plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

新しい道具

2005年08月31日 | 音楽
とうとう買った。内蔵マイク付きで、コンパクトフラッシュというメモリーに直接24ビットで録音できるR1だ。

ここ数ヶ月、アマゾンのウィッシュリストに放り込み、週四日は価格変動をチェックした。「これはもう当分値崩れしない。」「iPodなどのように大勢の人向けの品ではないから近い将来作るのをやめちゃうかもしれない。」「R1で録音したものはデジタルファイルとして直接マックに取り込める。もう12分の演奏を12分かけて取り込まなくていい。」取り留めのないことをつぶやきつつ、最近運動不足で特に重くなった腰を上げた。

でもその割ににはサクッと西48丁目の大手楽器店に寄って、ただ一つ残っていた展示品をサクッと買いました。知り合いのミュージシャンはネットで注文してから数ヶ月後にやっと手に入れたのにこんなにあっさり手に入るとは。店員さんも残っているのが奇跡的だと言っていた。なんでもあのスティービーワンダーがどえらく気に入ったらしく、20個程買い占めて友人知人に配ったとか。

とにかく今は少しずつこの新しい道具の使い方を探っている。音量レベルの設定から置く向き、マイクの特性、イコライジング、コンプレッサー、マスタリング、云々。まるで愛着が湧くようにワザと複雑にしてんのかねぇというくらい、一筋縄では行かない。どうも取説を読んだだけではベストサウンドを長時間録ることは無理だ。かなり細かい設定ができるからそれはそれで面白そうだ。使い勝手が分かれば、の話だが。とりあえず音量が大き過ぎると起こる「音割れ」をさせないようにしよう。そこからだ、次が見えてくるのは。........

友達のオフブロードウェイ

2005年08月30日 | 音楽
先日のブログ記事に書いた"Once around the sun"というミュージカルを観に行った。ソングライター3人のうち二人が元バンド仲間であるこのショー、プレビュー開始からほぼ一ヶ月かかってやっとチケットが手に入った。そのくらい繁盛しているらしく、公演期間が延長されたそうだ。いい具合だ。

ショーの内容は売れないロックバンドにまつわるもので、ソングライター達の実経験が色濃く反映されている。会場はマンハッタンのHell's Kitchenエリア。Zipper Theaterという劇場なのだが、実際にファスナー工場だった所を改築したらしい。確かにそのブロック自体は今でも現役の繊維業を主とした倉庫やら小工場で成り立っている。劇場の目の前に行くまで、住所を間違えたか?と思ったほど。

キチキチに詰めれば200人入るかなという広さだから、皆が静かにしていればアコースティックギターの生音が聴こえる。大きな音を出すと収拾がつかなくなる。しかしロックバンドについてのショーだからステージ上でキャストが演奏するシーンが多い。ステージ右裾には姿は見えないバンドがピットに入っていて95%の音楽を演奏する。普通は100%なのだが、キャストの中には簡単なギターなら弾き語りできる人がいるので、彼らが弾き始める歌もある。また劇中のバンドのドラマーはステージ上とピットと両方の場所を移動して一人で叩いていた。役者とピットバンドを兼任していたのだ。元々役者ではない彼に台詞は無かったが、笑ったり頷いたりなどの演技はあった。とにかくピットの音とステージ上の音をブレンドさせるのには相当苦労した、と友人のピットギタリストが教えてくれた。劇場内の幾つもあるスピーカーの配置、音量配分は勿論、デジタルディレイを使って音のでるタイミングを調節したりしたそうだ。

実際どこにでもいそうなロックバンドの葛藤。現実にそれを夢見てやってきた人たちが歌を作り、本物のミュージシャンやブロードウェイの役者、スタッフのプロが賛同してできたこのショーの数々のシーンには、ミュージシャンとして頷けたり内輪受けとした笑えたりする箇所が多かった。音楽業界を知らない人はどう思うのだろう?テレビのリアリティーショーが全盛の今日この頃だから皆の興味をそそるだろうか?

