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ブルターニュ紀行 41 < ヴァンヌ 2 > モルビアン湾に沿って 5

2021-05-07 00:49:28 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 : ヴァンヌの旧市街の家並み

荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
41



前回に引き続きモルビアン地方の中心都市「ヴァンヌ」のご紹介です
今回は街の中を歩いてみることにしましょう

何しろ旧市街の家並みが絵のような光景なんです

教会のすぐ横に『Place Henri IV アンリ4世広場』という
小さな広場がありまして
そこが一番有名なのですが
もちろんそこだけというわけではありません


レンズが広角ゆえの両端が斜めに写ってしまう特性を割り引いたとしても
この二軒の傾き方は
ハンパない



支える基礎の石の柱までもが
曲がってる
こういうのは以外と珍しくはないので各地にあるのです
各階の床は完全に水平に直してあって
生活して行く上での不便はないのです
窓やドアもしっかり開け閉めできる


上層階に行くに従って床面積を増やしていくので
どんどんせり出してくる






「アンリ4世広場」のすぐ先
教会の前は『Place Saint-Pierre サン・ピエール広場』


この黄色の柱の家も
傾き方が尋常ではございません






その他
いたるところ目を奪われる光景あり






この古そうな丸い塔のうねり具合といったら



その塔の上に無理やり乗せられた屋根の
ごめんね感





























この真ん中の細身の建物
地上階は両側の建物と同じ平面にあるが
上階に行くに従って
反っくり返るように後方に傾いてる







そんな中に
『La Cohue ラ・コユー』
と言う名の古い建物があります



黄色い家は後からの付け足しで
その右の
アーチの玄関口を持つ石の建物ですが黄色い建物の裏側に結構大規模で
ブルトン語の「Le cohue」は
「市場 兼 交易所 兼 裁判所」


15世紀半ばまでは
地上階には小口の店舗や仲買人の小間がひしめき合い
上の階がブルターニュ公のお白州だった



ブルターニュ公国のフランス王国への吸収合併の後は
紆余曲折があり
現在は『Musée des Beaux Arts de Vannes ヴェンヌ市立美術館』
に使われている


オーソドックスな絵画も勿論あるが


現代美術にも力を入れており


テラコッタのりんご



エントランスホールにほど近いところに
巨大な
判別不明の作品がのたうっている



木のチップを張り合わせて作られているらしく
先端から内部が覗けた


中庭にも何やら不思議な作品が



そして昔の井戸も保存されている



さて
旧市街の中心的存在である教会に行ってみましょうか


『Cathédrale Saint-Pierre 聖ペテロ大聖堂』




見るからに絵のようなゴシック


13世紀に作り始め
途中の中断やら何やらで
完成は19世紀になってから
まるでケルンやロンドンの大聖堂級です


手前に見える
正面ファサードに向いて左の塔の下から2段目までが
13世紀創建当時の姿


3段目ととんがり屋根は19世紀のもの


内部も見てみよう


身廊の奥
内陣の始まる位置の左右に付け柱が其々立っているのが興味深い


それぞれの付け柱の前は祭壇になっている






これだけの規模のカテドラルだけに
主祭壇は9箇所通り十字架の交差部にある




Photo by ⒸHellegouarch

天井の石組みのアーチの上
外から見た粘板岩の瓦ぶき屋根の内側はこうなってます
この写真では分かりにくいですが
左下の部分で天井カーブの曲面がわかるんです


『Tour de St-Sacrement dit de la renaissance』

通称「ルネッサンスの塔」という『秘蹟の塔』という部分があり
大聖堂本体と中でつながっていて
中は「聖秘蹟の礼拝堂」







イタリア式のクーポラ(円蓋天井)が「ルネッサンスの塔」の名に恥じない


ところで
この町のシンボルのようなものをご紹介しよう
その名も『Vannes et sa Femme ヴァンヌとその妻』


一階と二階の境目の左端を見て欲しい
こんな彫刻が見えるでしょう


この家自体の装飾で
石造り
本体のその部分のブロックからそのまま削り出してある
鎖でぶら下がったプレートに「ヴァンヌとその妻」
これはおそらく16世紀のもので
いつしかその店の屋号として呼びならわされてきたようで
19世紀には公式に屋号として使われていた記録もある
これも「登録重要文化財」です

最後にお祭りの光景を挙げておきます

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