森喜朗の発言のおおよその内容と、釈明会見での記者とのやりとりを↑の記事で読んでみた。
読んだ後の感想だが、テレビで森を叩いた報道姿勢とこの全文のやり取りを私なりに比較してみたらテレビが如何に大袈裟に物事を捉え、それを拡散し、その後の森叩きが如何に執拗なのかと気付かされた。
森の↑の全文を読んでみると、彼は言葉を慎重には選ばない話し手であるということがすぐにわかる。悪い言い方をすると、言葉をテキトーに使っているとも言えるわけで、揚げ足を容易に取れる話し方である。
かつて森は、日本は神の国という発言をして叩かれた。なんでこの発言が叩かれたのか私は今でもわからない。この発言を問題だとして叩いたマスコミはなんで神の国が問題発言だったのかを当時は報道したのかもしれないが、私はそれを覚えていない。
さて、森の発言から森の考えていることを推測すると、だいたいにおいて以下のようなことがわかるとおもう。
①山下は頑張っているが、これから大変である。
②理事会での会議をまとめるのは容易ではないので森から山下へ助言をした。
③女性は会議が長くなるから、時間を決めて議論しないとまとめるのが難しい。
④とはいえ女性は優秀である。わたしも話は長いと付け加える。
⑤タレントの聖火ランナーにはファンが集まるのはいいが、現行のコロナ下ではいろんな問題が出かねないから慎重に色々と決めていかなければならない。
⑥①〜⑤までの様々な問題があるので、山下さんは大変だ。是非頑張って欲しい。
おまけ 橋本や竹田元会長も頑張っておられたという擁護。NHKのかつて叩かれた籾井会長も頑張っていると擁護。
つまり森の意図は、コロナ禍においてオリンピックの準備をするのは困難が多く、それを竹田元会長に代わって行うのは大変である。それはマスコミの攻撃を受けないようにということもあるし、国民のオリンピック開催への不安による反対の攻撃を受けないようにということもあるが、そういう対外的なことだけではなく、理事会での議論や決め事なども、無限に時間があるわけではないから、それらの取りまとめの指揮を携わることも大変だと説く。さらにタレントの聖火ランナー起用でファンが詰めかけてコロナ禍に拍車がかかることなども懸念して、大変であることと、一生懸命取り組んでいる方々を労う発言は随所に見られる。
そして、竹田、籾井、橋本はすべてテレビに不祥事のあった人として報じられているが、森はその人たちの名前を出して尽力していることをあえて発言し、かれらの不祥事は本当は不祥事ではなかったと擁護したい意図を感じる。
そういえばロンドンブーツの田村が「田んぼを走ればいい」という発言を受けてか、あるいは森の「女の話は長い」発言をうけて、聖火ランナーを辞退したそうだが、↑の本文を読めば、田んぼを走るという意図は、ファンが詰めかけてコロナ感染を避けるための案をださなければならないという主張として普通は読める。しかし当の本人の田村淳はたぶんこの↑の全文を読んでいなかったのだろう。芸能人は人気商売でファンもあつまるから田んぼをはしれ(田舎を走って人集めしろ)というように解釈したのだろう。
報道という言葉を扱うプロが、発言の行間を読むことなく、その話し手の意図を読み解くのでもなく、まるで言葉狩りのように、あるフレーズが出たからアウトな発言とか、けしからんとか、好意的に見ても頭が悪いとしか思えない。悪意的にみるなら、人を陥れるためにやってるとしか思えない。
私は今の自民党は大嫌いだし、次の選挙で負ければいいと思っているし、森はどちらかと言うと嫌いな政治家ではあるが、彼の発言を意図的に曲解して貶めるという卑怯なやり方はしたくない。
自分の見たいものだけをみたければ、彼を叩くのに便乗すればいいが、さすがに全文を読んでみたら、テレビの解釈のほうが極端でおかしいということに気がついた。