今年初映画がこれになりました。
まず前作(「ウルトラ銀河伝説」)は劇場では見ておらず、DVDで見ていきました。
『「エメラルド・トワイライト」っぽいなー』と思いながらも
ウルトラマンでスペースオペラをやる、という姿勢の面白さと
映画自体の面白さは十分なものだったと思います。
劇場で見なかったことを後悔するくらいに。
そして今作。
円谷プロの組織改変(親会社の変更とか前作の旗振り役だった岡部氏の退社)や
配給会社の変更(ワーナー→松竹)という外部の要因も変わりつつも
前作で撒かれた種・・・新しい二人のウルトラマンを軸に
いままでのウルトラマンの枠を超えよう、という部分も見せる作品となっています。
その大きな仕掛けは「多重宇宙」という設定。
アメコミなどでは一般的になったこの仕掛けを公式に使うことで、
「光の国」から離れた展開を可能にしたことがまず重要であると思います。
(強敵相手に旧ウルトラマンたちを噛ませにしなくていい、というのはけっこう重要な気も)
そしてそれに付随する「銀河連邦」の復活。
「ウルトラマンA」の時代に提唱された、円谷ユニバース的なこの世界観が
この映画では再生された円谷旧キャラたち・・・
ミラーマン→ミラーナイト、ファイヤーマン→グレンファイヤー、
ジャンボーグA→ジャンボットという形で実現しています。
(あと、「マイティジャック」もちょっとだけ)
そしてこういったキャラたちに人気声優を充てることで、
「仮面ライダー電王」のイマジンたちに通じるような
軽妙なやりとりも楽しめるようになっています。
(全員がガンダム主役キャストというのもポイントかも。
神谷浩史は「SDガンダムフォース」のキャプテンガンダムだしw)
ヒーローたちの殺陣もプロレス的で、
ウルトラ=プロレス、ライダー=時代劇という源流の違いを感じさせますし
それぞれのヒーローにしっかりと見せ場が作られているのも
複数ヒーロー物としてはうれしいポイントです。
(「叫べナオ、ジャンファイトと!」とか、鏡のシーンとかね)
映画としての不満もないわけではなく、
映画1本に詰め込みすぎと感じる部分もあるわけですが
テレビドラマのスペシャル版ではない、
十分にエンターテイメントとして楽しめる「映画」になっていると思います。
ベリアルの率いる大艦隊とかは大画面で見たいシーンですしね。
人間キャストに関しても、時折辛く感じる部分はあるけど
一定水準は超えていたのではないかな、とは思います。
ひっぱってくれるベテランが近くにいなかった(平泉さんたちは別撮りだろうし)
ことを考えても、これで合格点かなぁ・・・くらい。
あとの難点は最近のウルトラを見るたびに気になる「巨大さの表現の甘さ」くらいで
せめて地上をあの質量のものが歩いたりしたらどうなるかは表現してほしいな、と
思わずにはいられなくなってしまいます。
それは映像がリアルになってしまったからそういう部分が気になってしまうんでしょうけど・・・
(今回はウルトラさんたちがアップになるとスーツ感丸出しになっちゃう点も気にはなったのですが)
ここから(公開からけっこう経ってるし雑誌にも出てるし)ネタバレもしていきます。
アベユーイチ監督としては、この作品で「Nプロジェクト」に対して
ひとつの決着をつけたかったのかな、と思っています。
川井憲次の音楽、ネクサスキャストの出演もそうですが
(さとうやすえは作品ごとに印象が変わっていることに驚くわけですが)
やはりノアの登場というサプライズは大きいものでした。
(あくまで「強化アイテムを授ける存在」でしかありませんでしたが)
「光を受け継ぐもの」の一人が光の国の戦士であるゼロだった、というのも
Nプロジェクトとウルトラ兄弟の設定とのクロスオーバー、
(スタート地点であったノアの雑誌展開ではウルトラ兄弟の世界観と共通だったのですが)
そして「ウルトラマン」という世界の一本化(マックスも出てましたね)で
円谷ユニバースを整理するような形にしたかったのかなぁ、とも思えて。
映画のラストで告知が出た、45周年映画2作目。
この作品の続編(ゼロたち主役)になるのか、
ウルトラ兄弟たちの物語に戻るのか。
それとも、「超8兄弟」のようなお祭り映画になるのか。
日本を代表するヒーローである「ウルトラマン」の今後がどうなるのかを
楽しみにしたいと思います。
今作はTV局がバックにいない+松竹が驚くほどに宣伝下手なので
興行成績が伸び悩み、続編作れるかが危険なのですが・・・
これを読んだ方がひとりでも多く見に行ってもらえればうれしいです。
映画としてもけっこうちゃんと楽しめる映画なので
(下手なアメコミ実写化よりよく出来てると思いますよ)
子供時代にウルトラに触れてきた人はぜひどうぞ。
けっこう独りやデートで来ている大人の方も見ましたよ。
