【東国原英夫コラム】
がんで亡くなられた川島なお美さんは、私たちの世代にとって憧れの方でしたね。いろいろな報道をあらためて見てみると、昭和の時代、芸能界を象徴する方だったなと思います。何でも自宅マンションの表札は、イタリア語で「女優」という意味の「ATTRICE」とだけ書かれていたとか。宅配便の人もどこに配達すれば良いのか、困ったでしょうね。
川島さんとはテレビ番組で一緒になったこともありますが、実はあいさつぐらいしかしたことがないのです。「たけし軍団」と女優さんという立場でしたし、相いれないというか「月とすっぽん」ですね。お食事するとか、お話しするとか、とてもできない。近寄ろうと思ってもなかなか近寄れなかったな…。
女優になった当初、「どのように女子大生アイドルの色をなくすか」という部分で苦労されたようです。それが90年代に入り、ヘアヌード写真集を出して、テレビの「失楽園」にも出演したり、女優としての色気の部分を前面に出した。ワイン、シャンパンが似合う女優さんってなかなかいないですからね。俳優の今井雅之さんも会見してから1か月くらいでお亡くなりになりましたが、女優として最後まで何かを残そうと思ったのでしょう。本当に早すぎるなと思います。慎んでご冥福をお祈りいたします。
北斗晶さんが乳がんの手術を受けられたとのことですが、実は男性でも1%ほど乳がんになる可能性があるそうです。私も7~8年前、知事時代に突然、胸の痛みを感じて検診を受けたことがあります。当時、ファンの方からいただいた輸入品の毛生え薬を飲んでいた。英語で「女性ホルモンを増加させる作用があります。どの部分に影響が出るかは個人差があります」と書かれていたようです。医師のアドバイスを受け服用を中止して痛みはなくなりましたが、乳がんの疑いもあるということで、マンモグラフィー検査もしました。検診では、相当痛かった記憶があります。
がんで亡くなった友人、知人もいます。私は幸いにして大きな病気になっていませんが「病」や「死」について、考えさせられることが多くなりました。(前宮崎県知事)