売れないロッカーの自虐ギャグほんの少々、素晴らしい歌声をしたキャストが歌う盛りだくさんの上質の歌、そして有名になることと自分のやるべきことについてのいろいろな考え方を示した脚本でできたこの"Once around the sun". 是非一度ご覧下さい。

Once Around The Sun - a musical about music

我が師のホームページ

2005年08月23日 | 音楽
僕がボストンでドラムを勉強した先生のホームページを発見した。

Jazz Drummer Joe Hunt

去年の10月作成とのこと。数十年に渡る素晴らしいキャリアを持つ彼のサイトが、ようやくできたという感じだ。Hunt氏はきっちり30年の間バークリー音楽院のドラム講師を勤め上げた。僕がレッスンを受けたのは2年間ほどだろうか。その間彼には音楽について、ドラムについて本当に色々教わった。レッスンの始めはいつも厳しく、終わりは大概ハッピーエンドだった。小難しいエクササイズを習った覚えは無い。その代わり、左足で踏んで鳴らすハイハットシンバルの音色が悪い!ということで、数十分間ただひたすら足で「チッ。チッ。チッッ。チッッッ。」と鳴らし続けた覚えはある。バンドで演奏するのに最も大切なのは「自分と一緒に演奏しているバンドをしっかり聴く」能力だ。それを身につけるのに必要なことを一つずつ丁寧に厳しく教える人だった。

ジャズドラマーとしての彼のキャリアは輝いている。特に60年代から70年代にかけて在籍したグループはジャズファンでなくても知っているような名前が多い。敢えて日本語で書くと、スタンゲッツ(「イパネマの娘」を有名にした人)、ビルエバンス、デクスターゴードン{映画「ラウンドミッドナイト」の主人公役}、チェットベイカー、ジョージラッセル、、。

優れた演奏家が必ずしも優れた教育者ではない。しかし優れた音楽の教育者は必ず演奏或は作編曲で秀でている。Joe Hunt氏は自分の極上の演奏体験で得たノウハウを惜しみなく授業で、仕事場で、或は食事時の会話で伝えてくれた。これからは自己のバンドに専念するとのこと。まだまだ叩き続けてくれることだろう。

a master of avant garde jazz and beyond

2005年08月16日 | 音楽
題名はピアニスト/作曲家Cecil Taylor氏のことである。大多数のジャズとはかなり感じが違う音楽を創り続ける巨匠である。そしてジャズの歴史には誰よりも精通している。自分が5歳の時、お母さんに連れられて聴いたChick Webb(1930年代に活躍したジャズドラマー)のコンサートを今でも鮮烈に憶えているような人である。

そのような巨匠がどうした訳か、僕が毎週演奏しているクラブに頻繁に遊びに来る。そこはミュージックチャージなど無く、こじんまりとして飾り気といえば年中そのままになっているクリスマスや大晦日、はたまたハロウィーンの飾り付けだけだ。多分単にこの雰囲気が気に入っているのだろう。

この巨匠がお見えになるのは大抵ブルースやファンク、R&Bのバンドが演奏している時だ。そんな時に彼と話していると、R&Bやブルースとジャズとが如何に密接かということを実感する。実際に演奏するコードだとかフレーズなどの音使いは違うが、音楽を通じて訴えたいことが根本で一致するからだと思う。

Taylor氏は生まれも育ちもNYだ。そして幼少の頃からここで生まれたジャズを逐一体験してきた。ただ聴いていたのとは訳がちがう。何十年もの間のNYそのものを肌で感じてきたのだ。サッチモやビリーホリデイ、バドパウエル、セロニアスモンク、マイルスデイビスなどの大物との体験談は彼にしかできないものばかりだ。

その半世紀以上に渡る体験のほんの片鱗を、僕は自分のブルースライブの15分の休憩時間に何度聞いてきたことか。全く勿体無いというか、落ち着かないというか、頭がグシャグシャになるというか、いつもそんな感じになる。その直後にこの巨匠を前にしてコードは3つのみ、のブルースを演奏するのである。おもしろすぎる。

まだまだ作曲、演奏活動をバリバリやっているこの巨匠はすごい。その合間を縫って遊びにきて頂いているわけだからありがたいことだ。こちらとしても体力の続く限り呑むのにお付き合いしたい。

教会周辺の地下の風景

2005年08月15日 | アメリカあれこれ
5番街と6番街の、50丁目から57丁目辺りには教会が多い。このエリアに5th Avenue/53rd Street という地下鉄の駅がある。プラットホームは割と深い所にあり、改札から長いエスカレーターで降りて行く。別にNYで一番長いのではないけれど、相当以前に造られた感じと、無機質にならんだ広告が印象に残る。この辺りの地上には100年以上前に建てられた、レンガ壁の教会が立ち並ぶ。

