振り出しに戻る「落陽日記」

旅や日々の生活の一コマ。60代半ば、落陽期を迎えながら気持ちは再び振り出しに戻りたいと焦る日々です。

九州バイクツーリング500km(4)都井岬の灯台と野生馬

2019-09-15 10:19:52 | バイクツーリング
宮崎に泊まった翌日の目的地はメンバーの希望で都井岬、雄川の滝、佐多岬が予定されていたが、夕方5時には志布志港のフェリー乗り場に到着しなければならず、3ヶ所を回るのが困難なことは認識していた。さらに台風15号が太平洋を北上中で、そのコースによってはフェリー欠航の可能性もあり、前日に運行会社に連絡すると当日の朝9時に決定するとのことだった。

翌朝、台風は関東方面に向かうことがハッキリしたので欠航はないだろうと思ったが、ホテルをチェックアウトしてマクドナルドで朝食をとりながら運行会社に電話すると、やはり通常どおりに運行するとの答えだった。

今日の走行ルートについては雄川の滝にこだわるT氏は単独でそちらに向かい、先端(尖端)マニアで佐多岬にこだわっていたJ氏は都井岬で妥協。他の3人も雨に会う確率が低く、降りだしたら志布志に逃げ込みやすい都井岬コースに参加。結局1対4で分かれて行動することになった。自分は行ったことのない都井岬に行けるだけで満足。

宮崎からは自分が4台のトップで国道220号線を南下。途中で旧道に入って青島のリゾートホテル街を走行したが、ここがかつての新婚旅行のメッカだったのかと気が付く。走っていると220号線に合流して左手に堀切峠の分かれ道を見ながら長いトンネルに入ったが、あとで調べると旧道の分かれ道に行った方が景色が良かったようだった。残念、予習不足だ。



それでもしばらくすると鬼の洗濯板と呼ばれるような海岸と同じような景色が見えて来てバイクを停めた。



海は風がそこそこあって波も高く、吹き上げられたシブキが海岸線に沿った国道の上を薄い霧のように流れていた。ビーチになっている場所では多くのサーファーが海に入っていたが、2日後には宮崎で世界大会があったようだ。

国道220号線の南下を続けると道路工事で通行止めの箇所があり、山中の狭い道を迂回しながらも都井岬に着いた。野生馬の保護エリアに入るゲートで協力費としてバイク1台100円、その後で灯台の入り口で施設協力費200円を支払った。







今までにも各地の灯台を何ヶ所か行ったことがあるが、いつも灯台を見ながら「♪♪おいらみさきのぉ~とうだいもりはぁ~」と軽く口ずさんでいる。就学前の5歳くらいの自分を連れて母親が映画を見に行ったが、その時の映画が「喜びも悲しみも幾年月」だと思う。映画のシーンなどは全く記憶にないが主題歌のメロディーだけは耳に残った。その後も母親が口ずさんだりしていたのかも知れないが、童謡以外では初めて自分が覚えたメロディーだと思う。今思うと母親は佐多啓二のファンだったのかも知れない。





入口横の建物の中には資料館があり電灯などの展示物はあったが、かつて灯台守が住み込みで常駐していた頃、つまり映画にあった世界を思い出される物はなかった。灯台が自動化と無人化され、電波を使って航行の安全が図られるようになってからは光を放つ灯台の役割も変化しているのかもしれないが、岬の先で海を背景に立つ白い灯台の景色は美しい。


100円の協力費は払ったもののまだ見ていない野生馬を灯台からバイクで戻りながら探していると、道路脇で草を食んでいる3頭の馬が突然いた。





小型で少し痩せた馬だったが、人や車に慣れているのか背中で転がったり草を食んだりしながら、悠々と移動して行った。わずか10分間だったが大変ラッキーだった。