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パリで美術三昧 < オルメカ展 2/2 > ケ・ブランリー美術館で 特別展を訪れる

2021-07-26 00:15:48 | 素晴らしき世界/パリ/美術
巻頭写真 : 『エル・アズズレスの4体』

パリで一番新しい国立美術館
『Musée du Quai Branly Jacques Chirac』は
「第三世界」の美術工芸の専門美術館
そこの
『オルメカ特別展』を訪れよう 
後編



『メキシコ湾岸 オルメカ人とその後継者たちの文明圏』


『祭儀と供物と副葬品』

『El Manati 出土 供物』
「左 16連パールのネックレス」紀元前1600年
「中央 と 右 祭儀用斧」紀元前1600年〜1200年

『El Manati 出土 胸像』 紀元前1200年〜紀元前900年

『El Manati 出土 胸像 と 王笏』 紀元前1200年〜900年



『La Merced 出土 彫像』 紀元前1200年〜900年

「レ・メルセッド」ではオルメカの歴史に重要な一ページを加える
時代の異なる二度かそれ以上の機会に奉納された無数の
宗教的祭儀の供物が発見された

「ベベ 赤ん坊」という愛称が付けられたこの「跪く」彫像は
手に斧を持ち
乳児ならではの且つオルメカの高貴な立場を表すシワの寄った表情で
ヘマタイト(赤鉄鋼)の鏡と土器の器と磨製石器の斧500本に取り囲まれていた

『レリーフされた小記念碑』

発掘作業時の写真も展示されていた





「オルメカ文明」というと
このような巨大な円頭がいくつも見つかっていることが知られているが
残念なことに
これらの円頭はパリには来なかった

『祭儀用の斧27丁』 紀元前1600年〜紀元前900年(第2期?)

『供物』 紀元前300年〜100年

「擬人化個体」「擬獣化個体」「首飾り」「耳飾り」「玉」その他「破片」
など30ピースの供物セットの一部

『同』


『同』

『彫刻』 紀元前1200年〜紀元前900年(第3期?)

第3期が最後の奉納で
複数の斧と道具や土器それにヘマタイトの鏡などから構成されているが
その中で傑出した彫刻作品がこれ
古代オルメカの神性を典型的に表しており
頭部の割れ目と突起は
彼らにとって新しい食物であった「とうもろこし」の出現を
表しているらしい

『祭儀用の斧』
線刻と浅いレリーフで「ヒトガタ」を表している


「レ・メルセッド」以外のサイトからの出土品

『セッロ・デ・ラ・メッス』のサイト

『Cerro de la Mesas 出土 牛の軛(くびき)のミニチュア』 紀元後100年〜300年

『線刻した亀甲』 紀元後100年〜300年


『坐像』

『貝殻のペンダント(部分)』
縁がカットされている

『多色彩色壺』


その他のサイト

『Maopasito 出土 土器』 紀元700年〜900年


『Tancama 出土 壺』 紀元1200年〜1300年


『同 耳飾り』


別の地域


トルテカ文明『Matacapan 出土 香炉』 900年

『Matacapan 擬人体像』 300年〜900年

身分の高い鎧姿の男
族長か他の部族の大使かと言われている
堅焼き土器製



左手で持つ盾 または 手甲




『マヤ文明』

『Balamcanchè 出土 神の姿を彫った香炉』 1250年〜1521年


『同』

そして16世紀
「征服者コルテス」侵入の直前の時代の副葬品

『フワステカ文化』
「タムトック」のサイト出土の35歳女性の副葬品
1520年頃

『ネックレスとペンダント・トップ』

ネックレスは
金張りの銅とカディスのガラスビーズおよび太平洋の貝殻から作られ
ペンダントは
グアテマラの翡翠
アステカ文明に含まれる「フワステカ人」の
16世紀初めの交易ルートとシステムが広い範囲で確立していたことがわかる
その他の副葬品の主だったものは
ローカルな陶




埋葬された当人の頭蓋

このサイトの町「タムトック」は「オルメカ文明」とその後継者たちの
中心都市のひとつで
紀元前300ねんから紀元600年頃が最盛期だったが
16世紀初頭でも15000人の人口を誇った

ここで2005年に素晴らしい発見がなされた

『生贄にされた女』 紀元1世紀頃

割れており欠損部分も多いが
繊細な仕上げの滑らかな表面
若い女性の身体の華美な美しさと官能性
若い世代の香り立つ苦悩
肥沃な豊穣さ
などが余すところなく表現されている




身分の高い人物を表しているのか
などモデルに関しては全く分かっていない
石切場の天然の貯水槽に沈んでいたので
彼らの先祖の儀式や習慣に則っているために「生贄」という呼び名がついた






最後に
『サン・ロレンツオ』と『ラ・ヴェンタ』
の地区



「サン・ロレンツォ」のサイトは
紀元前1500年から紀元前600年まで続いた
「ラ・ヴェンタは
紀元前1200年から紀元前400年まで存在した」

『サン・ロレンツオ出土』 紀元前1200年〜紀元前600年

前編でご紹介した「ラス・リマスの族長」と同じ形式で
歯のないV字形の口や胸元の衣服の襞及び
頭頂がV字形に分かれていて開いているのも「トウモロコシの神」「雨の神」を
象徴している


『同 背部』
縦に溝が伸びていて上に開いている

そして
「ラ・ヴェンタ」文化圏の「ザザカトラ」の出土品


『人造1』灰色凝灰岩製 紀元前800年〜紀元前500年


『人像2』安山岩製 紀元前800年〜紀元前500年

この2体も
口の形や頭頂部に開口部があることなどから
メキシコ湾岸全域での各地の権力者たちがイデオロギー的に共通の価値観に至っていた
という事が理解出来る


『ojoshal 出土 供物』 紀元前1800年〜紀元前200年

100個の斧と一緒に収められていた彫刻した笏
こんな組み合わせは珍しい


『Encrucijada 出土 胸飾り板』 翡翠製 紀元前900年〜紀元前400年


『祭儀用斧』緑玉製 紀元前1200年〜紀元前600年


次は「レ・ヴェンタの供物 No.3」と呼ばれるひと組からの抜粋
紀元前900年〜800年

『ひと型』

『ブレスレット』


『飾り板(バッジ)とペンダント』

続けて同じ「ラ・ヴェンタ」のサイトから

『首を捻じ曲げた猫』セラミック製 紀元前1200年〜紀元前900年


『足で立つ人像』翡翠(玉)製 紀元前1200年〜紀元前600年


『Simojovel 出土 祭儀用線刻斧』黒色粘板岩 紀元前1000年〜紀元前400年
一般的に「シモホヴェルの斧」と呼ばれる

『Tenango del Valle 出土 人頭』 ジェダイト(硬玉)紀元前1200年〜紀元前600年


上『人面文様のペンダントトップ』 緑玉髄製 紀元前1000年〜紀元前600年
下『』動物面文様の胸飾り板』 翡翠製 紀元前1200年〜紀元前400年


『Tlapacoya 出土 ひと形』 セラミック製 紀元前1200年〜紀元前800年

「ベビー・フェイス・タイプ」と呼ばれる堅焼き陶器のひと形で
内部は空洞のタイプ

前後二回に分けてご紹介してきた「オルメカ展」は
これで終わります

「ケ・ブランリィ美術館」は常設展示も大変にkyぽ海深いです
いつかご紹介しましょう



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