日本の心
願わくば 花の下にて 春死なん その望月の 如月の頃
西行
西行は、23歳で出家わした世捨て人(隠者)で、仏門に帰依しながら歌人として、全国を
放浪しました。
彼は、自然を対象とした歌を読み続けることで、自然信仰の体現者となっていたといえる
でしよう。
「願わくば 花の下にて 春死なん」というのも、自然の中で死んでいきたいという歌です。
そして、それに続く「その望月の如月の頃」というのは、釈迦が入滅した日のことをいって
いる。
「世を捨つる 人はまことに 捨つるかは 捨てぬ人をぞ 捨つるとはいふ」
世俗を捨てて出家した人が、本当にうき世を捨てた人なのではない。捨てずに世俗に残って
いる人の方が形式的に出家した人よりも世を捨てているのであるというような歌です。そこ
には、彼自身が妻子を捨ててきたことに対する深い反省があったにちがいありません。
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