結論から言うと『ブロークバック・マウンテン』にはフラれました。劇場に到着したときすでに満席。まぁ予想した結果ではありました。
で、2回目に観ようと思っていた『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を上映している東劇へ移動。かなり時間的には余裕があります。
あまり話題にはなっていないけど『ヒストリー・オブ・バイオレンス』はデイヴィッド・クローネンバーグ監督作品です。クローネンバーグ作品はグチョグチョ、ウネウネ、ネチネチ・・・とどうも一筋縄ではいかないイメージがありますね。
導入部に出てくる男2人組の冷血さがおぞましい。その冷血2人組が、主人公トム・ストールの住む田舎町へ流れてきます。トムはダイナーを経営するよき夫、よき父、よき隣人。
トムの経営するダイナーへ強盗として押し入った2人は、アッという間にトムに撃ち殺されます。清々しいくらいの殺人。トムはただのダイナーの経営者ではなかったのです。
一夜で町のヒーローになったトムにテレビや新聞の取材が殺到し、その後、不審な男たちが周囲をうろつくようになります。トムは実はフィラデルフィアのマフィア。兄はギャングのボスなのですが、裏切る形で組織を抜け、まったく違う人物になって片田舎で暮らしていたのに、この事件で居所を知られてしまったわけ。
妻を愛し、子供たちを愛しているトムは、今の生活を守るため兄と向き合う決心をするのです。
すべてが終わり、自分の家に戻り車から降りて、わが家を見つめるトムの目は「まだ自分を受け入れてくれるだろうか」と言っているようです。
自分がかつてギャングであり、人殺しを重ねた男であるということは妻も子供たちも知っているのです。
妻と子供たちは夕食を始めたところでした。立ちすくむトムに幼い娘は父の食器を運び、息子はミートローフの皿を差し出します。そして、妻は・・・。
この場面でフェイドアウト。映画は終わりです。
え、え~っ!?マジ終わりですか? 気になる~。 この夫婦どうなるんだろう。
トム、すごくいい人です。私なら許して、口をぬぐって生きていけるかも。
主人公のヴィゴ・モーテンセンはすごく個性的な顔立ち。妻役のマリア・ベロはテレビ女優でした。NHKの『ER緊急救命室』初期のころのレギュラー。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』ではほとんどスッピンで、ラブシーンもハードに熱演していました。
◆公式サイト ⇒ 『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
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