タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

ハレの日とケの日、トンデモでぶっとび。

2022年08月25日 | Weblog
先日、地方の友達から質問があってぶっとびました。
「こういう噂を聞いたけどほんと?
昔の日本は、ハレの日は米や肉などご馳走を食べてココロを満たし、ケの日は一汁一菜の食事でカラダをいたわっていたというんだけど。」
  えーそれでたらめです!!断言できます。

 昔の日本は長生き出来なかったので、ハレの日にこそ、健康長寿になると信じる物を食べてココロも満たしてハッピーになっていたんです。

たとえばおせち料理にエビが入っているのは腰が曲がるまで長生きしたいという願いがこめられていました。昔は疱瘡や結核など様々な病気で早世する人が多かったから、「腰が曲がるまで長生き」は縁起良い言葉でした。
 ハレの日には餅を食べました。餅は力が出るから元気になると考えられていました。
 土用の丑の日にウナギを食べて健康を願うのもハレの日のことです。

ハレの日にはココロを満たす物も食べました。
 おせちを例にしましょう。
 酢蓮は穴がたくさん開いているので「先が見通せる」という願いがこめられていました。
 昆布はもちろん「よろこんぶ」です。
 紅白なますは「紅白は縁起が良いから」です。
 田作りは豊作への願いがこめられました。
 クワイは「芽が出る」と信じられて出世のモチーフです。
 黒豆は「まめに働ける」への掛詞で、こまめにカラダが動いて仕事がはかどりますようにと願いがこめられてました。
 おせちに南天を飾るのは難(なん)を転(てん)ずるため、つまり不幸を追い払うためでした。

 このようにハレの日にこそ、カラダとココロに良いと信じる食品を食べていました。

 じゃケの日は何かというと、単に日常の延長です。

 栄養学的にも、ケの日の一汁一菜で健康を保てたとは考えにくいです。
 江戸時代にはお金のそこそこある人はハレの日に「薬食い」といってこっそりと獣の肉などを時々食べていましたし、
そうでない町民もハレの縁日で雀の焼き鳥を食べたりたまには自分へのご褒美で卵売りの卵を購入しました。
そういう動物性タンパク質などの補給があったからこそ、普段は貧しい食事ながらもそこそこ生きていたわけです。

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