リンムーの眼 rinmu's eye

リンムーの眼、私の視点。

今年のベスト

2007-12-29 | Weblog
今年印象に残っているもの・ことをアット・ランダムに挙げてみる。あっという間の一年だったな。

コーヒー:
・モリバコーヒー
 職場の近くにあるのでよく利用。
・シュベール
 通勤帰りの途中下車でよく利用。
・ドトール
 土日に近所の店をよく利用。

 あと、近所に自家焙煎のコーヒー豆屋が充実していたので、よく淹れて飲むようになった。

本:
単行本『定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行』(書籍工房早山)ベネディクト・アンダーソン著 白石隆・白石さや訳

 版元が変わったので、これを期にと挑んだ。八月あたまに買って、途中挫折をはさみつつ、年末にやっと読み終わった。
 かなり骨のある読書だったが、山を一つ踏破した気分。
 来年も何か登ろう。


文庫『イサム・ノグチ〈上・下〉―宿命の越境者 』ドウス昌代著(講談社文庫)

 6月ごろ上巻を買って、途中中断をはさみつつ、読み終わったのは夏ごろ。
 ノグチ彫刻はすばらしい。

料理:
 今年から始めた自炊。
 「回鍋肉」
 キャベツ買った週にはだいたい作ります。調味料はレトルトですが。
 「エリンギ」
 なぜかよく買ってしまう食材。炒め物に重宝します。

漫画:
『とめはねっ! 鈴里高校書道部』河合克敏 著
 書道部漫画。文科系特有のうだうだした感じが、どうしようもなく好きですね。
 のんびりした話ですが、揮毫シーンにはハッとさせられます。

今年の流行語:
 「別に…」(沢尻エリカ)
 「ドイヒー」(さまあーず)
 「正気ですか!?」(ケンドー・コバヤシ)
 個人的にはこの三つ。

音楽:
「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」斉藤和義
 この曲ははまった。好きな小説家・井坂幸太郎とリンクしたのもうれしかったし。
 あと、斎藤和義が爽やかじゃない感じでのど飴のCMに出てるのは、ウケた。

買い物:
 あまり高い買い物をしません。
 「ウォークマン Sシリーズ NW-S705F」
 ipod優勢の時代にあえてWALKMAN。ノイズキャンセリングで良音です。
 「au W52P」
 携帯電話を今年買い換えた。ワンセグとか付いてないけど。
 換えたあとに「INFORBAR2」が出て、こっちにしとけばなとちょっと思った。

街歩き:
 「池袋」
 最寄の都心なので、なんだかんだでよく利用する。あまり歩いてて楽しい街ではないが、大型書店のジュンク堂・リブロあるし、よく行くセレクト・ショップEDIFICE・united arrowsあるし、つい出向いてしまう。
 「大江戸線」
 いろいろ繋がってるので、移動には最近よく使う。ホームが深いので構内をやたら歩くことになるが。
 「横須賀」
 なんだかんだで連休には実家に帰る。歩き慣れた街はやっぱしっくりくる。地元の友人と会って話すのは楽しいしね。

それでは、よいお年を。
また来年。

寝正月

ルイス・サッカーの“ほら話”

2007-12-27 | book
ルイス・サッカー著・幸田敦子訳『穴 Holes』(講談社文庫)読む。
主人公の少年は、荒地の真ん中にある矯正キャンプに入れられ、無益な労働に従事する。
それは、荒地にひたすら穴を掘ること。
目的は告げられていない。ただ毎日一つ、深さ・直径1.5メートルの穴を掘り続けるのだ。
何とも奇妙なシチュエーションの小説である。
過酷なキャンプでの主人公のサバイバルがこの小説の主軸となる。

主人公の名はスタンリー・イェルナッツという。Yelnatsを後からつづると、Stanleyになる。ひいじいさんのころから、イェルナッツ家の息子はこの名前であり…。
少年が放り込まれるのは、湖が干上がった不毛の地にあるグリーン・レイク・キャンプ。湖があったころ起こったある事件のあと、百十年間、雨が降っていない…。

…など、さまざまなエピソードが、主人公がサバイブする主軸と絡んで、やがて大きな物語となる。
奇想天外なストーリーを語る構成が見事な小説だ。
この小説は、ヤングアダルト向けに書かれたジュブナイル(児童文学)であり、そのジャンルの賞を多く受賞している。
だが、けして子供向けではなく、大人が読んでも(大人だからこそより)楽しめる小説だと思う。

この小説を一言で言うと、“ホラ話”ということになる。
トール・テイルやフィッシュ・ストーリーなど、アメリカの口承文芸の伝統としての“ホラ話”(映画『ビック・フィッシュ』を思い浮かべてほしい)は、アメリカ文学の源流の一つでもある。『ハックルベリー・フィンの冒険』のマーク・トウェインはその偉大な先人だ。今年亡くなったカート・ヴォネガット・ジュニアもこの系譜に入るだろう。
ルイス・サッカーは、“ホラ話”を語る正統な後継者といえる。

