怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

油壺の思い出

2014年02月28日 | 家族
台所の棚の上に並ぶ重そうなつぼは、単なる装飾品ではないとは予想していた。

年に一度、棚から下ろして洗うのだが、そのときに義母が明かしてくれた。これらの容器は豚の油を保存していたものなのだそう。

ラップフィルムが被せてあるのは内部が埃で汚れないようにするため。そういう目的には日本のラップフィルムがとても役立つ。容器にぴったり張り付くものね。

マーガリンなどの人造油脂が普通に普及したのはここドイツでも戦後しばらくしてからだそうだ。
それまで調理に使われていた油は豚を絞めたときに取れるものだけだったとか。豚や鶏などの家畜飼育は、貧しい家庭だとできなかったらしい。
「近所の人が『油を貸してください』ってよく来たものだ」と子供の頃の様子を思い出して話す義母。
今でこそ、ふんだんに、いや過剰なほど油脂まみれの料理を毎日毎回の食事に摂取しているドイツ人にそんな時代があったなんてにわかには信じがたい。
また、豚脂で作るパンケーキ(膨張剤を入れない平べったいもの)はとてもおいしかったそう。そう言いながら義母は「動物油より植物油のほうが健康的」と考え、ラードやバターより人造の怪しい油脂を好んで使う。
この集落にセントラルヒーティングが一般家庭に普及し始めたのは1960年代になってからだ。それまでは一つの家屋に暖房してある部屋は一部屋だけが多かったそう。娘時代の義母の寝室の壁は石造りだった。冬はその室内の壁に氷が張っていたそうだ。そうした過酷な生活の当時は、豚脂を摂取したところで、すぐに体温維持のエネルギーになっていたのだろう。
おいしい豚脂を我慢して怪しい油を使ったパンケーキを食べるのは、暖房設備の整った快適な屋内環境の代償だろうな。
この油壺は100年前くらいの品だそう。今も使っていないが、これからも使われる可能性はまったくなく、こうして飾って昔の貧しい生活を思い出させてくれるのだろう。って、その実体験を思い出すことができるのは義母だけなのだけれど!


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ここ数年義母が使っている油はアブラヤシが原料のもの。常温で固体なのよね・・・たぶん、私の胃腸にはとても負担が大きいと思う。時々「この油をあまり使わないでください」と懇願すると「これは身体にとってもいいんですよ」と強烈に切り返される。
遠くマレーシア(たぶん!)で育ったアブラヤシがここで義母に気に入られている。










週末義務

2014年01月24日 | 家族
「今日はダンプフヌーデルを作る」と義母が言うので、あわてておにぎりを作った。
ダンプフヌーデルンについての詳しい過去記事はこちら ダンプフヌーデルン対抗
 
夫(義母の息子)が家にいる週末には、彼の好物を食べさせようという配慮だ。私は満足に食べられないので食後にこっそり食い足すおにぎりを作っておくことにしたのさ。
上写真右はダンプフヌーデルン製造途中。
パセリスープ。
やたら塩辛くて量が少ない。私は米飯を投入して食べた。
スープの後にはすぐデザート。(我家的にはメインディッシュ

カスタードソースとイチゴソースを添えて食べる。これが菓子でないのはどうして?
私の皿。
たった一個で終わり。義両親たちも1、2個で済ませている。鍋ごと平らげる息子のために遠慮しているのさ~。おい、息子、もっと稼げるようになれよぉ~。食べるものまで節制しているような気分になる食卓さ。
私は食後、秘かにおにぎりを自室で頬張ったのは報告するまでもないだろう

さて、最近の週末は家庭行事に参加しなくてはならない。
「Onedin-Linie」
という1970年代に義両親たちが好んで見たという英国製テレビドラマ鑑賞に付き合うのだ。
    クリックで拡大。
夫が義両親のために贈ったクリスマスプレゼントだ。なぜか、週末の午後16時ごろから2時間くらい一緒に観ることになってしまった。日本にはあまりない怖ろしく長い連続ドラマは欧州ではかなり普通にあるようで、途中で俳優が老衰で亡くなったりすることもあるそう。
私には内容がほとんどわからない。連続ドラマだが、一話づつ完結するのでその前のストーリを把握できていなくても次を理解する可能性がある。極簡単な内容だと理解することも可能・・・。しかし、私にとっては娯楽ではなく、家族の団欒を演出する協力をしているのみだ。その場にいることに意義を見出し、参加している。

