Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
のんびりポタリング

白鳥の郷、印旛沼のかんたくん、十一面観音堂          2021年11月20日 土曜日

2021-11-24 14:58:04 | サイクリング・自転車旅

 白鳥の郷では、白鳥たちはもうやって来ただろうか。何羽くらい来ているだろうか。この季節になると、シベリアから長い旅をして渡ってくるけなげな旅人たちを思い出す。



 家を出てしばらく走ると、きれいなススキが目にとまった。秋もずいぶん深まったね。



 すっかり葉を落とした桜の木が並ぶ。新川はとても穏やかな表情をしている。



 この田んぼでは、人の食べるコメを作っているのかと思ったら、家畜の飼料を作っているということだ。今年も収穫が済んで、たくさんのラップサイロが見られる。



 師戸川の谷津道に入る。



 いつ来ても静かで落ち着く道だ。





 車にも自転車にも人にも会わない。





 あれは北総線の線路と国道だ。あの下をくぐって行く。



 線路と国道をくぐると、また静かな道が続く。





 深い山の中を走っているようだよ。



 県道を越え、さらに進む。この坂は左右にゆるくカーブしているうえにかなりの勾配だ。ペダルを踏まなくても50キロくらいのスピードが出る。しかも、たまに対向車が来るのでかなり危険だ。みみ爺はブレーキを握りながらゆっくりと下る。先が見えたところでブレーキから手を放す。たちまちものすごいスピードで風を切りはじめる。気持ちがいい。



 坂を下りきると、明るい田園地帯に出るよ。今日はよく晴れている。



 白鳥の郷へはこの道を行く。まだ朝が早いせいか人影がない。





 ああ、今年もたくさん来ているよ。なんだかうれしい。







 そういえば、印旛沼のかんたくんはどうしているだろう。
 かんたくんのいる小さな船着き場へ行ってみることにした。
 広い田の中を行く。





 印旛沼は、まだなんとなく朝もやに煙っている。



 かんたくん、いたよ。まだ元気だったんだね。よかった。
 みみ爺が初めてかんたくんに会ったのは2018年12月8日だ。自転車仲間と「小江戸佐原」を訪ねた時に立ち寄って出会ったんだ。3年前の当時に聞いたところでは、かんたくんは住み着いてすでに20年以上も経っているということだった。あれから3年。かんたくんはいったい何歳になるのだろうか。
 船外機の上で日向ぼっこでもしているようなその姿が、少し老けたように見えるのは気のせいかな。



 帰り道に、グーグルマップのストリートビューで気になっていた場所を探してみることにした。大きな狸の置物がある観音堂だ。
 丘陵際に沿った道を行く。





 グーグルマップでは、たしかここを右に入って行くんだね。ほかにも走りやすそうな道はあるようだが、みみ爺はあえてこの道を行くことにした。 面白そうだから。



  急勾配の始まりだよ。





 落ち葉がすごい。タイヤが落ち葉を踏む音が響く。





 上りきったところには明るい畑地が広がっていた。



 ここだね。やっと見つけることができた。以前に何度か探したことがあったが、見つからなかったんだ。
 それにしてもこの大きな狸、すごい存在感だね。





 十一面観音堂というから、お堂の中には十一面観音像が実際に安置されているのだろうか。ネットで調べてもよくわからなかった。



 罰当たりとは思いながらも、格子の隙間からお堂の中を覗いてみた。すると正面のガラスケースのような厨子の中に、たしかに観音様のお姿があったので、ごめんなさいと手を合わせた。



 観音堂からは、長閑なカントリーロードをしばらくのんびりと進み、住宅地裏のこの道を入って行く。



 ここも落ち葉がすごい。いいねえ。
 ここは近隣住民の散歩道なんだろうなあ。



 道は下って行く。



 下った先は、山と田んぼに挟まれた荒れたコンクリート舗装の道になったよ。こんな道はみみ爺の好きな道だ。







 道がどこに続いているのかちょっと心細くなってきたが、遠くに町の屋根が見えたのでほっとした。



 勾配がきつそうだけど、ここを上って行こう。





 上り詰めると、朝通った道に出た。あ~よかった。



 そして朝来た道を戻る。なんだかすごく楽しかったな。






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紅葉と絶景の栃本集落へ…みみ爺一人旅     2021年11月6日 土曜日

