想い事 家族の記録

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鬱病
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申し訳ございません。只今、準備中です。

2024-09-16 21:02:23 | 日記
 祈り手


お忘れですか 青き夜の月神事
大難の世に 身を賭して
力尽きるまで 民のため
身を捧げた 祈り手の 
祈って 舞った あの日の記憶
 
諸々の 禍事 罪穢れ あらむをば

(もろもろの まがごと つみけがれ あらむをば)
祓へ給ひ 清め給へと 白すことを 聞こし召せと

(はらへたまひ きよめたまへと まをすことを きこしめせと)

祓詞の裏に隠した
貴方の熱情
民への怒りもあったでしょうね

言の葉 木の葉のように風に舞い
八重雲抜けて天へと還った

疲労で髪の色すら薄れていった
最期まで世のため 民の為
きれいな涙を流した貴方を
どうして
忘れることなどできましょう
夕日が海に沈んだ時刻に
貴方の心臓は鼓動を止めた
私はそれから三日三晩
美しい屍の横で
祈りを捧げていたのです
私たちの命は
無駄ではなかったですか
災いは防げたでしょうか
神に聞くのは罪ですか
聞いたら貴方は叱るでしょうね
欲のない人だから
もう忘れなさいと
再び人として命を授かり
生きるのだからと
だけどこの世に
貴方の姿はないのです

諸々の 禍事 罪穢れ あらむをば

(もろもろの まがごと つみけがれ あらむをば)
恐み恐みも 白す

(かしこみかしこみも まをす)
恐み恐みも 白す

(かしこみかしこみも まをす)

神楽に隠した
貴方の激情
神への怒りもあったでしょうね

言の葉 水面に沈んで流れゆき
大河通って海へと還った

倒れてもなお崩さなかった蓮華合掌
最期まで世のため 民の為
血を吐きながら祈った貴方を
どうして
忘れることなどできましょう
夕日が海に沈んだ時刻に
貴方の心臓は鼓動を止めた
私はそれから三日三晩
美しい屍の横で
この世を呪ってしまったのです
私たちの命は
無駄ではなかったですか
大難を小難でおさめたでしょうか
知りたいと思うのは罪ですか
聞いたら貴方は諭すでしょうね
徳の高い人だから
もう手放しなさいと
再び人として命を授かり
生きるのだからと
だけどこの世に
貴方の姿はないのです

大地を鎮めた
海を鎮めた
空を鎮めた

それでも 世界は激震を繰り返す
私たちの祈りは
無意味でしたか
貴方が纏った白い着物の
瑠璃の菊綴が
忘れられなくて
今夜も私は世を憎む
貴方が纏った白檀の香が
闇夜に広がり
忘れられなくて
今夜も私は貴方を祈る
身にしみついた祈り癖に煽られて
世界を変えられない
自分を呪う

せめて辛い記憶を消して下さいと
今夜も 神に 月に 祈るのです




お目汚し、失礼しました。昨日、しなの鉄道に乗っていてできた詩です。
こんな感じの物語が未完成のまま自分の中にあったので、少し形にできて良かったです。
いつかは完成させます。




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