ホタル

わたしもおなじようにかんじたから
あなたもずっとひとりではなかった

つきがのぼるのをおしえてくれた
ほしがともるのをおしえてくれた





いまはきづかなくても
つぎのしゅんかんなら

せかいにまたたけるんじゃない？
せかいをあたためるんじゃない？

わたしもおなじようにかんじたから
あなたもずっとこどくではなかった

結果、にっこり。

やわらかな想いを
まるいあかるい光を
つい漏らしてしまう笑いを
歌う小さな川の流れを
古くから囁かれる愛の言葉を





選んでしまうだけなの。結果、にっこり。

言い方の、ふわり花。

言葉の並べ順は花を咲かせるようにね
純粋な花壇だね慇懃無礼にはならないね

君は豊かな変換キーを持っている
気持ちをのせる翼も飛べる空もすべて





繊細な言い方の、ふわり花
天使が横切って光がさして

誰もが優しさの源から
うまれてきたと再確認したんだ

新風

僕は世界のさまざまな音を聴く
潮風　笑い声　あらゆる国の言葉

「聴いて　聴いて　聴いて
認めて　認めて　認めて」

うん　いいよ　そうだ、
君は変わる心を恐れないでいられるかい？





うなずいた君に吹きこまれる新風
だいじな気持ちと同じ空と緑の薫りがしたね

眠りを守る

僕の指先で打ちこんだ言葉は
すべて「素晴らしい」と変換する

誰かの眠りは
誰にも邪魔できないように
いつまでもやわらかく見守るんだ





宇宙の信号　見えないところで受けとっている
天使の魔法　呼吸にいつもブレンドされている

一生つなぎのネックレス

一日を一粒のビーズにして
一生をきらきらとつないで

どこへ行くの？
あなたと行くの
連れてって
よく知っている世界
まだ見ぬ世界





一生つなぎのネックレス
時々見えるんだよ
君の白い胸元に

どこへ行こう？
君と行こう
連れていこう
よく知っている世界
まだ見ぬ世界

まだあたし夜明け前

愛って何？と抵抗ばかりしていた
わかりやすく教えてくれないものにずっと吠えた

季節は時折優しさをくれて
底では気づいていたけれど
尖ることのアイデンティティのほうが温かかった





しあわせの向こう側と
ふしあわせのこちら側は
同じなんだってすっかり腐っていた

まだあたしは光のうまれる場所がわからない
「キミの中にある」全然染みこまない信じられない

誰かに灯りを見たいだけ
まだあたし夜明け前それも明けないかもしれなくて
わからないことだらけの力でようやく生きているのに

ありふれた奇跡

晴れていたら僕たちは奇跡を見ていることになる

とはいえ雲の上ならばいつでも奇跡だらけだろう

満天の星空も黎明も黄昏もずっとそこにあるありふれた奇跡





君の瞳の奥にも同じ輝きを見るよ

微笑みがはじけて笑いあって抱きしめあう

歳月の可愛らしさはすべて君と僕でつくりつづけている

裁かない

裁かない
つつんでいく

そのままに置く
ただ、つつんでいく

うまれたときに愛情をもって
迎えられたように、そっと





誰かがどんなに間違っていても
この星が神様が皆を生かしてくれているように

僕もつつみたい
心を花束にするように
世界のすべてを愛をこめて

菫月

空の菫色
追いかけてきた月の淡さ
朝も夕もあなたはそこに居た

凍えても開いても
許してくれていた
間違っても直しても
いつも微笑んでいた





愛してる、って難しいと信じていた
頑なな物語をほどいていくわ
胸のランプを灯しつづける情熱の許で