今日の女王サマ

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白バラの祈り-ゾフィー・ショル、最期の日々

2006年04月01日 | 映画&本&音楽&TV

1943年、ヒトラー打倒を市民に呼びかけた実在のグループ“白バラ”の紅一点、ゾフィー・ショル。ミュンヘン大学の学生でもあった彼女の、逮捕から処刑までの5日間を描いた作品です。


通常49日かける裁判はたった1日で終わり、刑の執行までの“99日の余裕”は、即日執行という形で終わります。まさに見せしめですね。

逮捕のきっかけとなったのは大学構内で反ヒトラーのビラを撒いたこと。兄とともに人目を避けて、構内のあちこちにビラを配置し、3階の手すりからホールに向けてビラをすべり落とす・・・しかし、用務員がそれを目撃していてゲシュタポへ通報してしまいます。

取調べが始まり、最初は無関係を訴えていたゾフィーでしたが、保釈を目前にして自宅から証拠物件が見つかってしまう。やがて兄が「自分たちがやったことは間違っていない」と事実上行いを認めて署名したことを知り、ゾフィーも「信念に基づいて行動し、それを誇りに思っている」と反撃に出ます。

ゲシュタポの取調官モーアは、自身も同じ年頃の息子を持つ父親。人生を台無しにしているとしか思えないゾフィーの態度に、仲間の情報提供と引き換えに逃げ道を用意するのですが、ゾフィーはこれを拒否。兄妹のあとに逮捕されたビラの草案者クリストフと共に人民法廷で有罪の判決を受けます。

独房へ移されたゾフィーは「すぐに別れの手紙を書きなさい」と言われ、即日執行されることを知り激しく動揺します。
地方から両親が面会に来て、「もう会えないのね」「天国で会いましょう」というシーンでは、切なさに劇場はすすり泣きの音。私も今日はスッピンで出かけたので、思い切り涙を拭くことができました。
実際は、ご両親は即日執行を知らされていなかったようです。

処刑は絞首でもなく、ガスでも電気でもない、なんとギロチンです。静かに笑って逝ったゾフィー。若くて純粋な思想犯は強いな。

1943年
2月18日 ハンスとゾフィーのショル兄妹 逮捕
2月19日 ビラ草案者のクリストフ 逮捕 
2月20日 クリストフ 草案者であることを認める
2月21日 起訴状作成
2月22日 人民法廷 審理開廷・有罪判決 即日執行



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