2021-11-10 12:10:55 | サイクリング・自転車旅



 8時50分。三峰口。今日は秋晴れだ。すばらしい景色に出会えるだろう。
 改札を出て、ベンチのある待合所のようなところで、さっそく自転車を組み始めた。
 と、
「ランドナーていう自転車ですか?」
 顔を上げると、ピンク色のロードバイクを片手で支えて、若い娘さんが立っていた。ヘルメットもかぶり、出発前の様子だよ。
「そうです。よくご存じですね。今では骨董品のような自転車ですが」
 手で支えていたピンクのロードパイクを近くの柱に立てかけて、
「どんな風に組み上げていくのか、見させていただいていいですか」
「どうぞ、かまいませんよ。…でも、まだ出発しなくていいんですか?」
「まだ仲間が来ていないんです。もうすぐ来ると思うんですが」
「そうですか。今日はどちらの方へ行くんですか?」
「八丁峠を計画していたんですが、通行止めのようですから、中津川渓谷の紅葉を見て、それから引き返して三峯神社まで上るつもりです」
「そうですか。金山志賀坂林道は通行止めですか。残念ですね。とても景色と紅葉がきれいなところなんですがね」
「走られたことがあるんですか?」
「6、7年前のちょうど今頃でしょうかね。いや、もう少し早かったかな、紅葉が始まった頃だったから」
「あの、失礼ですがおいくつくらいなんですか?」
「ハハハッ、もうお爺ちゃんですよ。72です。」
「すごいですね、そのお年でまだ自転車に。私にも同じくらいのおじいちゃんがいますけれど、毎日盆栽いじりをしたり、家の周りを掃いたり、テレビを見たりしているだけですよ。今日はどこまでいらっしゃるんですか」
 意外だとでもいうように目を大きく見開いているよ。そんなに驚くほど意外なことではないと思うけれどね。
「栃本集落へね」
「けっこう上りますよね」
「覚悟しています。それに、若い方たちのようには走りませんからね。疲れちゃ休み、疲れちゃ休み、のんびりマイペースで行きますよ」
 すると、
「あっ、みんな来たみたいです。それではお気をつけて。ありがとうございました」
 娘さんはそう言って、立てかけておいたピンクのロードバイクを押して、足早に仲間の若者たちのほうへ歩いて行ったよ。
 すると急にあたりが静まり返ったように感じた。少し離れたところでお喋りをしているおばさんたちの声だけが耳につく。
 さあ、こちらも早いとこ出発しよう。話しながらだったので、自転車を組む手があまり進まなかったよ。

 

 三峰口駅のそばの白川橋は渡らず、静かな裏道を行くんだ。荒川を挟んだ対岸の国道を行くよりずっといい。景色もいいし、車も来ない。こっち方面へ来るときはいつも通る道だよ。





 多少のアップダウンはあるけれどたいしたことはない。とても雰囲気がいいんだ。





 万年橋の上から大滝発電所を見下ろす。



 国道へ出たところから大滝発電所の上流のほうを望む。紅葉が目立つよ。今日は楽しみだね。



 最高の天気だね。
 ちょっと空気がひんやりしているが、ペダルをこいでいるとちょうどいい。
 紅葉が見事だ。情報では11月半ばまでが紅葉の見ごろだというので、急遽早起きして出てきたんだ。紅葉の頃に栃本集落へ行ってみたいとずっと思っていたからね。





