「
ヘルボーイ:疾風怒濤」で完結したヘルボーイ現世編。
続編である「HELLBOY IN HELL」の邦訳も待たれますが、
その前に前巻「
捻じくれた男」に続いて刊行された短編集が
今作「地獄の花嫁」になります(今作も前作から1年、でしたね)
メキシコを舞台にした、ルチャドール3兄弟との悪魔退治と
その顛末を描いた「ヘルボーイ・イン・メキシコ 酔生夢譚」
掌編2編・・・呪いの屋敷を舞台にした「サリバンの報酬」、
古代エジプトの神が登場する「セベクの館」で構成された「邪なる二本立て」
古典的な吸血鬼が何故ヘルボーイ世界には少ないのか?にも触れられた
「眠れる者と死せる者」
ソロモン王に呼び出された悪魔の顛末にも触れられた表題作「地獄の花嫁」
今作唯一のミニョーラのペンによる、大手新聞のWebサイトに掲載された短編
「ウィッティア家の遺産」
悪魔崇拝から始まったと思ったらとんでもない方向に展開する
「バスター・オークリー、願いを叶える」
以上7作品(「邪なる二本立て」をそれぞれカウント)、「ヘルボーイがバケモノと出会い、戦う」という
アウトラインは共通しているものの、それぞれ別ベクトルの「奇想」を感じさせ
そして「絵に描いたようなハッピーエンドはどの作品にも訪れない」というあたりに
これは「ヒーローコミック」ではなく「怪奇コミック」なのだなぁ、ということを
改めて実感させられることになりました。
そしてこれにてヘルボーイは「第一部完」。
(個人的には「妖蛆召喚」までが第一部、限定通販で復刊実現の「人外魔境」からが第二部、
そして「IN HELL」は第三部と思っていますが)
おそらく今年の末か来年の頭には「IN HELL」を邦訳してくれるものと信じていますが
それまではこれまでに刊行された日本語版を反芻しつつ、楽しむとしましょうか。
(スピンオフの「B.P.R.D」のほうも日本語で読めたらなぁ・・・)
・・・ミニョーラの過去作邦訳である「コズミック・オデッセイ」もまだ買ってないんだった。買おう。