巻頭写真 : 「ガヴリニス島」のテュミュリュスの玄道
海と信仰とカルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を巡ろう
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今回は「モルビアン湾」の中に無数にある島々の中から
特に興味深い島を幾つかあげて訪れてみよう
まず
先回最後に訪れた「アルゾン」の町に含まれる
岬の先端から500mほど沖合の岩礁へ
Photo by @GoogleMap
赤線で囲まれた薄緑に塗られた範囲が「アルゾン」の町の範囲
ちなみに左端のやや濃い緑の部分は
「モルビアン湾」の入り口の西側の半島の先端で
以前最大のメンヒルをご紹介した「ロクマリアケール」です
その「アルゾン」の町に属する小さな島
Photo by @GoogleMap
薄緑色の小さな島を訪れるのですが
ちなみにそのすぐ北側に白い島の一部が見えるのが
その次に行く島「ガヴリニス島」です
※ ※
「Pointe de Penbert ペンベール岬」から北へ500m
『Ile d'Er lannic エル・ラニック島』
ここには
ブルターニュでは非常に少ない『Cromlec'h クロムレック』
が残っているのです
以前ご紹介して巨石遺跡のうちの
『環状列柱』
です
満潮時
干潮時
以下の5葉の写真を横一列につなぐと
見たままの形になるんです
そしてそのすぐ北側に
もう一つ重要な島がある
Photo by @bretagne.com
テュミュリュスがあるのがお分かりになるだろうか
非常に名高いテュミュリュスがある島『Ile Gavrinis ガヴリニス島』
Photo by @GoogleEarth
※ ※
その『ガヴリニス島』に行ってみよう
『Ile de Gavrinis ガヴリニス島』
『Cairn de Gavrinis ガヴリニスのケルン』 Photo by @tourismebretagne.com
写真の右端に
今回先にご紹介した「エル・ラニック島」の先端が写っている
両島の間は100m位しかない
作られたのは新石器時代で紀元前4250年から4000年頃
土をかぶせてテュミュリュスにする前段階のケルンは
切石の乾積み(プロヴァンスでご紹介したボリーと同じ)で
ドルメンを覆っている
直径50mのほぼ円形で
玄室から頂上まで8m
このテュミュリュスは内部の素晴らしい装飾で名高い
早速中に入ってみよう
玄道に入って目に入る光景
玄道から外に向かって振り返った光景
玄道の長さ14m
玄道の天井高は2m50ほどもある
天井岩を支える左右のメンヒルの一枚一枚に
線刻文様が刻まれている
突き当たりが玄室
玄室
玄室の壁に何かを引っ掛けるためのフックが切り出してある
おそらくずっと後世に人が住み着いた時代があったとしたら
その時に作り足されたのかもしれない
さらに
外部の頂上から鉄梯子付きのマンホールの入り口のような竪坑があり
5mほど降りると
もう一つ別の玄室がある
その玄室は
天井も床も壁も下の坑道より
巨大な一枚岩で
デフォルメされた動物らしき文様や
手斧などが大きく刻みつけられている
外に出ると
玄道の入り口のある側面以外は
長らく土がかぶっていた「テュミュリュス」の時代の外観がそのままで
入り口から見たときだけ「ケルン」に見える
ちなみに
このケルンの上の玄室の天井を塞ぐ巨大な一枚岩は
以前ご紹介した「ロクマリアケール」の
四つに折れて地上に転がっているフランス最大の「折れたメンヒル」の
実は下から2番目であったことがわかった
つまり
現在見られる青の巨大メンヒルは
埋まっていた基部を除いて
下から一番目/三番目/四番目/五番目なのだそうだ
このテュミュリュスが6200年前のものだから
「ロクマリアケール」の巨大メンヒルはもっと古く立てられたことがわかる
そして程なく倒れてしまったわけだ
大きすぎて重すぎたのだろう
この「ガヴリニス島」には
「アルゾン」か「ロクマリアケール」の港から
小さな連絡船でほんの数分でくることができる
※ ※
では次に「モルビアン湾」の島々の中で一番名高い
『Ile aux Moines オー・モワーヌ島(修道僧の島)』
に行ってみよう
Map by @GoogleMap
右側の縦の細長い島がそれ
オー・モワーヌ島のビーチ
この島は細長いので
この「細長いビーチ」の写真が典型的に使われる
もう少し引いてみるとこう
教会とビーチと
『Eglise Saint-Michel de l'Ile aux Moines オー・モワーヌ島の聖ミカエル教会』
ビーチの周辺は貸別荘が立ち並ぶが
そこし離れると純粋に田舎の情緒が溢れている
礼拝堂はお約束
『Chapelle Sainte-Anne 聖アンナ礼拝堂』
干潮時には干潟になる海岸に建っている
礼拝堂に属する泉も
そして
この島には三箇所ドルメンがあるが
一番見ごたえがあるのが『Pen Hap ペン・ナップ地区』
『Dolmen de Pen Hap 1』
同
同
『Dolmen de Pen Hap 2』
同
さらには
この島にも「クロムレック(環状列柱)」があるのです
50個メンヒルが
途切れ途切れの半円形に残っている
その要をなすのが
その名も「Le Moine 修道僧」と呼ばれる一番背の高いメンヒル
そっくりでしょ
さすがは「Ile aux Moines 修道僧の島」という名前は伊達ではありません
結構複雑な(不思議な)形のメンヒルもある
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