吉田修一 著
妻も、読者も、騙される! 『悪人』の作家が踏み込んだ、〈夫婦〉の闇の果て。これは私の、私たちの愛のはずだった――。夫の不実を疑い、姑の視線に耐えられなくなった時、桃子は誰にも言えぬ激しい衝動に身を委ねるのだが……。夫婦とは何か、愛人とは何か、〈家〉とは何か、妻が欲した言葉とは何か。『悪人』『横道世之介』の作家がかつてない強度で描破した、狂乱の純愛。本当に騙したのは、どちらなのだろう?
芥川賞作家らしい文学だね。
とにかく感情の描写が堪らない!
通常では理解できない感情にかき立てられる様が肌感でゾワゾワ伝わってくる感覚。。。。。
私には共感しかありませんでした。
もちろん、浮気された主人公の桃子側ね
こんな時、人ってよく分からない行動に出るもんなんですよ。。。。
この怒り、この恐怖、この蟠り、この孤独感の入り交じった心をどうしていいのか分からない・・・
それを上手く表現した吉田修一さん、尊敬します
ちなみにこの本ですが、職場のお姉様が貸して下さいました。
その方にはイマイチ響かなかったようで、幸せな人生を送っていらっしゃるのだなと感じた次第です。
自分、こんな人生をよく知ってるもんで、心えぐられる気持ちで読んでました