この小説の魅力をうまく伝えるのは、難しいので、是非一読をお勧めする。
小説中にこんな言葉がある。

 あとの穴は、想像力で埋めてほしい。

つまり、ホラにリアリティーを与えるのは、読者の想像力ってことだ。

鉄塔小説のファンタジー

2007-12-27 | book
銀林みのる著『鉄塔武蔵野線』(ソフトバンク文庫)読む。
今年は、『工場萌え』『ダム』など、産業構造物への偏愛がちょっとしたブームになってTV・雑誌などで紹介されたりしていた。
こういう、タモリ倶楽部的なマニアックさは、前から好きだ。自分の追いかけている対象があるわけではないが。
で、この小説は、鉄塔、である。

送電線を張り巡らせた鉄塔群。それに魅せられた少年が、まだ見ぬ鉄塔の行き着く先を求めて、ひと夏の冒険に出る。そういう話。
冒険とはいっても、ハラハラドキドキする展開は全くない。行く手を阻むモンスターが鉄塔に立ちはだかっている訳ではない。
少年は鉄塔の下の結界にコインを一枚ずつ置いていく。その経過をひたすらと、各鉄塔の特徴をいとおしむように、描写していくのだ。
鉄塔に寄せる思いの熱量だけでこの小説は成り立っているといってもいい。
この小説は、日本ファンタジーノベル大賞を受賞している。
なぜ、鉄塔を描いてファンタジーなのか。

 輝かしい陽射しに照らされた1号鉄塔と原子力発電所。そして1号鉄塔に至る武蔵野線の美しい鉄塔たち!それらは、現実にこの世に存在しながらも手の届かない対象として、わたしの限りない思慕を誘いました。(本文より)

原子力発電所なんてあるわけない。だが、“ここではないどこか”に鉄塔が通じているはずだという少年の思いをだれが否定できるだろう。
魔法や妖精が出てこなくても、鉄塔から導き出される想像力、純化した少年性が、ファンタジーなのだ。

この小説は、単行本ののちに、すでに一度文庫化されている。
〈完全版〉として復刊されたこの文庫版は、過去の単行本・文庫では割愛された鉄塔の写真が全点収録されている。
〈完全版〉文庫化への経緯をつづったあとがきからも、著者のこの作品に対する思いの熱量がひしひしと伝わってくる。

著者はこの小説のあと、第二作を発表していない。
鉄塔に興味がなくても、この小説のイノセントな美しさにだれもが打たれることだろう。

続続続・カレンダー景

2007-12-23 | photo
今年撮った写真で、来年のカレンダーを作ってみた。
別にベストショットってわけじゃないが、区切り・なかじきり・節目として。

10月~12月








続続・カレンダー景

2007-12-23 | photo
今年撮った写真で、来年のカレンダーを作ってみた。
別にベストショットってわけじゃないが、区切り・なかじきり・節目として。

7月~9月







続・カレンダー景

2007-12-23 | photo
今年撮った写真で、来年のカレンダーを作ってみた。
別にベストショットってわけじゃないが、区切り・なかじきり・節目として。

4~6月








カレンダー景

2007-12-23 | photo
今年撮った写真で、来年のカレンダーを作ってみた。
別にベストショットってわけじゃないが、区切り・なかじきり・節目として。








文房清玩

2007-12-17 | Weblog
前回、「文具愛玩」というタイトルで文房具の話題を書いたが、開高健の本を読んでいたら、「文房清玩」という言葉が出てきた。
昔の中国の文人が硯や筆や紙に凝って書斎でたのしむことをいうらしい。
流石、人生の達人。いろいろと教えられます。

というわけで、今回も文房具の話題ノート類編。

画像は、今年使い切ったメモ帳。

黒いやつ「Mnemosyne(ニーモシネ)」は、用紙上部に見出し・日付を書く欄があり、罫線は七行ごとに太線になっているので、項目立ててメモりやすい。かなり使い勝手がよかった。
手前「Rollbahn」は、小口を留めるバンドが付いてるし、リング部にボールペンを差せるので、持ち運びに便利。後ろに入ってるファイルポケットも意外に役に立った。

今度から奥の「Campus highgrade」を使うつもり。ゲルインクに適するように開発された紙が、なめらかで書き心地よさそう。

文具愛玩

2007-12-13 | Weblog
文具フェチです。
ペンやメモ帳を使いかけだったりすんのに、ついつい買ってしまう。

雑誌「ラピタ」の付録が万年筆だったので、またまた買ってしまった。
万年筆なんてめったに使わないのに。

机まわりに気に入った文具がごろごろしてるのは、快適なもんです。
クリエイティブな発想が浮かんでくる気がする。
あくまで気がするだけど。