 山と青空がすごくきれいだ。



 荒川を見下ろす景色はとても素敵だよ。



 おや、何だろう。縄文人居住跡と書かれている。あんな岩穴に住んでいたんだね。





 「大滝温泉道の駅」にあるコンビニに寄った。三峰口から先、コンビニはここ以外にはないので、ここは貴重だ。おにぎりと水を買う。



 真新しい大滝橋の上から写してみた。



 国道の三差路を秩父湖方面へ向かう。国道140号線はここでバイパスと旧道と二つに分かれるんだ。





これだよ、これ。見事な紅葉だよ。



 さらに進む。
 二瀬ダムが見えて来た。





 時々追い越して行く車は、三峯神社方面へダム天端道を走って行く。
 この天端道は、信号で一方通行の方向が交互に変わる。みみ爺は何年か前に大血川林道を走った時、この天端道を渡ってきたことがあるんだ。
 栃本方面へ行く車は全くない。



 秩父湖の水はずいぶん少なくなっているよ。





 秩父湖がきれいだね。


 
 栃本集落へはこちらの、上の方へ行く道だね。
 ところで、地図を見ると国道140号線・秩父往還は二通りのルートがある。さっきの三差路で分かれる雷電廿六木橋を通り、秩父もみじ湖沿いの中津川ルート(バイパス)と、秩父湖沿いに西へ進むルート(旧道)だ。
 秩父湖沿いのルートは、さらに途中で荒川の源流沿いを走るルート(下の道)と、栃本集落内を走るルート(上の道)に分かれる。どちらも今は旧道となっているが、長いこと国道と指定されていたんだ。
 グーグルマップで見ると、荒川源流沿いのルートは現在国道とはなっていない。それは2018年にこのルートが秩父市に移管されたためだろう。



 しばらくはけっこうな勾配の上りが続くよ。国道といっても旧道だから車は全くと言っていいくらい来ない。自転車には最適な道だね。







 山がきれいだなあ。



 銀杏もまっ黄色に染まっているよ。



 すでに廃校になっている上中尾小学校の建物だね。この木造校舎は昭和7年に建てられたそうだ。



 さらに針葉樹の中を上って行くよ。





 いい景色だなあ。









 ここは今日一番の絶景ポイントかもしれない。荒川の深い谷とその向こうの山々の景色がとても素晴らしい。山々は全山紅葉に染まっているよ。









 さらに少し進むと、どうやらピークに着いたようだ。





 天空の村・栃本集落だ。奥秩父最奥の山間集落で、標高は750メートルほどだよ。



 きれいだなあ。みみ爺はこの景色を見たくて来たんだ。いつか行こう、いつか行こうと思っていてとうとう来た。
 この集落を通ている国道140号・秩父往還(旧道)は、日本の道百選の一つになっているそうだよ。納得だね。



