リンムーの眼 rinmu's eye

リンムーの眼、私の視点。

西武線クルーズ

2011-09-05 | art
所沢ビエンナーレを見に行った。
作家主導による手弁当の美術展。
前回は所沢駅近くの鉄道車庫跡地で行われていて、とてもユニークな美術展だった。
今回の開催を知り、詳細を検索してみると、会場が変わっていた。
場所は航空公園。
所沢駅から新宿線に乗り換え一駅の航空公園駅まで向った。


駅から並木道を15分ほど歩いて着いた第一会場。
所沢市生涯学習推進センター、もともと学校があったところのようだ。
体育館とプール跡地が会場になっている。

学校のディテールは誰でも親近感がある。こうした機会に訪れると新鮮だ。
体育館の細部に色々と記憶が刺激される。壇上そでのカーテンとか、キャットウォークに続く階段とか。
誰もが共感できる空間だろう。そのような“学校的記憶”に呼応した作品が多かったと思う。
だが、共感部分が勝ってしまい、この空間を異化する作品にはなっていなかった気がする。


壇上そで。“学校的記憶”が刺激される。

少し離れたプール跡地は、これだけでも魅力的な廃墟で、スコール雨のあとの湿気が更衣室をホワイトキューブに仕立てた空間にこもっていた。



プール跡地。黒い枠が遠藤利克という方の作品。焼いた木炭でできている。



チェーン店が並ぶ通りからさらに農道を15分ほど歩いて第二会場に。
給食センター跡地。
ここはロケーションの勝利。配管や大型鍋、アルミテーブルなど工業テクスチャーがむき出しになっており、いわゆる「工場萌え」の人にはたまらない空間となっている。
ほとんどこの空間が「作品」といっていいだろう。
この場所を見つけたのはこの美術展の慧眼だし、こんな機会がなければ一般人が足を踏み入れることもないだろう。
だが作品はこの圧倒的な“場所のチカラ”に負けていた。作品が工場のディテールの一部に同化してしまっている。


ほとんど「作品」の工業テクスチャー。

メイン会場外れの倉庫を使った展示がすばらしかったのは皮肉だ。
“場所のチカラ”をまぬがれ静謐な空間を作り上げていた。


倉庫。清岡正彦という方の作品。木型の船に苔むしたオブジェがのっている。神秘的で見入ってしまった。

前回の車庫跡地は広い空間で、高さのある作品も多く、ダイナミックに感じた。
だが、今回は空間に寄り添う作品が多かった。
せっかく会場は魅力的なのに、場に負けてしまっては作品展の意味がない。
次回も新たに面白い場所を見つけてほしいし、その空間を制圧するパワフルな作品を立ち上げてほしい。
こういう美術展を所沢という地でやっているのが面白いし、なんだかんだいっても発見が多いので、是非継続してもらいたい。


帰り道は道端の片隅もオブジェに見える。


農道脇にまだ白い曼珠沙華が揺れていた。真っ赤に咲いたらさぞ壮観だろう。

戻りは駅までバスに乗り、所沢駅に戻ったら西所沢駅まで出て西武狭山線に乗り換え、西武球場前駅に向った。午後の予定はデーゲームを観るのだ。


ライオンズ×ホークス戦を観た。
9月になって初の西武ドームで野球観戦である。
キャッチャーの上本が満塁ホームランを含む猛打で大勝した。
先発の西口の老獪なピッチングがとてもよかった。
もうストレートは速くないが、得意のスライダーを生かした投球と打者のウラをかく配給で三振の山を築いていた。
ベテランが活躍するゲームが観られるのはうれしい。

ゲーム終了後、駅に戻ると池袋線沿線の事故で運転見合わせだったので、山口線で迂回。電車とはいえ車輪で走っているのどかな路線だ。西武遊園地の裏道を走っているので、車窓に遊園地の遊具やゴルフのコースが見える。
西武遊園地駅から多摩湖線で国分寺駅まで出て反省会。

帰りは国分寺線で所沢駅まで戻り、復旧した池袋線へ。
期せずして西武線沿線を乗り継ぐ西武線クルーズの一日となった。


※展示会場は撮影可だったのでいくつか撮った画像を掲載しました。

八月の現状

2011-09-03 | Weblog
九月になったけど、八月の現状レポート。



紙のお香というやつを買った。
カードのようなものから切り離して、蛇腹状に折って火をつける。
ベビーパウダーのような香りで、空気の浄化や風邪の感染予防にも効果があるらしい。
湿気が多いこの時季、独身男のむさい部屋の空気を浄化するために、時々燃しています。
線香やお香は、いろいろ試してみてるけど、たまに使うといいものです。



8月27日、WIRE2011に行ってきた。
毎年行われていれている屋内レイブ。
以前から行きたいとは思っていたけど、今年ようやく重い腰を上げた。
デカイ音でテクノ聴くと、風圧で音がやって来る。なかなか味わえない体験だ。
オーガナイザー(主催者)である石野卓球は、自らのDJの初めと終わりに、山下達郎「希望という名の光」のコーラス部分のリフレインをプレイしていた。
「ray of hope for you,ray of hope fo me,ray of hope for life,foreveryone」
震災後、節電が叫ばれた。エレクトリック・ミュージックは、すべて電気を前提に成り立つ音楽だ。ある種テクノロジーを謳歌する時代のBGMといえるかもしれない。
主催者として、開催云々に関しても思うところはあっただろう。
そんな祈りが、このリフレインをプレイすることに込められていたような気がして、感動を覚えた。

長時間、途切れなく音楽を聴いていても飽きないというのは、やはり自分は音楽好きなんだなと実感しましたね。




近所に梨園があり、この時季になると産地直売をしている。
存在は前から気付いていたけど、買ったことなかったので、チャリで買いに行った。
みずみずしくて、美味い。旬のものを食べると季節の変わり目を実感できます。
まだまだ残暑が厳しいけど、梨の清涼感で秋の到来が感じられる。
梨園のおじさんによると、今年の梨は小粒だそうです。

次は九月の現状にならないように、更新したいものです。