清き心と未知なるものの為に⑦・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より
中間の歳月
彼はまっすぐ立っていた-----あたかも独楽が、鞭の鳴りひびくあいだ倒れない
ように。謙虚であった------確固たる優越感があったからである。要求がましく
なかった。彼が求めたものは心配のない生活であって、自分自身が勝利を占める
より、他人の逆境を眺めるほうが彼には楽しかったのである。彼は自分の生活を、
けっして危険にさらさぬことによって救った。-----そして彼は、理解してもらえ
ぬと言って不平をこぼすのであった。
(むらがる不幸)-----それはなぜ、いつも(他人)を意味するのではなくてはならぬの
か。
人獣が生きてゆくためにだす欲求は、たとえばそれが神に向けられたものであろ
うと、祈りに転化するものではない。
騒音が静まるときに生ずるこの空虚さは、他人におのれを無視させはすまいとば
かりに努めてきた一日にたいして、おまえが受け取るのももっともな報いではな
かろうか。
人生に勝ちを与えるものの、おまえはそれに手を届かせることもでき------また、
それを失うこともできる。おまえはけっしてそれを所有していることができない。
これはとりわけ、「人生にかんする真理」についていえることである。
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