 この最高の場所でお昼のおにぎりをいただくことにした。





 近くには栃本関所跡があった。武田信玄が設けた関所だね。





 静かな集落の中を抜けていくよ。









 さあ下りだ。







 帰りは荒川の源流に沿った下の道を通って帰ることにする。





 こちらも車はほとんど通らない。とても静かな道だよ。この道も元は国道だったんだね。







 ずっと下りだから楽だよ。







 景色も素晴らしい。ゆっくり下ろう。







 吊り橋が見えて来た。渡れたら渡りたいなあ。





 しかし吊り橋はふさがれていたよ。残念だね。



 二瀬ダムまで戻って来たよ。



 ダムから1キロほど下った大久保というあたりで国道140号線(旧道)をそれ、もみじ湖方面へ向かう道へ入る。
 しばらくはまた上りだ。







 上り切ったあたりで道は折り返すように左へカーブする。そこにはお堂があった。



 もみじ湖へ向かって下って行く。







 ループ橋(雷電廿六木橋)が見えて来たよ。
 この橋の下を通って行く。





 苔むした擁壁の道を下る。



 中津川の橋を渡る。橋を渡ったら再び国道だ。同じ140号線でも、こちらはバイパスだから交通量が多い。



 この橋もやはり中津川の橋だ。落合橋というんだね。



 橋からの眺めだ。紅葉がきれいだよ。



 ここは大血川林道・大陽寺方面へ向かう道の入り口だ。





 紅葉と青空と山容がなかなかいい。



 朝渡ってきた万年橋だ。



 万年橋の上から下流を望む。空を写した水の色と、ここでも紅葉がきれいだね。



 朝来た道を三峰口方向へ戻る。往きには気が付かなかったが、こんなとことに家があったんだ。



 3時半だ。三峰口の駅前には早くも夕暮れの色が漂っている。
 しかし、まだ時間が早いので、三峰口の前を素通りして、西武秩父へ向かう。



 この時刻、とても静かな時間だよ。
 桜だろうか?こんな時期に咲くのかな。





 山陰はほの暗くなっている。秋は日暮れが早い。
 みみ爺の秋も暮れていくのが早い。今日、思い切って出かけてきてほんとうによかった。



 河岸段丘の深い谷に架けられた日野鷺橋で荒川を渡る。ここからは県道72号線を行く。
 荒川の水面から橋までの高さは60メートルあるという。けっこうな高さだよ。



 橋の上から下流を望む。夕色が深まって来たね。



 もうすぐ西武秩父の駅だ。



 疲れたみみ爺の足にはダメ押しのような上り坂だよ。



 武甲山が夕日に染まっている。静かな眺めだよ。
 お疲れさん、みみ爺。今日の、栃本集落とたくさんの絶景は決して忘れないだろう。
 今朝会ったあの娘さんたちも、きっと素晴らしい景色と紅葉を見たことだろうね。


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静かな裏ヤビツを走って来た…みみ爺一人旅  2021年10月11日 月曜日

2021-10-15 13:48:04 | サイクリング・自転車旅
 宮ケ瀬湖から秦野へ抜ける県道70号は、2019年の19号台風による崖崩れなどの被害で寸断され、長いこと通行止めが続いていた。それが今年の夏、7月30日にいよいよ解除されたんだ。これでコロナの緊急事態宣言も解除されたら行けるかもしれない。そう思って楽しみにしていたら、8月14日から15日にかけての大雨で再び通行止めになってしまったんだ。緊急事態宣言のほうはその後解除されたが、かんじんの道の方が通行止めでは仕方がない。
 がっかりしていたところ、2日前、偶然その通行止めが10月の下旬まで解除になっていることを知ったんだ。いい天気になるという月曜日には山歩きでもしようかと考えていたところだったが、通行止め解除の情報を得た途端、みみ爺は急遽考えを変えた。もう裏ヤビツを走るしかないだろう。
 翌日曜日は、朝からワクワク、ドキドキしながら一日かけて荷物の準備をしたり、自転車を点検したりした。



 相模湖だ。予報通りいい天気だよ。空が真っ青で雲一つない。湖面に広がる穏やかな波に青空が揺れて映っているよ。思い切って出てきてよかった。



 相模ダムの天端道だ。
 ここで写真を撮ろうとして、みみ爺はつい自転車から転げ落ちた。前方から歩いてくる女性に無様な格好を見られてちょっと恥ずかしかったよ。



 天端道から下流を望む。景信山や城山などの山並みが遠くに見られる。



 ダムからは相模川右岸の道を行くよ。この道はみみ爺の好きな道だよ。車がほとんど通らない、ひっそりとした山陰の道なんだ。





 桂橋だよ。相模川に架かるアーチ橋だ。特になんでもない橋だが、静かな道を走ってきてひょいとこの橋に出会うと、なぜかいいなあと思う。



 橋のところから右へ、トンネルをくぐって進み、県道517号から国道412号へ出る。
 国道412号をしばらく進み、道志川に架かる道志橋を渡る。
 橋を渡ってすぐ、右手の細い道を斜めに下っていくんだ。道志川沿いの静かな道だよ。



