白猫ちゃん動画に 何故
こんなにも惹かれるのか考えた
昔 保育園時代に飼っていた
チャコという白猫のせいかも知れん
もの凄く鮮明な記憶がある
初めて会った時は
子猫で テレビの下で
シャーシャー威嚇していた
物怖じしない私は力任せに
引っ張り出し 無理に抱きしめた
でも直ぐに懐いてくれて
とてもかわいいメス猫だった
チャコがお腹を壊して
私の絵本の上に粗相をした時
私は思いきり叩いたのに
ニャー…って 弱く鳴いた事
まるで 何するのよう と言う様に
母に チャコはわざとしたんじゃないんだから
叩いちゃダメでしょ と叱られ
子供心に 悪い事をしたと思った
40年以上昔の事なのに
忘れられないくらいに
胸が苦しくなる
チャコは近所の猫と友達になったが
保育園から帰った私が
探しに行くと
友達猫が逃げて行っても
それを追う事はなかった
私の方に来てくれて 一緒に家に帰った
チャコは1年も生きてくれなかった
殺鼠剤を食べたネズミを食べ
何日も毒に苦しみながら 死んだ
アパートの裏の原っぱで冷たくなっているのを
祖母が見つけた
死んでしまったチャコは庭の無花果の下に埋めたのだが
その時の記憶だけが 曖昧なのだ
細かい事は記憶しているのに
チャコの遺体を見た記憶とか
埋葬した記憶
哀しみの記憶はない
ただ 無花果の下にチャコがいる
夜になると怖くて 庭が見れない
そして 50歳も過ぎてあの白猫を
思い出すと 胸が痛くて 涙が出る
汚された絵本
何するのよう…と泣いたチャコ
ごめんね 叩いて ごめんね
今も涙が出る
きっとあの日
チャコが死んだ日
私は 哀しんだのだろうと思う
忘れてしまうほど
哀しかったのだろうと 思う。