長崎県美術館・県民ギャラリーで開催中の展覧会
『深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」』に行ってまいりました。
(企画展示室では隈研吾展も開催中です)
透明な樹脂の上に金魚の絵を描き、さらに上から樹脂を重ねることで
まるでその中で泳いでいるかのようなリアルな金魚を描き出す、という技法で知られる
深堀の展覧会であり、今までのキャリアの作品を一望できる内容となっております。
毎年描いている枡の中を泳ぐ金魚の作品がずらりと並ぶコーナーを見ていると
明らかに2009年以降にレベルがぐんと上がっていることがわかり、
ここで技術のブレイクスルーがあったのだろうな、という印象が。
(その前までは明らかに「絵」だったのが、
この年を境に一気に生気を帯びてくる気がしているのです)
大型の作品になるほどに、そのある種「狂気」とも呼べるような
リアルさへのこだわりが鬼気迫ってくるものがあったり、
その一方で木彫りの熊を加工した作品のユーモラスさなども楽しめたり。
近年の新たなチャレンジである、ファンシーにディフォルメした金魚作品や
金魚の鱗のみに着目した作品なども楽しめる展覧会。
「一芸としての技巧を極める」ということの凄さを実感できる内容でした。