 振り返ると、今渡って来た国道の道志橋がとてもきれいに見えるよ。背景には高尾方面の山並みが青空にくっきりと浮かんでいる。



 細い道をさらに進む。いい道だよ。



 横浜水道沈殿池に出た。青空を写した水面はとても静かだね。



 沈殿池から国道413号・道志道へ出るまでの上り坂が結構きつい。しかも長い。



 道志道志道は、以前通った時に比べて車が少ないようだが、やはり国道だ。追い越していく車はかなりスピードを出している。大きなダンプカーはものすごい爆音を立て、風を巻き起こしていく。国道はやっぱりちょっと怖いね。



 道志道から宮ケ瀬湖へ向かう県道64号に入ると少し安心するが、ここからの上りがまたつらいんだ。



 このあたりが上りのピ-クになるだろうか。
 気温は暑くもなく寒くもなくちょうどいいよ。しかも日差しはしっかりとある。最高の一日になりそうだね。



 コスモスが揺れている。いいねえ、秋は。



 このへんは鳥屋というあたりだろうか。
 古びた石の欄干の橋を渡る。



 虹の大橋のたもとからの宮ケ瀬湖だ。空も水面も素晴らしく青い。山々も秋の日差しの中にくっきりと稜線を刻んでいるよ。



 県道64号を離れ、いよいよヤビツ峠へ向かう県道70号だ。



 対岸に県道64号の大棚沢橋が見えるよ。橋というのは遠くから見るときれいだね。



 カレンダーでは今日は体育の日のはずだったが、オリンピックの関係で平日になった。おかげで車もバイクも自転車もあまり通らない。いい雰囲気の道になって来たよ。
 裏ヤビツのこの道は、いつかは走ってみたいと思っていたんだ。通行止めが解除され、こうして走ることができて本当にうれしい。最高の秋晴れの日にだ。



 裏ヤビツは思っていた通りの素敵な道だよ。杉やヒノキの並ぶ道
は癒される。その谷底からは絶えず沢の水音が昇ってくる。





 いい道だなあ!いい景色だなあ!



 工事中と書かれた看板にドキッとするが、通行止めとは書かれていない。



 こんな道を走れるなんて最高だな。





 ゴーゴーと凄まじい水音が聞こえてきた。巨大な堰堤の幅いっぱいに豊富な水量の水が豪快に落ちている。すごい迫力だよ。



 ここは金沢キャンプ場だが、現在は閉鎖中で人の姿はなく、長閑な秋の陽光だけが溢れている。



 キャンプ場の広場から少し進んだところで、またもゴーゴーと水音が響いてきた。ここでも巨大な堰堤を大量の水が落ちている。あたりを震わせる空気の振動が、轟音とともに直に体に伝わってくる。



