plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

パット・メセニーが弾いたミルトン・ナシメントの曲

2007年08月10日 | 音楽
ドラム講師として参加しているNGWでの目玉イベント、パット・メセニーとジョン・パティトゥッチのクリニックを参観。休憩無しで3時間、ドラマーのアントニオ・サンチェスを含め、各人の音楽を始めたきっかけと演奏に対する考えを中心としたQ&Aに大半の時間が費やされた。

残りの時間で演奏したのは、ジャズブルース(曲名忘れました)「オール・ザ・シングス・ユー・アー」「クエスチョン・アンド・アンサー」「ベラ・クルーズ」。ブルースと、スタンダードのオール・ザ・シングス~はジャズクリニックでは定番。その次の曲はメセニーのジャズの代表作。最後の曲はブラジルが生んだ世界的シンガー/ソングライター、ミルトン・ナシメントの名曲"Vera Cruz"。アルバム「アメリカン・ガラージ」などの初期のパット・メセニー・グループファンが今日のこれを聴いたら堪らなかっただろう。演奏を目前で聴きながら、あの独特の長髪を振りかざしながらアコースティックギターがむしゃらにを弾いていた20年以上前の映像が目に浮かんだ。今日はその当時とはうってかわり、抱えたギターに顔を向けて立ったまま殆ど動かずに弾きまくるメセニー。一方まるで昨日買ってもらった玩具に夢中な子供の様に、身体を揺さぶりの、時たま声を出しの、気合い入りまくりでアコースティックベースを弾くパティトゥッチ。対照的な情熱がステージに溢れ出していた。

ただ、「今現在のジャズの95%は聴けた代物ではない」(メセニー、パティトゥッチ)「5歳から(メセニー)或は10歳から(パティトゥッチ)現在にいたるまで、自分が音楽家になることに何も疑いも持たずに過ごしてきた」という発言には、色々な意味で目眩がした。また、曲のエンディングでシンバルに垂直に当てたスティックを引っ掻き擦って出された金切り音には、思わず耳を塞いだ。NGWが全日としては最終日だったせいか、たまたま今日になって先週からの疲れがドッと出てしまったのだろう、普段接しない非凡な人達の振る舞いに少し神経過敏になっていたようです。参観したタイミングが悪かった。それでもこの時に演奏された4曲はどれも心地良く、興味深く、そしてエキサイティングだった。

夏のギター教室今年最後の週

2007年08月07日 | 音楽
先週に引き続き、NGWの第6週目が始まった。上の画像はクイーンズとブロンクスを結ぶWhite Stone橋。車で1時間強走行後、このような田舎町に到着。



影で少し見えにくいけれど、上から順に近い地名が並んでいる。目的地は一番上約7マイル先のNew Milford。



その7マイルの行程とはこのような一車線の国道Route 7。





Route 7を右に逸れるとそこにはまた橋が。ニューヨークのより全然短いけれど、川のすぐ上を通っているのを実感できる。





小さな町、New Milfordの中心部(モールと呼ぶ)は徒歩でも10分かかるかどうかの規模。







そこから会場の高校キャンパスに着くにはこの「心臓破りの坂」を登らなければならない。ジョギングしたらかなりきついと思う。そうでなくて夜に町で飲んだ後になら歩いて登ったけれど、結構つらい。









下の画像とは直接関係無いけれど、今週の1日限定のクリニックにはPat MethenyJohn Patitucci という大物二人が講師の予定。さらにデモンストレーションとしてのドラムス担当がMetheyトリオに在籍して5年くらいになるAntonio Sanchez。最近彼はPatitucciトリオにも加入している。







別の土地で同じ仕事を

2007年08月01日 | 音楽
気がついたらヴァージニア州からニューヨークに戻ってもう3週間が過ぎ、今週はコネチカット州でのNGWでまたドラム講師を担当。ニューヨークから車で2時間弱のこのキャンパスに来たのは3年ぶり。その以前7-8年ほど毎年夏に1-2週間過ごした。



到着当日は朝から濃い霧が立ちこめていた。周りには小さな山河が多く、キャンプ場やハイキングコースが多い土地だけれど、日中暑い時はニューヨーク並みに蒸し暑くなる。ただし朝方はめっきり冷え込む。眼の前に広がる芝生と、パトカーや消防車、ゴミ清掃車のけたたましい音から解放されて安らかな気持ちになる。遠くで聴こえる鳥の声が静けさを際立たせている。