窪美澄 著
デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた―。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。
なんだろう、この上手くいかない人生をこれでもかと落としていき、行き着くところまで突き落とす描写。
読んでてこちらまで締め付けられるような圧迫感、半端ないっすわ。。。。
三人の主人公は、皆が親によって人生を狂わされていき、自分ではコントロールできない所まで影響を及ぼす。
こういう親は自分が子供にとってどれだけの影響力があるのかを全く理解できていないんだよね。
そして自分は良い親だと勘違いしている節がある。
この本に出てくる親、そして大人達、私が嫌いなやつばかり。
だからこそ主人公達に感情移入していまい、上手くいってほしいと願ってしまう。
まあ、そんな感じの物語です
「ふがいない僕は空をみた」もとても良かったが、これも独特の世界観が心を突いてくる。
圧倒されました。