オペラ劇場に突如現れたテロ組織。
テロ組織と特殊部隊との戦闘の中、
潜入していたスパイが手に入れた
「プルトニウム241」を回収すべく動く一人のCIAエージェント。
観客ごと劇場を爆破しようとする特殊部隊から
爆弾を奪い、観客を救おうとするエージェントの横をかすめた「逆行する銃弾」。
捕らえられ、拷問を受けるエージェントは自決用カプセルを飲むが
彼は意識を取り戻した…。
未来から時間を逆行する組織との「第3次世界大戦」、
それを防ぐためのキーワードは「TENET」。
「時間」を巡る争いが、幕を開ける。
「ダークナイト」トリロジーに「インセプション」「インターステラー」
そして「ダンケルク」と新作公開のたびに着実に巨匠となりつつあるクリストファー・ノーラン。
IMAXフィルム撮影、そして極力CGを使わないで「本物」を使って撮影するという
その撮影スタイルは(不得意分野もありはしますが)多くのファンを獲得しています。
そんな彼の最新作は、かねてから撮りたがっていたスパイアクションであり
複雑な時間SFでもある「TENET」。
時間の「順行」と「逆行」が絡み合い、「過去」と「未来」がせめぎ合い、
ストーリーの大筋としてはシンプルでありながらも
「え、さっきのはもしかしてこういうことか?」と観客に揺さぶりをかけていく作品です。
初見はストーリーを追い、2回目以降で細部を再確認する…という
そういう見方を推奨したくなるほどの作品であり、
この世界に吹き荒れ続けるコロナ禍の中で公開されても世界的ヒット、というのも
納得できる一作でございました。
(「ブラックウィドウ」が11月から来年5月、「ワンダーウーマン84」もクリスマスに延期…)
大規模戦闘シーンや格闘シーンの見せ方はやはり鬼門なのかなぁという部分はありましたが
今年の(見に行った本数が非常に少ない中の)1位もありえる1本だなぁと思えました。
やっぱり映画館で見る大作映画っていいよね。