まず前作(「ウルトラ銀河伝説」)は劇場では見ておらず、DVDで見ていきました。
『「エメラルド・トワイライト」っぽいなー』と思いながらも
ウルトラマンでスペースオペラをやる、という姿勢の面白さと
映画自体の面白さは十分なものだったと思います。
劇場で見なかったことを後悔するくらいに。
そして今作。
円谷プロの組織改変(親会社の変更とか前作の旗振り役だった岡部氏の退社)や
配給会社の変更(ワーナー→松竹)という外部の要因も変わりつつも
前作で撒かれた種・・・新しい二人のウルトラマンを軸に
いままでのウルトラマンの枠を超えよう、という部分も見せる作品となっています。
その大きな仕掛けは「多重宇宙」という設定。
アメコミなどでは一般的になったこの仕掛けを公式に使うことで、
「光の国」から離れた展開を可能にしたことがまず重要であると思います。
(強敵相手に旧ウルトラマンたちを噛ませにしなくていい、というのはけっこう重要な気も)
そしてそれに付随する「銀河連邦」の復活。
「ウルトラマンA」の時代に提唱された、円谷ユニバース的なこの世界観が
この映画では再生された円谷旧キャラたち・・・
ミラーマン→ミラーナイト、ファイヤーマン→グレンファイヤー、
ジャンボーグA→ジャンボットという形で実現しています。
(あと、「マイティジャック」もちょっとだけ)
そしてこういったキャラたちに人気声優を充てることで、
「仮面ライダー電王」のイマジンたちに通じるような
軽妙なやりとりも楽しめるようになっています。
(全員がガンダム主役キャストというのもポイントかも。
神谷浩史は「SDガンダムフォース」のキャプテンガンダムだしw)
ヒーローたちの殺陣もプロレス的で、
ウルトラ=プロレス、ライダー=時代劇という源流の違いを感じさせますし
それぞれのヒーローにしっかりと見せ場が作られているのも
複数ヒーロー物としてはうれしいポイントです。
(「叫べナオ、ジャンファイトと!」とか、鏡のシーンとかね)
映画としての不満もないわけではなく、
映画1本に詰め込みすぎと感じる部分もあるわけですが
テレビドラマのスペシャル版ではない、
十分にエンターテイメントとして楽しめる「映画」になっていると思います。
ベリアルの率いる大艦隊とかは大画面で見たいシーンですしね。
人間キャストに関しても、時折辛く感じる部分はあるけど
一定水準は超えていたのではないかな、とは思います。
ひっぱってくれるベテランが近くにいなかった(平泉さんたちは別撮りだろうし)
ことを考えても、これで合格点かなぁ・・・くらい。
あとの難点は最近のウルトラを見るたびに気になる「巨大さの表現の甘さ」くらいで
せめて地上をあの質量のものが歩いたりしたらどうなるかは表現してほしいな、と
思わずにはいられなくなってしまいます。
それは映像がリアルになってしまったからそういう部分が気になってしまうんでしょうけど・・・
(今回はウルトラさんたちがアップになるとスーツ感丸出しになっちゃう点も気にはなったのですが)
ここから(公開からけっこう経ってるし雑誌にも出てるし)ネタバレもしていきます。
アベユーイチ監督としては、この作品で「Nプロジェクト」に対して
ひとつの決着をつけたかったのかな、と思っています。
川井憲次の音楽、ネクサスキャストの出演もそうですが
(さとうやすえは作品ごとに印象が変わっていることに驚くわけですが)
やはりノアの登場というサプライズは大きいものでした。
(あくまで「強化アイテムを授ける存在」でしかありませんでしたが)
「光を受け継ぐもの」の一人が光の国の戦士であるゼロだった、というのも
Nプロジェクトとウルトラ兄弟の設定とのクロスオーバー、
(スタート地点であったノアの雑誌展開ではウルトラ兄弟の世界観と共通だったのですが)
そして「ウルトラマン」という世界の一本化(マックスも出てましたね)で
円谷ユニバースを整理するような形にしたかったのかなぁ、とも思えて。
映画のラストで告知が出た、45周年映画2作目。
この作品の続編(ゼロたち主役)になるのか、
ウルトラ兄弟たちの物語に戻るのか。
それとも、「超8兄弟」のようなお祭り映画になるのか。
日本を代表するヒーローである「ウルトラマン」の今後がどうなるのかを
楽しみにしたいと思います。
今作はTV局がバックにいない+松竹が驚くほどに宣伝下手なので
興行成績が伸び悩み、続編作れるかが危険なのですが・・・
これを読んだ方がひとりでも多く見に行ってもらえればうれしいです。
映画としてもけっこうちゃんと楽しめる映画なので
(下手なアメコミ実写化よりよく出来てると思いますよ)
子供時代にウルトラに触れてきた人はぜひどうぞ。
けっこう独りやデートで来ている大人の方も見ましたよ。