朝起きると毎日血圧を測っているが、手首に血圧計を巻きつけるだけの自動式である。
月に一度近所の医師に薬を貰いに行くと水銀血圧計を使い上腕にバンドを巻きつけ聴診器を当てる。
大体同じ程度に変動し、どっちが正確と言えそうもない。水銀計は熟練を要し素人では扱えない計器だからこそ昔ながらに使っているのかと。
白衣バイアスとか言って医師の測る血圧が高めに出ると書いてあるものを時々見かける。
しかし今の医師たちは白衣など着ない。腕を捲くり聴診器を当てることがバイアスを生みそうである。
昔は、近所の医師に掛かると必ず上半身裸にされ、深呼吸して、息を止めて、と言われながら胸やら腹やら背中やらに聴診器を当てられたものである。
最近そんな経験は一度もなかった。
風邪を引いても問診だけで薬の処方箋を書いてくれる。お互いに齢をとって面倒だからかと思っていた。
大きい病院にいくと医師の多くは首に聴診器を巻いて廊下を歩いているが、
それは白衣とともに正統の医学教育を受けた専門家集団のアイデンティティを表す象徴的小道具になっているのだろうと。
何の専門家集団にもそれぞれにアイデンティティが必要であり、時代によって変遷するが、それを支える小道具がある。
昨年、大学を定年退職し、これを機会に学会を抜けたが、「心理学ワールド」という雑誌に原稿を頼まれるということがあった。
心理学はどのように専攻学生のアイデンティティ形成を考えるべきか、
現場を離れて余計なお世話であるが、
「心理学の要件」と題し、心理学では実験演習が専門教育の通過儀礼になるという趣旨のことを投稿した。
心理学でも嘗ては実験演習で白衣を着け、先生たちは講義にも白衣を着たりしていたのだった。
やがて実験着は白が好まれなくなり、デザインも動作を重視したものに変わってきたし、実験の小道具は殆んど全てパソコンの中に入って見え難くなったが、
実験的方法の履修によってこそ心理学のアイデンティティが得られると。
聴診器についての偶感が引金になってそんなことを書いたのだが、
聴診器は誤解だった。
暮れに家内が肺炎になって入院したとき、何枚もX線写真を撮り、
その影について逐一説明を受けたが、素人には説明のない影との違いが見えず、
本当は聴診器での診断が決定的だったのではないかと。
聴診器はアイデンティティのための小道具ではでなかったのである。
既に誤解を訂正する機会もない。
ブログを書くことの効用の一つは、こうした間違いをした後で自分を宥める手立てになることかも知れない。
月に一度近所の医師に薬を貰いに行くと水銀血圧計を使い上腕にバンドを巻きつけ聴診器を当てる。
大体同じ程度に変動し、どっちが正確と言えそうもない。水銀計は熟練を要し素人では扱えない計器だからこそ昔ながらに使っているのかと。
白衣バイアスとか言って医師の測る血圧が高めに出ると書いてあるものを時々見かける。
しかし今の医師たちは白衣など着ない。腕を捲くり聴診器を当てることがバイアスを生みそうである。
昔は、近所の医師に掛かると必ず上半身裸にされ、深呼吸して、息を止めて、と言われながら胸やら腹やら背中やらに聴診器を当てられたものである。
最近そんな経験は一度もなかった。
風邪を引いても問診だけで薬の処方箋を書いてくれる。お互いに齢をとって面倒だからかと思っていた。
大きい病院にいくと医師の多くは首に聴診器を巻いて廊下を歩いているが、
それは白衣とともに正統の医学教育を受けた専門家集団のアイデンティティを表す象徴的小道具になっているのだろうと。
何の専門家集団にもそれぞれにアイデンティティが必要であり、時代によって変遷するが、それを支える小道具がある。
昨年、大学を定年退職し、これを機会に学会を抜けたが、「心理学ワールド」という雑誌に原稿を頼まれるということがあった。
心理学はどのように専攻学生のアイデンティティ形成を考えるべきか、
現場を離れて余計なお世話であるが、
「心理学の要件」と題し、心理学では実験演習が専門教育の通過儀礼になるという趣旨のことを投稿した。
心理学でも嘗ては実験演習で白衣を着け、先生たちは講義にも白衣を着たりしていたのだった。
やがて実験着は白が好まれなくなり、デザインも動作を重視したものに変わってきたし、実験の小道具は殆んど全てパソコンの中に入って見え難くなったが、
実験的方法の履修によってこそ心理学のアイデンティティが得られると。
聴診器についての偶感が引金になってそんなことを書いたのだが、
聴診器は誤解だった。
暮れに家内が肺炎になって入院したとき、何枚もX線写真を撮り、
その影について逐一説明を受けたが、素人には説明のない影との違いが見えず、
本当は聴診器での診断が決定的だったのではないかと。
聴診器はアイデンティティのための小道具ではでなかったのである。
既に誤解を訂正する機会もない。
ブログを書くことの効用の一つは、こうした間違いをした後で自分を宥める手立てになることかも知れない。
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