今週だけの寿司ネタを含めた一晩

2005年08月13日 | 食生活
旨い「寿司」が食べられる「いちむら」へ夕食に。先週末シンコが入荷したことを連絡して頂いたので、早速友人3人と予約を入れた。何しろ夏のほんの2週間くらいしか食べられないシンコである。わざわざご主人が連絡して下さったのである。行かない訳がない。

この日はシンコも旨かったが、金目鯛やメバル、アワビなども素晴らしかった。醤油とわさび、あるいは煮切り醤油や粗塩で食べると、しみじみ旨い。ここではクリームチーズやハラペーニョを乗せたりしないのだ。そういうものは個人的にはアルファベットでsushiと書く。できれば日本語のメディアでも区別して欲しい。英語でのメディアに良く紹介されるのはそういうsushiだ。このsushiを否定はしない。たまに食べたい時もある。でもそれらが日本の代表的なメニューだみたいな記事を見ると、正直呆れる。あれは創作料理だって。

日本とは違う気候で違う性質の水を使うここNYでは、全て日本と同じ材料を使ったとしても同じ味にはならない。「いちむら」の寿司はNYで食べているのに日本の味がする。それは素材選びや仕込み方をとても上手く調節しているからだと思う。

日本で生まれ育った経験豊かな職人、が新しい環境で挑戦している。何かその思いが食べる側に伝わってくる気がする。僕が「いちむら」の寿司を食べて思うのは「日本人に生まれて良かった」と「NYに住んでいて良かった」ということだ。

a new show on off Broadway

2005年08月12日 | 音楽
今日からオフブロードウェイのシアターで"Once Around The Sun"というミュージカルが始まる。ミュージシャンとしての経験からできた、ミュージシャンの話だ。

全曲の作詞作曲をしたのは僕のボストン時代からの同級生であり、NYでもしばらく一緒にCDを出したことがある双子の兄弟だ。

彼らの現時点での肩書きは「ソングライター」。けれども全体のコンセプト、脚本の初稿、会場選び、資金繰りなどを彼らを含めた4人の仲間だけでこなしていた。初めての公演は"Rock Star"というタイトルで、70席程の小さな芝居小屋で行われた。この公演と直後に録音したCDのドラム担当は僕でした。

その初演からでも約4年、コンセプトが決まり、曲だけによるライブを始めてからだと約6年の歳月が流れている。
何度も何度も違う脚本家を起用しては書き直し、出資者を募るのに奔走してここまで頑張って来た彼らの粘り強さと気力には感心する。その甲斐があって、ブロードウェイ業界のプロ中のプロのディレクターや音楽監督が参加するようになったのだからすごい。

まずこのオフブロードウェイで好評を得て、ブロードウェイに進出するのが次の大きなステップだ。
昨日までのプレビューが連日満員だったそうだから出足は順調なようだ。

ウェスト37丁目のZipper Theaterにて9月初旬まで公演予定。
NY近郊にお住まいの方で興味のある方は是非ご覧下さい。

Once Around The Sun - a musical about music

Jazz in Central Park #2

2005年08月07日 | 音楽
ワインの代わりに持って行ったビールが会場入り前の荷物検査で引っ掛かってしまった。缶は持ち込めないのだそうだ。テロ対策か?それだったら瓶だってすごく危ないだろうに。地下鉄のランダム検査もそうだけど、あまり効果はないような気がする。例年と違うルールになったのなら一言イベントのウェブサイトに載せてくれたら良かったのに。

そういうことなので初めの1時間は、会場の柵外にシートを敷いて音だけを鑑賞。結構良い音だったので満足。久しぶりに大きな木の下に寝転がりながらゆっくりできた。

ビールを飲み終えて会場入り。あともう一バンド残っているというのにぞろぞろと帰る人が多かった。おかげで楽に良い場所に座ることができた。

コンサートの内容はというと、、。

一番目のEric Lewis Quintetは最後2曲しか注意して聴けなかった。Miles Davisの60年代の作"Pinocchio"とPhil Collinsの"Take me home"。いろいろな曲をやりたいのだろう。それだけの音楽性を持っているプレイヤーだからサマになっていた。