 このあたりは川筋がずいぶん細くなり、河原が広がっていて明るい。



 橋の上から右手に、一見自然の滝のように水を落としている堰堤があったよ。





 素晴らしい流れの景色を楽しみながら、とてもいい雰囲気の道を上って行く。勾配はそれほどきつくないので、景色をたっぷり楽しむことができるよ。









 塩水橋だよ。ここも被害に遭った場所だね。



 橋を渡って、折り返すように進む。対岸に、上ってきた道が見える。



 これが素敵な裏ヤビツの道だよ。
 道はそれほどきつくない勾配だが、確実に高度を上げてはいる。



 おや、小さなトンネルだ。こんなトンネルもなかなかいい。



 マウンテンバイクが下りてきたよ。秦野側から来たのだろうか。だとすると通行止めは確かに解除されているんだね。



 小さなピークで一休み。それほど暑いわけではないが、上り坂はやっぱり汗はかくしのども乾く。水がおいしい。



 崩れた土砂だろうか。



 またトンネルだ。トンネル内の壁面にはおびただしい落書きが並ぶ。こんな落書きはせっかくのトンネルのいい雰囲気を台無しにするね。



 ここも台風や大雨の被害に遭ったところだろうね。







 苔むした擁壁を見ると、静けさが押し寄せてくるようだよ。





 勾配の緩い上り坂が続く。



 この札掛橋までが長いこと通行止めだったんだね。
 橋の上から流れを見下ろすと、水は濁りもなくとてもきれいだよ。





 札掛橋からほどなく、木々の間に吊り橋を見つけた。



 吊り橋を渡ってみようかと思ったけれど、やっぱりやめた。



 札掛橋を過ぎてから勾配がきつくなり始めた。だが川の水音と景色はいい。







 地獄沢に架かる地獄沢橋だ。地獄沢とはずいぶん恐ろしい名前だね。どうしてこんな名前がついたのかね。





 あれが「きまぐれ喫茶」か。峠はもうすぐだね。



 急勾配の上りが続くよ。今日一番のきつい上りだよ。
 必死にペダルをこいでいると、上から下って来たローディーが、
「頑張りましょう。もうすぐですよ!」
 と、笑いながら声をかけて通り過ぎていった。
「ありがとう!」
 自転車をこぐみみ爺の姿が、よっぽどふらふらしていたのだろう。



 なんとか「護摩屋敷の水」にたどり着いた。
 のどが渇いていたので、空のペットボトルに湧水を満たして飲んだ。
 冷たくておいしかったが、飲んでしまった後で、「生水での引用は避け、煮沸処理をして飲用してください」とある立札が目にとまった。あ~あ、飲んじゃったよ!





 湧水からは勾配は落ち着いたよ。ああよかった。





 何となく空が開けてきたよ。峠は近いね。





 峠に着いたよ。
 決まり事のように、みみ爺もまたこの場所で写真を撮ってしまった。
頑張って苦しんでここにたどり着いた多くのチャリダーたちの気持ちがわかる気がする。みみ爺は比較的楽な裏ヤビツからだけどね。



 一休みしてすぐに出発。
 展望台で景色を楽しみながらおにぎりをいただくつもりだよ。
 やっぱり下りは楽だ。けれど景色は、味わう余裕もなくどんどん後方へ飛び去って行く。





 表ヤビツの下りは、秦野の街を見下ろしながら下るのでとても楽しい。







 いい下りだ。いい道だ。



 展望台に着いた。菜の花台展望台というそうだ。


 まずは展望台へあがってみようかね。
 晴れていてよかった。すばらしい展望だ。海のほうまで見えるぞ。







 お湯を沸かして、インスタント味噌汁。
 おにぎりを食べよう。お腹がすいたよ。朝5時に食べたきりだ。
 そして、コーヒーを飲みながらゆっくりと時間を過ごす。秦野駅まではずっと下りだ。しかも目と鼻の先だよ。急ぐことはない。





 展望台からの下りも最高だよ。ずっと街を見下ろしながら走ることができる。もし秦野側から上っていたら、この景色はみることができなかっただろう。きつい勾配が続いているからね。景色を楽しむなんて余裕はないだろうね。







 実に気持ちのいい下りだ。





 県道わきにお寺の山門が目にとまった。宝蓮寺大日堂だ。
 左右に木造の二王立像が安置された仁王門だね。









 こちらのお堂には本尊の五智如来坐像と、聖観音菩薩立像が安置されているそうだよ。





 さあ、駅を目指そう。日も傾いてきた。もう3時半だ。



 緑水庵・蓑毛自然観察の森。自然の中を散策できる道が整備されているらしい。
 これは入口にある水車だ。



 このまま駅までずっと県道を下っても面白くない。大日堂から1キロほど下ったあたりから右の細い道に入った。金目川の橋を渡り、その先で道が二つに分かれているところを左へ、さらに細い急な坂道を下っていく。





