プラスチック汚染とは何か
枝廣淳子著
岩波ブックレットNo.1003
プラスチック汚染を扱った書であるからレジ袋の記述が多い。
私の琴線に触れたことはレジ袋削減の運動が以前にもあったこと。
そして生分解性プラスチックにも課題があること。
レジ袋の削減運動は今に始まったことではなく、数十年前にも「レジ袋をやめよう」という運動が持ち上がった。
そのときの主な理由は「化石資源は枯渇するから」であった。
そこで業界団体から「レジ袋は原油を精製する過程で生じるナフサを使って製造しているのだから、レジ袋をやめても化石資源の保全には関係ない」という声が上がり、運動の勢いは失われた。
昨今の「レジ袋をやめよう」とういう動向は「吸収源としての問題」への対処として出ている。
製造・使用・廃棄されたレジ袋が道端や世界中の海に散逸し、自然環境では分解されないプラスチックゴミとしてたまりつづけていることが問題になっている。
そこで注目されているのが生分解性プラスチックであるがこれにも問題があるという。
・海洋環境中では正分解されるまでに長時間かかり、長期にわたってマイクロプラスチック化してしまう。
・分解されやすくリサイクルには不向きなため、回収時に他のプラスチック素材と混在するとリサイクルの阻害要因となってしまう。
・多くの生分解性プラスチックは分解に際して嫌気性の環境を必要とし、分解時に大量の温室効果ガスを排出する可能性がある。
・「どうせ分解するから捨ててもいい」というモラルハザードを引き起こし、ポイ捨てを助長する恐れがある。
私はポイ捨てにつながるのが一番怖い気がする
