その4「ウエノ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/00/50299ae85af03a7faa561db3e05f57f7.jpg)
東北新幹線の発着駅「上野駅」は、「北の玄関口」と呼ばれた。
映画『ALWAYS三丁目の夕日』にも、集団就職を駅前で迎え入れる印象的なシーンがあった。
今回は、現在のウエノをカンコウする。
子供のころ、上野といえば、上野動物園がある場所だった。
土産に買ってもらった「動物カード」をよく眺めていたことを思い出す。
中高生のころは、社会見学で訪れる西郷像・アメ横がある場所だった。
このような名所以外にも、小さな寺社仏閣や旧蹟が上野公園内には点在しているのを知ったのは、ごく最近のことだ。
そしてもちろん、多くの美術館・博物館が密集する場所だ。
「上野は築き成されたる公園なり、陰気なる神の庭なり、貴族的なり」
斉藤緑雨は、上野の特徴をこのように記している。
緑雨には、上野と浅草の町の特徴を比較した断章があり、そのうちの上野についての部分をいくつか引いてみる。
「上野は樹木の公園也、茶を喫するの公園也」
「上野は目の公園也、眺望の公園也」
「上野は湿れる公園也、涙の公園也」
「上野は風流なり、死せる風流なり、古(いにしへ)を見るべし」
これらの特徴は、現在の上野にも当てはまるのではないだろうか。
どこか訪れる人々を包み込む歴史の湿り気を感じさせる場所。観光客も馴染みの客も、同じように受け入れる寛容さ。
上野の楽しみ方は、「ココに来たならコレとコレはチェックしとかなきゃ」なんてガイドブック的に歩くのではなく、「なんとなく目に付くものを見て歩いてたら半日経ってた」なんてそぞろ歩きにあるんじゃないか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/7c/8acda9ba13199e8fcba8e220adee08a8.jpg)
上野公園を抜けると、正面にデンと構えている東京国立博物館、ここは素晴らしい場所だ。
特に、私は常設展示をお勧めしたい。
特別展示目当てで行くと、それだけもボリュームがあるので、パスしてしまう人が多いが、もったいない。
常設展示は、日本の文化史の流れが大体つかめる構成になっている。
特に考古室は、土器、土偶、埴輪が所狭しと並んでおり、わくわくする。
この博物館は、建築自体も歴史的に格調高く、玄関や階段、ステンドグラスなど装飾の細部も見逃せない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/d9/1b2860652574a061f4f34ee6971d7b81.jpg)
緑雨じゃなくても、こう言いたくなる。
ウエノは、懐深き文化の貯蔵庫なり。
一度で全てを見通せると思う勿れ。
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東北新幹線の発着駅「上野駅」は、「北の玄関口」と呼ばれた。
映画『ALWAYS三丁目の夕日』にも、集団就職を駅前で迎え入れる印象的なシーンがあった。
今回は、現在のウエノをカンコウする。
子供のころ、上野といえば、上野動物園がある場所だった。
土産に買ってもらった「動物カード」をよく眺めていたことを思い出す。
中高生のころは、社会見学で訪れる西郷像・アメ横がある場所だった。
このような名所以外にも、小さな寺社仏閣や旧蹟が上野公園内には点在しているのを知ったのは、ごく最近のことだ。
そしてもちろん、多くの美術館・博物館が密集する場所だ。
「上野は築き成されたる公園なり、陰気なる神の庭なり、貴族的なり」
斉藤緑雨は、上野の特徴をこのように記している。
緑雨には、上野と浅草の町の特徴を比較した断章があり、そのうちの上野についての部分をいくつか引いてみる。
「上野は樹木の公園也、茶を喫するの公園也」
「上野は目の公園也、眺望の公園也」
「上野は湿れる公園也、涙の公園也」
「上野は風流なり、死せる風流なり、古(いにしへ)を見るべし」
これらの特徴は、現在の上野にも当てはまるのではないだろうか。
どこか訪れる人々を包み込む歴史の湿り気を感じさせる場所。観光客も馴染みの客も、同じように受け入れる寛容さ。
上野の楽しみ方は、「ココに来たならコレとコレはチェックしとかなきゃ」なんてガイドブック的に歩くのではなく、「なんとなく目に付くものを見て歩いてたら半日経ってた」なんてそぞろ歩きにあるんじゃないか。
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上野公園を抜けると、正面にデンと構えている東京国立博物館、ここは素晴らしい場所だ。
特に、私は常設展示をお勧めしたい。
特別展示目当てで行くと、それだけもボリュームがあるので、パスしてしまう人が多いが、もったいない。
常設展示は、日本の文化史の流れが大体つかめる構成になっている。
特に考古室は、土器、土偶、埴輪が所狭しと並んでおり、わくわくする。
この博物館は、建築自体も歴史的に格調高く、玄関や階段、ステンドグラスなど装飾の細部も見逃せない。
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緑雨じゃなくても、こう言いたくなる。
ウエノは、懐深き文化の貯蔵庫なり。
一度で全てを見通せると思う勿れ。