リンムーの眼 rinmu's eye

リンムーの眼、私の視点。

コーヒーのある物語

2006-04-30 | book
もしあなたがコーヒーを飲みながら、一冊の本と共に幸せな時間を過ごしたいと思うのなら、この漫画を読んだらいい。
山川直人『コーヒーもう一杯』。
タイトルどおりコーヒーにまつわるエピソードを綴った短編漫画集だ。
レトロな絵柄で描かれる、ささやかな日々のストーリー。
物語に何気なく使われるコーヒー・喫茶店の小道具が魅力的だ。
背景の細部まで描き込まれることによって、濃密な空気がコマの間に漂う。
この漫画最大の魅力は、“アミカケ”にある。
“アミカケ”とは、斜線を重ねることで陰影を作り出す表現技法。エッチングのような手法だ。
山川直人は、この“アミカケ”を幾重にも丁寧に描く。その効果によって得られる、人肌を感じさせるあたたかな画面が、コーヒーという題材とマッチしている。

コーヒーを時間をかけて淹れるのが好きな人は、きっと気に入るだろう。
是非“アミカケ”によって紡がれる、「コーヒーのある物語」を味わっていただきたい。

本日のビール&折り紙

2006-04-28 | food&drink
横浜東口の地下でギネス・ビールを飲んだ。同僚と仕事の近況・グチなどを肴に。
最近、無性に飲みたかった、ギネスうまい。
今夏はビア・ホールなど行きたいな。
閑話休題。
なんとなくオリガミで平面構成を作ってみる。
こんな感じになった。
手癖で並べた観があるな。
時にはこうゆう事をすると楽しい。
抽象的なモノは割りと好きだ。
CDジャケットやTシャツなど、デザインで手に取ってしまう事がよくある。


野毛大道芸見物記

2006-04-24 | Weblog
野毛大道芸を見に行く。
去年に続き二度目の参戦。

野毛は、動物園あり、寄席あり、飲み屋あり、の大衆娯楽の町である。みなとみらいが人工の造花だとしたら、野毛はさしずめ、しぶとい日陰の花といったところか。

東横線桜木町駅がなくなって人足が遠のいたと聞くが、このイベントは盛況のようだ。
あいにくの雨で昨年より人手がなかった。だが、その分どの演目も近くで見ることができた。
芸は生で見ると、やはり凄みがある。
特にパントマイムは動きだけで見物人を引きつける。まあ、客いじりの話芸も面白いのだが。

民謡歌手の伊藤多喜雄が出演していたのには驚いた。彼は「タキオのソーラン節」で紅白に出場した事のある人だ。
場外馬券場目的で来たであろうおっちゃんがノッているのが印象的だった。土着的なグルーヴを感じた。

野毛以外の、馬車道・吉田町・伊勢佐木モールなどでも同時多発的にパフォーマンスが行われており、町歩きをしながらお祭り気分を味わえた楽しい一日であった。

注)画像は外人二人組パフォーマーの「アメリカのポールとイギリスのポール」。
彼らはこの後、チェーンソーをジャグリングした。


推薦本

2006-04-22 | book
 高野秀行という冒険家がいます。
 幻の怪獣・ムヘンベを探しにコンガの奥地に行ってしまったりと、無茶なことに命を懸けている人です。
 本人は、世界の辺境を歩く“B級探検家”を自称しています。

 高野秀行の著作はどれも面白いです。
 「世界のシワに夢を見ろ!」(小学館)は、旅先での笑える、時に危険なエピソード満載です。
 また、在日外国人との交流を描いた「異国トーキョー漂流記」や、早稲田のボロ・アパートの貧乏生活の描いた「早稲田三畳青春記」などを読むと(共に集英社文庫)、日常生活も“非日常”に生きてしまう人なのだとわかります。
 彼にとっては、ジャングルも三畳一間も、“探検”に値する未知の世界なのでしょう。

 是非みなさんにオススメしたいのですが、通勤電車で読んだりすると、そのまま目的駅をすぎて“遠く”へ行きたくなってしまうので、危険です。
 休日にサクサク読んで、脳内“探検”するといいと思います。 

本日のコーヒー &スカイ

2006-04-21 | coffee
ダイヤモンド地下街の「Tricolore」。
暖かくなってきたので、早くもアイス・コーヒーを注文。

今日は、雲間からの青空がきれいだったな。
その後すぐ曇ってしまったけれど。


メディテーション

2006-04-20 | Weblog
夜、香を焚く。
一筋の煙がゆっくりと立ちのぼり、ローズ・アロマの香を広げていく。
煙は天井にたまり、ラジオからのミュージックとこんがらがって、やがて消えていく。
ローズの香、ラジオ。
嗅覚と聴覚がほぐされていく。
線香の燃えかすは、時折、折れて崩れ落ちる。
一日の終わり、眠りの水際を漂う時間。



ミュージックと飲料の関係

2006-04-19 | music
代々木でライブを観る。
友人が会場に絵を飾るというので、誘われたのだ。
音楽に聴き入りつつ、ビールを飲む。
ビールのジンジャーエール割りなんてものがあった。「シャンディガフ」という名のカクテル。飲んでみると妙な味だった。
やはり生演奏には生ビールだなと再認識した夜。


最近の読了本

2006-04-17 | book
坪内祐三『一九七二「はじまり」の「おわり」と「おわり」の「はじまり」』(文春文庫)
1972年に起こった事象を現在と往還しながら描くメモワール。
にっかつロマンポルノ~あさま山荘事件~日本語ロック論争など興味深い話題が数珠つなぎに語られ、引き込まれる。
そこに現在の視点を入れてくる所が独特で、回顧的な文章ではなく、時代認識の批評になっている。

町田康『権現の踊り子』(講談社文庫)
短編集。文体のネジ締めおよびモチーフの再点検という感じ。いい意味で「文章芸」を楽しんだ。
町田節、炸裂してます。

佐藤幹夫『村上春樹のとなりにはいつも三島由紀夫がいる。』(PHP新書)
春樹作品を、三島作品を参照に読み解く試み。
村上春樹は「日本文学から影響を受けてない。ペーパー・バックばかり読んでた」と公言するが、そんな事なかろうという挑戦的な文芸評論だ。
多少コジツケぽいところがあるけれど、『1978年のピンボール』『羊をめぐる冒険』の読解は、意外な指摘があり、面白いと思った。


レイニー・デイ、全身で撮る人

2006-04-11 | Weblog
東横線横浜駅構内で写真家・中平卓馬を見かけた。
彼は数少ない“全身写真家”の一人である。
雨の日でもカメラをかかえ、颯爽と歩いていた。迷いのない姿を頼もしいと思った。

数年前に横浜美術館で行われた展覧会は素晴らしいものだった。

新宿には森山大道がいるが、横浜には中平卓馬がいる。写真家に愛される、フォトジェニックな街って素敵じゃないか。

注)画像は横須賀線です