plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

蟹は食べてもガニ喰うな

2006年05月29日 | 食生活
この季節は、ソフトシェルクラブの旬である。脱皮したての蟹、主にアオガニ=ブルークラブをその柔らかい殻諸共唐揚げにしてしまう、というのが一般的な食べ方です。で、今日は魚屋で生きた蟹を購入して自宅で炒めることに。

タイトルにもあるように、いくら丸ごと食べると云っても取り除いたほうが良い部分があるので、はさみを入れた。まだ足が動いていたりして・・。死後1時間後くらいにもう腐り始めるというからササっと食べなければいけない。今日の蟹はフライパンに入る直前まで生きてました・・・。南無。

道端に置かれたモノ

2006年05月21日 | ニューヨークあれこれ
この画像は工事現場前の歩道で撮影した。今更言うまでもないけど、ニューヨークのような大都会には沢山のホームレスがいるから、多分そのうちの誰かが置いているのだろう。と思ってはいても何だか不気味だ。特に左側にあるスーツケースにはあまり近寄りたく無いなぁ。そういえばこの日は地下鉄でも不審物に遭遇したのだった。どうも2001年のあの日以来、こういう置き去りにされたモノに敏感になって仕方が無い。

あなたは、あなたが食べる物

2006年05月15日 | 食生活
先週、平日の食事は全て自炊だった。デリバリーもテイクアウトもありません。正確に言うと、自宅の冷蔵庫や食料庫を経由したものだけを食べたということなので、既成品はビシバシ含まれているけれど、それでもこんなことは滅多にない。最近は1日2食だから、2X11=22食・・。気のせいか、この週は胃腸の調子がいつもより良かった。

ちなみに今日のタイトルは良く使われるフレーズ、"You are what you eat."の直訳です。意訳するとどうなるでしょうか?

改めて言うまでもなく、美味しい外食は楽しいし、洗い物がなくて楽。自炊するには時間に余裕が要る。前出の週はたまたま食事する時間帯にはギグが無かったからこんな自炊記録が残った。仕事柄、カクテルアワーだとかディナーの時間帯に演奏することが多い。そんな時はギグの場で食事を頂くことが多い。今は亡きアラン・ドーソンというジャズドラマーの「プロミュージシャンになる為のレッスン」其の一は「賄いを断らない」だそうで。まぁプラクティカルジョークなんでしょうけど。故ドーソンさんの名誉のために、ご自身が素晴らしいドラマーだったこと、故トニー・ウィリアムスを筆頭に多くのスーパードラマーを指導したことをここに記します。

閑話休題。一口に人様に料理してもらった食事と言っても千差万別。でも一つ確かなのは、レストランの食事は一般的に味付けが濃い。僕の知り合いの間では文句無しでニューヨーク随一の寿司屋のご主人も、「毎日食べる食事というは、家庭の味が一番ですよ。」と話していた。

自炊にしてもいろいろなケースがあるし、一概に自分で作れば良いとは言い切れない。でも自分の身体は自分が一番よく理解しているはずだから、原材料の大部分を把握できる食事はとても大切だと思う。

ビロンギング

2006年05月11日 | 音楽
カタカナで書くと何だか少し妙なこのタイトルは、ピアニストのキース・ジャレットとサックス奏者ヤン・ガルバレクが1974年にECMレコードから発表したアルバム名"Belonging"。このレコードレーベルは創立以後一貫した独特のジャズアルバムを発表してきた。まぁ相当大雑把に言うと、アメリカの主流ジャズとは違って、現代クラシック等のヨーロッパ的要素を含む作品が多い。

テナーサックス、アコースティックピアノ、アコースティックベース、ジャズドラムという編成によるこのアルバムの演奏は、ECMのサウンドとしても少し印象が違う。ビバップジャズでも、スウィングジャズでも、ディキシーランドでもない。確かにヤン・ガルバレクのサックスソロでモロにオーネット・コールマンのフレーズが聴こえる曲があるけど、このビロンギングのカルテットはオーネット・コールマンやサン・ラのような前衛ジャズでもない。

そうかと言って1974年には確立されていたフュージョンと呼ぶには、音色がアコースティックすぎる。ジャズロックの後に流行ったフュージョン(クロスオーバーと呼ぶ人もいた)のサウンドには、それまでのジャズにはあり得なかった様々なエレクトリックピアノやロック系のエレキギターなどが当然のように含まれていた。

アメリカ人のジャレット以外皆北欧人のこのカルテットの演奏には独特な明るさがある。能天気にすぐ踊りたくなるようなカルテットではないけれど、聴いていて楽しい。

全6曲中ジャズ・ビート=スウィングでテーマが奏でられることは無い。アドリブ部分はコード一発か、7thコードでなくトライアドコードで構成されたものだけ。そういうところはかなり「ポップ」に聴こえる。テーマには和音の動きがあるのに、ソロになるとコード一発でアップテンポのスウィングになる曲が一曲だけある。

ドラムのジョン・クリステンセンが叩くドラム、個人的に大好きです。ドラムの音色はもろにジャズ。どんなスタイルのジャズにも似合う。しかしこのアルバムで彼は前出のアップテンポスウィングのアドリブ部分以外、ジャズビートは叩いていない。どの曲でも「~っぽい」ビートを叩いている。ファンクっぽかったりカントリーっぽかったり。特定のカテゴリーに入れにくいけれどグルーヴしている。

ライブの掛け持ち

2006年05月05日 | 音楽
昨日は2カ所でギグがあった。掛け持ちってことで慌ただしいが、そこはフリーランスの身。頂いたギグはスケジュール上可能な限り引き受けることにしている。

一つ目はジャズ・ヴォーカリスト、クリーヴ・ダグラスさんのステージ。場所はマンハッタンのアッパーウエストサイドにあるシュガー・バーというお店。二つ目のギグは、グリニッチビレッジのアーサーズ・タバーン。シュガー・バーでは8時から1セットだけということだった。終了後油を売らずにとっとと楽器を片付ければ、10時から始まる次のギグには余裕で間に合う。

シュガー・バーでのギグは、ステージ自体とても楽しくお客さんの反応も良かった。なんでもクリーブさんとギターのトニーさんは前々日シカゴで行われた第32回デューク・エリントン記念コンサートに出演したばかりだったそうで、この日のステージでもエリントンの曲を数曲演奏した。そのうち一曲はエリントンの息子、マーサー・エリントンからクリーブさんに贈呈された"I didn't know about you"。ギターのトニーさんがアレンジした。このバンドならではの貴重な体験でした。

万が一このステージが長引いた場合、途中で退場させて頂くことは了承済みだった。実際、30分遅れて始まったので、ステージ途中でシンバルとスネアドラムを片付けて退場することになってしまった。この日初めてご一緒したパーカッションのヤマザキ・ケンさんをはじめバンドメンバーには負担をかけてしまいました。すみません。

シュガー・バーを途中退場し、アッパーウェストサイドから地下鉄に乗ってグリニッチビレッジに30分弱で到着。いつも一緒にやっているブルースバンドだけれど、この日はいつもより音量が大きかった。シュガー・バーでの音量が目盛りで3、アーサーズでいきなり8、という感じ。でもドラマーとしてはジャズのビートとブルースのシャッフルビートは相通じるところが多いので、あまり違和感は無い。ていうか違和感がありすぎたら僕はとっくに廃業してます。

デューク・エリントンの曲を演奏したこの日、アッパーウエストからグリニッチビレッジへ移動するために乗った地下鉄は2トレインでした。Aトレインだったら良かったんですが・・・。