている。そしてアメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、幼少の頃から現在まで両国を頻繁に行き来してきたケルツさんならではの経験が大きく反映されている。
アメリカでは、つい最近まで国産の漫画とアニメとゲームが子供向けというコンセプトに捕われすぎたため、思春期以降の世代には見向きもされなかった。そのため時代的には後発だが、大人向けにも成りうる幾つかの日本産漫画とアニメが若者を中心としたアメリカ人にウケた。かつて自動車や電化製品で日本製品がアメリカを席巻した時と同じような調子で、これからは日本産漫画とアニメがバッシングを受けていく可能性がある。ケルツさんによればもう一部でバッシングは始まっているそうだ。
一方日本では、知的財産を取り巻く環境が先進国の中では劣悪なようだ。例えば世界一ヒットしたアーケードゲームとして、ギネスブックに掲載されているパックマン。25年前に開発したのは当時24歳だった一人のナムコ社員なのだが、世界中の殆どの人に知られていない。また全般的に日本の知的財産の価値があまりにも安く見積もられたため、次世代を惹き付けて育成する資本が枯渇しているそうだ。これは多くの日本人が持っている協調性が度を越して「個」を抑えつけ過ぎた結果なのだろうか?
「ジャパナメリカ」には秋葉原でアニメーター志望の少年にインタビューした件などで、メイドカフェやフィギュアショップなど旬(?)のアキバスポットがしばしば登場する。だからアキバ、と聞いただけで拒絶反応を起こす人には手に取りづらいかもしれない。しかしその拒絶反応さえなければ、1990年代以降のアニメについて何も知らない人でも楽しめる内容になっている。簡潔な英語で書かれているし、コムヅカしい単語やフレーズが少ないから、ネイティブスピーカーでなくても読みやすい。大雑把に言えば比較文化論なのだろうけれど、肩肘張らずに楽しめます。日本のアマゾンのサイトでも購入できるようなので、興味のある方は是非一度手に取ってみて下さい。