plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

Played drums at Central Park after a very, very long time

2022年04月25日 | 音楽
先々週の土曜日の午後、セントラルパークの池端でジャズを演奏しました。

ニューヨークのジャズプレイヤーはbuskingと呼んでいます。英語でググると "the activity of playing music in the street or another public place for voluntary donations" と出ました。
一昔前はただ”street”と仲間内で呼んでいましたが、少なくとも20年は前のことです。その5年ほど前までは、地下鉄を含めた鉄道駅構内やバスターミナルでバスキングしていました。周りの騒音は相当なものでしたが、市当局からの許可証が有れば3時間は誰に憚る事なく演奏できました。

そのようなところでなくセントラルパークやワシントンスクエアなど、屋外で公共の場所には当時から現在まで許可制度は有りません。という事はつまり、場所取りでプレイヤー同士の縄張り争いになるのです。取り合いに負けたら演奏できないし、勝っても最初の数曲は演奏してもなんだかシラケてしまいます。

また演奏中頼みもしないのにチップ入れを持ち出して観客のところを巡ったり、バンドの側で踊って歌って後からチップの分け前をせがむ人が良く居ました。何人かにとっては純粋な好意でチップを集めてあげたいとか、バンドとコラボして何か表現して当然の報酬を求めるという感覚だったかもしれません。ただ中には平然とチップ入れに近づいてチップを掠め取ろうとした不届者もいました。なので私の性格ではこの状態でやたらに演奏し続けると自分の叩き方が粗くなる気がして、徐々に遠ざかっていったのです。精神的にもっと逞しかったらおそらくもうしばらく続けていたでしょう。

ここまで書いておいて、ですがバスキングとバスキングプレイヤーを否定はしません。身の回りの状況が気にならないならどんどんやれば良いと思います。私個人はあくまで結果として今日までの25年間で積極的には取り組ませんでした。

超久しぶりのバスキングは春らしい穏やかな天候の下良い共演者に恵まれ、公園で聴いてくれた人達が好意的に聴いてくれたおかげで3時間があっという間に過ぎました。




ピタパンとパスタ料理、食パンとハマス

2022年04月12日 | 食生活
遠い昔、留学生として最初の夏休みをニューヨーク州の田舎で過ごしたのですが、3日間だけ学校があるボストンで用事がありました。マサチューセッツ州まではとても日参できませんが、一緒に引っ越していた双子の同級生が空き家にしていた彼らのアパートに泊まらせてくれました。

到着して空腹になりだした頃、そのアパート近辺にあまり飲食店が無いのに気が付きました。留守宅だったのでおそらく固定電話は止めてあったでしょう。まだガラケーすら無い時代です。公衆電話でデリバリーを頼んでも良かったのですが、どうせ外に出るならと歩いて数分の所にあったスーパーマーケットで買出しすることにしました。同級生たちも私と同様ボストンに戻る予定だったため、キッチンに鍋釜や食器はありました。

とはいったものの、スーパーの冷凍およびレトルト食品は味と値段を考慮すると割高感満載でした。かといってこの先また一ヶ月以上留守になる家の冷蔵庫に開封した食材は残せません。ちなみに概してアメリカのスーパーが扱う食料品は日本と比べて一品当たりの分量が多く、例えば乾燥パスタは一箱454グラム、また一斤の食パンは日本の1.5倍くらいあります。一人でおいそれとは食べきれません。

結局サンドイッチの具材をいくつかと、瓶入りのトマトソースと乾燥スパゲッティを購入。パンは一斤の食パンよりは少量のピタパンにしました。買う前からこの食べ合わせはいかがなものかと思いましたが、敢えて赤くなったスパゲッティに添えたところ案の定微妙にミスマッチでした。

時は移って先週の木曜日、自宅での昼食時。缶入りひよこ豆でハマスのようなディップを作り、食パンにつけました。一口食べて間もなく、あの夏のボストンで味わった赤いスパゲッティとピタパンを思い出しました。食パンと中近東っぽいディップもこれまた微妙にミスマッチだったからです。

この30年に渡って遂行した反証的体験で、2つの遠く離れた地で何百年も食されてきた食材の中には多少のミスマッチがあるのを確信すると同時に、カレーライスなど国内外の食材を使った幾つもの食べ合わせを美味しくした国に生まれ育ったことを実感した1日になりました。

テキスト打ち専用機になった2010年型MacBook Air とDAW専用機になりそうな2020年型Mac Mini

2022年04月03日 | その他
今年2022年2月にMac miniを購入しました。銀色で、上から見ると真四角で角が丸く、弁当箱のような形です。昨年まで最新だったM1チップを搭載したデスクトップマックで、メモリと容量が最小なら$600以下で買えます。これに伴い久〜しぶりにキーボードとマウスを購入。どちらも以前使った赤いシェル型iMacのキーボードとマウスを保存しておけば不要でしたが。