二番目のBrad Mehldauはソロピアノで一時間弱、一言もステージで喋る事無く弾きまくっていた。一曲だけThelonious Monkの作を彼なりのアレンジで弾いた以外は知っている曲は無かった。右手と左手がそれぞれ独立した動きをするカウンターポイント的なソロが殆どで、その節回しはもうジャズというよりは現代音楽のように聴こえた。しかし10のうち1か2の割合で今までのジャズを感じさせるメロディーが出て来た。彼にとってはこの比率が一番自然なのだろうか。即興なのにまるで事前に作曲したかのような緻密さが全曲にあった。

最後はJason Moran&Bandwagon。セミアコのベースギターとドラムから成るこのトリオは、ファンクやブルースのノリを使いつつもそれだけではどの一曲も終わせなかった。リズムをわざと崩したかのようにしたり、コード進行をいきなり関係ないようなものに変えてまた戻ったりと波瀾万丈とお約束のノリとのバランスが良いバンドだった。

こういう事を無料で一般向けにやるのがNYの素晴らしいところ。これからも幾多の予算カットやテロ対策などに負けず続けてほしい。別に全面禁酒にしても良いからさ。

Jazz in Central Park #1

2005年08月07日 | 音楽
今年で20回目になるという、セントラルパークでの野外コンサートを聴きに行った。この日は3人のジャズピアニストがそれぞれクインテット、ソロ、トリオと違った編成で出演した。天候は曇り。会場に行くまで少し雨がパラついたが、大降りにはならず。気温もそれほど高くなかった。

ここの野外コンサートではビールとワインだったら持ち込んで良いことになっている。公演に入る前に、コロンバスサークルにあるWhole Foodsに寄って食料とワインを調達。ところが、ワイン見当たらず。酒類販売ライセンスを近日オープンする別のWhole Foodに移したそうだ。結局ビールを購入。湿気の多い日だったのでこちらが正解だった。

頭上の飛行機、飛行中

2005年08月05日 | アメリカあれこれ
Grand Central Parkwayという高速道路を走行中の車から撮った、着陸態勢に入る飛行機。

画面右下に細く曲がって突き出ているのがハイウェイランプ。次々と景色が変わる走行中の自動車からこの角度で降りて来る大型旅客機に接近するスリルが伝わるだろうか?頭上スレスレというのは事実ではないけれど、実感そのものだった。

an innovative trombone player has gone

2005年08月04日 | 音楽
もう先週の事になってしまったが、ドイツのジャズトロンボーン奏者、Albert Mangelsdorff氏が亡くなった。

ヨーロッパのジャズマンとしてはいち早くロックやアヴァンガードの要素を取り入れた。また、本来なら単音しか出ないトロンボーンで複数の音を出す奏法をあみ出した。僕が初めて彼の演奏を聴いたのは、70年代の寄せ集めビッグバンドJazz Galaとのものだった。

コード一発の部分が多いその曲でのソロは未だ忘れられない。音色は淡々としているが、もの静かでは無い。一つ一つの音は確信に満ちている。凄く「余裕」で吹いているように聴こえた。冗談と本気、浮遊感と不動感、空飛ぶ鳥と地に根を張る木。そんな相反した要素でできたような音色でのそのソロを聴いた時、何か音楽以外の独特のイメージが伝わってきた。それは強いインパクトを持った映画の一シーンを観た時に得るものに近いかもしれない。「匂い」とでも言ったらいいのだろうか。

浮遊を感じたのは、タイミング的にすこ~し遅れ気味で吹くセンスの良いフレーズが出た時。そのフレーズの終わりの音が上の方にクゥィーンと行きつつフェイドアウトされた時、なにかが宙に浮かんでは消えた、ような気がした。

不動を感じたのは、複数のフレーズ間で、終わり方にある規則みたいなものが分かった時。ランダムなものはステディーなものと比較すると際立つ。

トロンボーンは長く伸びた二重の管をスライドさせて音階を吹く。ピアノの白鍵と黒鍵やギターのフレットのように音を区切るものが無いから無段階に音が出る。区切りがないからドレミファソラシド、と正しく区切って吹けるようになるには相当練習しないといけない。でも上手くこの特性を使えば、独特の音使いができる。ギターでのチョーキングやスライドと同様、一気に幾つのも音階を駆け抜ける音にはインパクトがある。ただしやり過ぎると激しくダサくなる。