 橋を造っているのかな?
 車の誘導をしていた警備員に尋ねると、
「仮説の橋を解体しているんです」
 ということだった。



 大好きなカントリーロードを行くよ。楽しいねえ。







 駅前の水無川だね。4時だ。街には早い夕暮れが迫ってるよ。



 やっと秦野駅に着いた。



 本当に楽しい一日だったね。天気は最高だったし気温も暑くなく寒くなくちょうどよかった。何よりすべての道が素敵だった。宮ケ瀬湖からの上りは、ずっと美しい谷川の景色と心地よい水音に包まれ、ヤビツ峠からの下りは、遥かな秦野の街のすばらしい眺望が続いた。
 ただ、みみ爺にとってはちょっとつらい3か所の上り坂があったかな。
横浜水道沈殿池から国道421号までの上り、国道の道志道から宮ケ瀬湖へ向かう県道64号の上り、そして、県道70号の札掛橋から「護摩屋敷の水」までの上りだ。でも、過ぎてしまえば、その坂を上った辛さも楽しかったことの一つだよ。

 新宿行きの電車が来た。さあ帰ろう。
 お疲れさん、みみ爺。


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秋の空と彼岸花      2021年9月21日 火曜日

2021-09-25 10:17:56 | サイクリング・自転車旅
 すがすがしい秋の空だよ。高積雲というのかな、ひつじ雲より高いところのようだね。



 車の多い県道からこの静かな道に入っていく。はじめての道だ。ワクワクするね。
 しかし、そのワクワクする道もわずか数百メートルでおしまい。それでも、初めての道は楽しかった。







 公園の中にある田んぼでは子供たちが稲刈りをしていたよ。なんだか楽しそうだね。





 今日は風もあまりなく、大津川の水面はとても静かで、対岸の送電線の鉄塔がさかさまに映っているよ。



 手賀沼の彼岸花と空の積雲。青い秋空に綿雲がぷかぷか浮かんでいるのは気持ちがいい。





 積雲がかなり増えて来た。



 雲は層積雲の様相を呈してきたね。予報では天気は次第に下り坂ということだ。
 黄色い田はまだ稲刈りのすんでいない田で、緑の田は稲刈り後の二番穂が伸びてきた田だ。グラデーションがきれいだね。



 雲が空をだいぶ覆ってきたよ。早く帰ろう。


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手賀沼、秋 Ⅱ            2021年9月10日 金曜日

2021-09-11 15:29:06 | サイクリング・自転車旅
 6月の4日に今年初めて鉢植えの朝顔が咲いた。それから3か月、数日おきに一つまた一つと涼しげな花を見せてくれた。
 もうおしまいだろうと思っていたら、思いがけなく今朝、また一輪咲いていたので嬉しかった。
 花は咲き初めのころの半分ほどの大きさで、色はいくらか薄く見えるが、みずみずしさは変わらずに形もしっかりしている。3か月以上も楽しませてくれた。



 天気がいいので、今日もまた手賀沼へ向かう。
 秋の空は高い。日差しが気持ちいい。



 道のわきの草むらに珍しい(?)蝶を見つけた。ヒョウモン蝶というらしい。
 なにも昆虫に興味が移ったわけではないが、見ているうちに感傷のようなものが生まれてきたのだ。過ぎていく時間と季節の中で、この蝶もまた二度とこの世界に生まれてくることがない。そう思うと、こうして生きている姿が妙にいじらしく思えてくるのだ。



 たくさんのヒメモロコシの花の揺れる道を行く。大津川沿いのこの道は秋になるといつもこうだ。



 手賀沼は今日は日差しが明るい。





 風もほとんどなく、のどかな日差しに満ちている。



 木下にあるひょうたん池から山道を上る。ミンミンゼミとツクツクボウシがやかましいほど鳴きしきっている。彼らもやはり精一杯生きているんだね。



 昨日の雨もまだ乾かず、しっとりと濡れた路面の木陰はとても涼しい。



 家の近くまで戻ってきた。今まで、いつも何気なく通り過ぎていた道だが、こうして写真に写してみるとなかなかいい景色だ。新しい発見だね。


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