アップル社はbacklit付きキーボードを作らないので、Satechi社製にしました。これで暗い所でもキー文字が見え、有線でもBluetoothでも使えます。マウスは差し込みさえすれば問答無用で繋がる有線モデルを$10以下で買いました。元々トラックパッドは持っていてこれからマックミニにも使えますがBluetoothでしか繋がらないので、有線マウスは予備です。
2010年型MacBook Airを購入して直ぐに右肘の腱鞘炎になったので、ラップトップに付いているトラックパッドの単独品をわざわざ入手しました。当時とある整形外科医から「手を酷使するなら肘はなるべく伸ばしたほうが良い。」と教わったからです。



1999年から23年間でiMac, iBook, MacBook Airを使いました。マックブックエアーは、2005年からのiBookと比べて倍の10年間で全作業に使えました。それ以前にiMacを通算で14年使いましたが、インターネット関連で不自由なく使えたのは6年くらいで、あとは譜面と文書作成専用機でした。手元にあるマックブックエアーも今後は譜面と文書作成、そして印刷物のスキャン専用機になりそうで、またしばらくは我が家に薄型の銀色トレイが飾られます。



17年間はひたすらラップトップマックを使いました。最初の7年ほどは文字通りどこへ行くにも持参しました。白の半透明アイブックを鞄に入れて上り坂をしばらく歩くと結構良い運動になるほど重かったです。その次のエアーはだいぶ軽くなり、そのうちもっと軽いiPhoneやiPad miniも使いだします。でもそれだけではまだ全てのパソコン作業はできないので帰省時や、泊りがけの仕事や休暇にはアップル製品を何台か持ち歩いたものです。当時はまだiPodも現役でしたから3〜4台持っていたかもしれません。



当たり前ですがどのマックブックにも一長一短があります。以前はシンプルにプロかエアーかを選ぶ感じでした。ここ数年で機能的にも価格的にも両モデルで重なる製品が出ています。これでどれが自分に合うのかがよくわからなくなりました。

散々考えて今年から普段のメールやネット検索、外出先で譜面を他人と共有するのにアイパッドを、自宅でDAWや画像加工をするのにはマックミニを使っています。アイパッドはProでもAirでも無い9世代型を、そしてマックミニは前記通り、M1チップの力を信じてメモリと容量を最小にしました。

スティーブ・ジョブズ氏はかつてマックミニを初めて世に出した時、BYODKMなデバイスだと語ったそうです。私の場合はBYOKTになりました。Tのトラックパッドは古いながらもアップル製品ですが、キーボードは他社製、モニターはポータブルのものが欲しかったのにアップル製は無いので、台湾のAOC社製にしました。それでも今まで私が所持したアップル製品は周辺機器を入れて合計11個です。これだけあれば古株マックユーザーだと自分では思っていますが、ごく身近にタワーマックと呼ばれたモデルからのマックユーザーがいるので迂闊に口にするのは憚れます。

アイパッドは初代のミニだけを使いました。とにかく軽くて小さく、コートのポケットに入るので持ち運びにはもってこいなのですが、楽器のレッスンや演奏のリハーサルで楽譜を読むには画面が若干小さ過ぎます。その点10.2インチのアイパッドは楽譜は快適に読めます。サイズもミニでは無いものの、普段持ち歩く鞄に問題無く入り、持って坂道をいくら登っても重くはありません。それから些細なことですが、付属の電源チャージャーを使うとアイフォンが倍速で充電できます。これは便利。ちなみにアイパッドミニとアイフォン4は現在メトロノーム専用機です。

パンデミックが始まってから頻繁に自作音源を作成するため、自宅でドラム、電子ピアノ、エレキギター、エレキベースを交互に演奏しています。



入力チャンネルが2つあるインターフェイスに常時繋がれたエレキギターとベースギターは机の前で弾きます。ピアノとドラムを演奏する際は角にある高い棚にモニターを置き、ピアノは立ちながら右を向き、ドラムは座りながら左前方を見ながら弾いたり叩いたりします。譜面代わりにモニターに映し出される音の波形と演奏時間をチラ見して演奏し終え、音源を処理する際にモニターを机に戻します。キーボードやトラックパッドは常に手元にあります。16インチの薄型モニターは手軽に一日に何度もあちこちに移せます。何なら作業スペースのすぐそばにあるコーヒーテーブルにモニターを置き、カウチに座りながらBluetoothで繋がったキーボードを打てます。

このおかげで色々な姿勢で長時間作業ができます。長年使って当たり前だったラップトップからデスクトップに戻り、初心者向けタブレットを併用する事で得た、初老の身体には有り難い選択肢です。