その後彼の2枚組CDを買って聴いた。ベースがJaco Pastorius、ドラムがAlphonse Mousonのトリオのライブ盤だった。サウンドはジャコのフレットレスベースと初期のウェザーリポートのドラマーだったムゾーンがリズムセクションだ。彼らは70年代から80年代にとても流行ったフュージョンの立役者だったから、前の時代の音という感じは拭いきれない。けれども内容は独創的だし、一つ一つの音に気合いが入っていて、カッコいい。何せベーシストとして一つの時代を創ったと言って過言ではないジャコが入ったコードレストリオである。個性のぶつかり合いとはこういうのを言うのだろう。一発聴いただけで、誰だかすぐ分かる音のコンビネーションだ。聴くのに相当のエネルギーがいるが、ハマると凄いことになる。

コロンビア大学のFM局で追悼の意味で(だろうと思う)、彼の作品を時系列に沿って流していた。その時、初めてこの独創的トロンボーン奏者がとてもトラディショナルなジャズ、誰が聴いてもジャズ、を演奏しているのを聴いた。当然、しっかりと「ジャズ」の音になっていた。フリージャズやアヴァンガードジャズは、僕にとってそれほど慣れ親しんでいるとは言えないスタイルだ。でも一つだけ言いたい。このスタイルで凄い人は必ず伝統的なジャズをしっかり聴きまくり、相当上手く演奏出来る。人によっては期間限定で先人の誰かにソックリというケースもある。でもそれは良いのだ。人のコピーはするなら徹底してやらないと実りは少ない。こういうことが出来ないのにフリージャズだとしてやっている奴はイカサマだ。

誰にでもユニークなことってできるけれど、人にインパクトを与えるには自分が取り組んでいるものの歴史を踏まえつつ、その凄さに押し潰されずに自分の感性を表現できなければダメだ。いつもはったりばかりでやっている音には深みは無い。

God bless Mr. Mangelsdorff.

食後のデザート

2005年08月02日 | 食生活
今のご時世、日本からNYに来る事はさほど大変ではない。住んでいる自分より観光で来た友達の方がNYのトレンドに詳しい、なんて話を良く聞く。そのせいだろうか、ここに住んでいるからこそ気楽にできることを意識して喜んでいる時が多い。

例えばこの写真を撮った時。これはNYで一番旨いステーキを出すブルックリンの老舗ピータールガーのデザートだ。この日はランチでしか食べられないというハンバーガーを食べに行った。一週間足らずの日程でNYに来る場合、普通このような名物レストランには夕食に行くと思う。ピータールガーはハンバーガーもとても美味しかった。そしてここのステーキ同様、食後に胃が全くもたれなかった。

写真に話を戻します。手前にあるのがチョコレートムースケーキ。これ自体サイズや甘さで充分日本で話のネタになるが、こちらに住んでいる邦人にはもう「お約束」。注目して欲しいのはその背後にあるミニチュアの雪山である。これがケーキにおまけで付いてきたホイップクリームなのだが・・・。

一緒に写っているコーヒーカップやスプーン見比べれば、これが如何にとんでもない量だか分かって頂けると思う。凄かったのはこのホイップクリームの濃さである。今までこれほどの乳脂肪が入ったクリームを食べた事はない。もうクリームとは呼びたくない程だ。平日のランチタイムだったのでそれほど焦って食事を終わらせることも無かったから遭遇したこのデザート。またNYで一つおもしろい体験をしました。

都会の谷間で演奏

2005年08月02日 | 音楽
一週間ほど涼しい日が続いているが、またそろそろ暑くなりそうだ。夏になると屋外で演奏する機会がある。今年はまだ初夏だった5月頃にマンハッタンのミッドタウンにある教会の広場で演奏した。

この教会はおよそ100年前に建てられたそうで、煉瓦でできた壁や床は当時を偲ばせるものがある。パークアべニューに面した広場にセットしたドラムセットに座りながら撮ったのがこの写真。ミッドタウン東側のオフィス街にあるため、教会の四方は高層ビルに囲まれている。ふと上の方を見るとまるでポッカリ穴があいた所に居るかのような錯覚に陥りながら、ジャズを演奏していた。