今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

半年ぶりの東京(2)、そして『カポーティ』

2006年12月29日 | オフ

しばらく夕刊のない田舎生活だったけど、パレスホテルには朝日と日経の2紙が入る。と言うことで、もちろん朝刊も同じ。

朝シャワーを浴びて、朝刊2紙に目を通していると朝食のルームサービスが来ました。

前夜のうちに注文、指定した時間もぴったりです。なんだか以前、会社で出前を取っていたときとあまり変わらないメニューだけど、値段はビックリするぐらい違います。
会社での出前は「洋食A」で480円だったけど、こちらは3000円、しかもサービス料が加算されます。でもたまにはいいなぁ、こういうのも。

この日は水曜日で私にとっては特別な日。そう、映画が1000円で観られるレディスデーですね。

せっかく東京に出てきたんだから、東京でしか観られない映画にしようと、新宿まで出て『カポーティ』を観ることにしました。

これは主演のフィリップ・シーモア・ホフマンがアカデミー男優賞を取った作品。「ティファニーで朝食を」の作者でもあるトルーマン・カポーティが彼の代表作となる「冷血」を完成させるまでの6年間を描いています。

2人の殺人犯、とりわけ自分と境遇の似たペリーと深く関わり、彼らが死刑になるまでの6年間のジレンマと苦悩。事件の話を聞きだしたいがため、いい弁護士をつけるが反面、彼らが死なない限り「冷血」は完成しない・・・。

カポーティが「冷血」以後、これと言った作品を発表していないのは、この6年間で精魂尽き果ててしまったんじゃないでしょうか。全てを手に入れたけど、全てを失ってしまったと考えればとても重い6年間だったと。

「冷血」は若い頃、チャレンジしたことがありますが、文庫でも割と厚めの本ですよね。翻訳モノの持って回った言い方に焦れて途中で投げ出しました。もう一度チャレンジしてみようか。

ひとつ新しい発見がありました。幼なじみの友人、ネル・ハーパー・リー(上の写真で隣にいる)は「アラバマ物語」の作者だったんですねぇ。私、DVD持ってます。書店で500円で買ったものですが、この『カポーティ』で作者に会えるとは思っていませんでした。

いい映画には印象に残る言葉があるものですが、『カポーティ』にはこんな言葉が出てきます。
自分と似た境遇で育ったペリーと自分を例えてカポーティがこう言います。「彼と僕はある時期まで同じ家で育った。だけどある時、彼は裏口から出て、僕は表から出た」

裏口から出たペリーは犯罪者になり、表から出たカポーティはジェット機で飛び回るセレブになったわけですが、本当の冷血は殺人を犯したペリーだったのか、本を書くためにペリーを利用したカポーティだったのか・・・。



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