ポリ袋ブログ

主にポリ袋について書いています。

上流思考

2022年04月03日 08時10分00秒 | ポリ袋
上流思考
ダン・ヒース著
櫻井祐子訳






私たちは、上流で「ちょっと変えればいいだけ」のことをしていないために、毎日、下流で膨大な「ムダ作業」をくりかえす。

問題が起こる前に解決する新しい問題解決の思考法

本書の中の一つの例としてレジ袋が挙げられている。

日本では2020年7月1日からレジ袋の有料化が始まった。

レジ袋は、膨大なプラスチックゴミのほんの一部分に過ぎないが、軽くて風に飛びやすいので河川などを伝って海に流れ込む。

そして海洋生物の誤食を引き起こし危機に陥れ、海岸の美観を損ねることにもなる。

レジ袋は店で買った商品を持ち運んだ後にはゴミとなってしまい「反持続可能性」のシンボルと言える。

そこでレジ袋を有料化し減らしていくことにした。

本書ではレジ袋を禁止するとどんなことが起きるか予想している。

①紙袋の利用を増やす
②エコバックを持参する
③袋を使わなくなる

紙袋やエコバックは海洋の流れ込まないという点では優っているが、レジ袋よりも嵩があるので製造と輸送にずっと多くのエネルギーを消費し、炭素排出量が増える。

イギリス環境省の調査では、紙袋は3回、綿のエコバックなら131回使用してレジ袋よりもエコになると試算する。

加えてこの2点の製造過程ではレジ袋よりも大気や水質を汚染する物質の排出量が多く、またリサイクルが難しい。

海洋汚染を抑えることには利点があるが環境問題全体としては得策といえない。

日本でもそうだが、レジ袋有料化後レジ袋が厚くなった。

厚くなればそれだけ原料を消費するが、丈夫になった分再利用しているかは疑問だ。

また、ゴミ箱用の小さなゴミ袋の売り上げが伸びている。

これはゴミ袋としてレジ袋を再利用していたが、そのレジ袋が手に入らなくなったことで新たにゴミ袋を購入しているといことだ。

レジ袋の有料化で絶対量は減っているが、新たな問題も持ち上がっている。
 
それでは海外ではどのような動きがあるだろうか。

シカゴでは2016年にレジ袋禁止条例が廃止され、代わってレジで配布される紙袋とレジ袋1枚につき7セントの税金を徴収することになった。

結果は概ね良好なようで、レジ袋の削減になっているし、必要な人からは税金を徴取できるので市民サービスの原資が増えたそうだ。

日本もレジ袋は有料だからお金を払うことには変わりないが、税金ではない。

日本も店舗の必要経費を差し引いた残りを税金として徴収し、生分解性プラスチックなど新素材普及のための原資とすれば良いのではないだろうか。




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