消えたイルカのぬいさん
消えた栗野郎:マロンの謎
マロンがいない。
栗野郎こと、娘のお気に入りの
イルカのぬいさん、
マロンが忽然と姿を消した。
普段は私のベッドで
他のぬい仲間と
平和に並んでいるはずなのに、
あの鯵に似たフォルムが
どこにも見当たらない。
我が家のぬいさんは
時々動く可能性を
無限に秘めているので、
どこかに出かけた可能性はある。
ちなみに、ふと思い出した。
マロンの名前の由来。
マロン=栗ではなかった。
マシュマロ素材=マロン。
まさか素材に由来していたとは。
まあ、今は
そんなことはどうでもいい。
問題は、名前じゃなくて
行方不明の事実だ。
真っ先に頭をよぎるのは、
先日の「ぬいさん大集合。陽だまりのオフ会」
あの時マロンはそこにいたのか?
曖昧な記憶に不安がつのる。
さらに、
年末に娘が栗坊主を持ち出して
熱い夜(云い方!)を
共にしたことも思い出す。
しかし、戻した記憶がない。
捜査線上に浮かぶ容疑者:私
私にはとんでもない前科がある。
「整理整頓」の名のもとに、
使いかけの食材、
必要な書類、取扱説明書、
預金通帳、クレカ、
挙句の果てには現金まで
無意識に捨てるという恐るべき犯歴。
PCの上ですら、
大切なデータを一括消去する
救いようのない手癖があるのだ。
やってしまったかもしれない
栗をうっかりゴミ箱に。
冷や汗が止まらない。
ゴミ箱を漁り、
部屋中を探し、
最後は「いや、いないはず」
と思いながらも2階まで
探索するも
やつの姿はなし。
「え、まさか、
栗が娘を追って家出した?」
妄想は暴走モードへ突入。
衝撃の発見:動くぬい説、再浮上
全力で捜索を続けた結果、
なんと栗野郎は…
私の布団の中にいた。
布団をめくると、
そこにはつぶらな眸で
こちらを見上げるマロン。
その姿はまるで
「遅いぞ、待ってたんだ」
と云わんばかり。
いやいや、おかしいだろ。
私は寝ながらぬいさんを
布団に引きずりこむ
趣味なんてないぞ?
(それはそれで怖いだろ)
それとも、
栗自身が自力で動いて
布団に潜りこんだとでもいうのか?
「おまえ、なんでこんなところに
いるんだよ!?」
と問い詰めるも、
やつは沈黙したまま。
ただ、少し上がった口角で、
微笑みながら、
こう云っているようだった。
「そうだよ、動いたんだよ。
何か問題でも?」
総括: 全てを制した男、マロンの微笑み
ぬいさんは決して侮れない存在だ。
その存在は、時に
我々の認識領域を超越し、
静謐の中で圧倒的な存在感を放つ。
布団の中で微笑するマロンは、
偶然の産物ではなく、
まるで意志を持つ何かのように
そこに在った。
私は彼の静かな勝利に敬意を表し、
再びその威厳を
軽んじることのないよう
心に誓いながら、
慎重に布団を整えた。
マロンの沈黙の哲学が、
今日も我が家の秩序に
新たな教訓を刻む。
(ぬいぐるみのくせに)
消えた栗野郎:マロンの謎
マロンがいない。
栗野郎こと、娘のお気に入りの
イルカのぬいさん、
マロンが忽然と姿を消した。
普段は私のベッドで
他のぬい仲間と
平和に並んでいるはずなのに、
あの鯵に似たフォルムが
どこにも見当たらない。
我が家のぬいさんは
時々動く可能性を
無限に秘めているので、
どこかに出かけた可能性はある。
ちなみに、ふと思い出した。
マロンの名前の由来。
マロン=栗ではなかった。
マシュマロ素材=マロン。
まさか素材に由来していたとは。
まあ、今は
そんなことはどうでもいい。
問題は、名前じゃなくて
行方不明の事実だ。
真っ先に頭をよぎるのは、
先日の「ぬいさん大集合。陽だまりのオフ会」
あの時マロンはそこにいたのか?
曖昧な記憶に不安がつのる。
さらに、
年末に娘が栗坊主を持ち出して
熱い夜(云い方!)を
共にしたことも思い出す。
しかし、戻した記憶がない。
捜査線上に浮かぶ容疑者:私
私にはとんでもない前科がある。
「整理整頓」の名のもとに、
使いかけの食材、
必要な書類、取扱説明書、
預金通帳、クレカ、
挙句の果てには現金まで
無意識に捨てるという恐るべき犯歴。
PCの上ですら、
大切なデータを一括消去する
救いようのない手癖があるのだ。
やってしまったかもしれない
栗をうっかりゴミ箱に。
冷や汗が止まらない。
ゴミ箱を漁り、
部屋中を探し、
最後は「いや、いないはず」
と思いながらも2階まで
探索するも
やつの姿はなし。
「え、まさか、
栗が娘を追って家出した?」
妄想は暴走モードへ突入。
衝撃の発見:動くぬい説、再浮上
全力で捜索を続けた結果、
なんと栗野郎は…
私の布団の中にいた。
布団をめくると、
そこにはつぶらな眸で
こちらを見上げるマロン。
その姿はまるで
「遅いぞ、待ってたんだ」
と云わんばかり。
いやいや、おかしいだろ。
私は寝ながらぬいさんを
布団に引きずりこむ
趣味なんてないぞ?
(それはそれで怖いだろ)
それとも、
栗自身が自力で動いて
布団に潜りこんだとでもいうのか?
「おまえ、なんでこんなところに
いるんだよ!?」
と問い詰めるも、
やつは沈黙したまま。
ただ、少し上がった口角で、
微笑みながら、
こう云っているようだった。
「そうだよ、動いたんだよ。
何か問題でも?」
総括: 全てを制した男、マロンの微笑み
ぬいさんは決して侮れない存在だ。
その存在は、時に
我々の認識領域を超越し、
静謐の中で圧倒的な存在感を放つ。
布団の中で微笑するマロンは、
偶然の産物ではなく、
まるで意志を持つ何かのように
そこに在った。
私は彼の静かな勝利に敬意を表し、
再びその威厳を
軽んじることのないよう
心に誓いながら、
慎重に布団を整えた。
マロンの沈黙の哲学が、
今日も我が家の秩序に
新たな教訓を刻む。
(ぬいぐるみのくせに)