菓子昼食とわからないテレビ鑑賞。最近の週末の私の仕事はこれだ。

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こうした私の家庭での様子を友人に話すと「なぜ一緒に過ごさなくてはならないのか」とわたしが責められる。(泳ぎに行こう、という誘いを断るために話したのだけれど)
完全同居な私たちの状況をなかなか理解できない普通の人々には家族一緒に何か同じことをして結束を強める、という発想に至らないのだろう。
フェミニズムに多少なりとも影響されている昨今の女性たちは私の行動をおしん的(このおしん、も世界のどこでも通じる言葉でねぇ)に捉え、否定する傾向にあるぞ。ああ、どうにでも言ってくれ~




義母はすでに三年前に諦めていた。

2014年01月20日 | 家族
これは三年前に撮影されたもの。鍋のセットだ。
義母が私たち夫婦のために贈るつもりだったのだがいつまでたっても家を出て行かないので、義姉に引き取ってもらうことになった当日に私は写真を撮った。「さよなら~、別居の夢~」とはまだ思わなかったが、かなりがっかりしたのは事実だ。
義母はすでに三年前にこの同居が当分続くことを覚悟したのだろうな。私は去年の年末ごろだったからな。三年の差は大きいな。

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いやー、鍋など、また買ってもらいばいいよねー。自分で買ってもいいじゃあないか!万が一、別居になっても鍋の心配などしなくていいさ。だから別居の夢は頭のすみにちょっと置いておいてもいいかしら、いや、基本は同居勤務状態を楽しむのが目標・・・ああ、複雑な心境。

永遠の中坊

2013年11月07日 | 家族
ひと月ほど前から夫の仕事部屋のドアには張り紙がされている。
  
くなくなの読みづらい文字なのでちゃんと読む気になれなかったが言いたいことはこうだろう。
「無断立ち入り禁止」
義母がこの部屋のあまりの乱雑ぶりに我慢ができず手を加えてしまったのだろう。バカだねー
私など、気づかれないようそうっとはたき(日本から持参)や掃除機をかけて、少なくとも埃は最小限に抑えるようにしている。
下手に整理整頓などしたらハーゼ(夫)の機嫌が悪くなるのは、すでに彼が子供の頃からの習性で知っていたのでは?
まったく、この張り紙、中学生並みだよなぁ。親と口を利きたくないものだからこうやって訴えると。
家ではほとんど両親と会話しない彼、私ともふだんは「メシ・フロ・ネル」くらいの日本語しか使わないし。
(正確に言うと、メシという単語を夫は知らないだろう。「何食べる?」「う~ん、今日はピザかな」程度。フロは入らないので「シャワーする」という短い会話。ネルは私の方が先に就寝することが多いので彼の口からは「もう寝るの?」と尋ねられること多し)
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息子が会話をしてくれないから義両親は余計にヨメに当たるのかもしれないぞ。
ううう、よくしゃべる男は趣味じゃあないが、こういうときには後悔するぞ・・・・

海の上の献立表

2013年08月08日 | 家族
義父が船員として働いていた頃のもの。献立表だ。
少々解説。一番上のMesseは食堂という意味。この場合、第二食堂なのかな。
TANNENFELSは勤務していた船の名前らしい。その下は場所、曜日、日付、となる。
あー。なんだか面倒くさくなってしまった。
もし、献立表の内容で知りたいことがあればコメントしてください。
























結婚してからは義母の反対で船員を辞めたのだそう。辞めたすぐ後に、乗っていた船が沈没してかつての仲間の大半が亡くなったのだとか。うっわー。
ウチの食事よりバラエティがあっていい。義父は結婚してからの食卓に満足なのかな?




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映画「海の上のピアニスト」は好きな映画だ。しばしば私は「船上のピアニスト」って間違えてしまうのだが。
そういえば映画「戦場のピアニスト」はまあまあ。これはやっぱり原作の迫力には負ける。







鍛えられていく私

2013年01月11日 | 家族
少々体調不良が続くので、義両親に半身浴を提案したところあっさり許可された。
では、入浴剤にも凝ってみよう、ということでたまたま目にしたスーパーの広告を指差して「これが欲しい」と言ったところ、反対された。
「ウチにある」って。もらい物の「死海の塩」だそう。まったく、いつ貰ったものなのか本当に恐ろしい。
その品は車庫にしまってあって、義父がすぐに出してきた。

うわ~、古臭い。容器の下のほう5センチくらいはすでに液化しているような・・・・
もちろん義両親たちの理論によると塩は腐らない、だから古いことをちっとも気にしていない。
私も彼らの感覚にだんだん慣らされていて「ま、塩だから大丈夫」と喜んだ。
なんてったって、3キロもあるし。何回半身浴できるかな。

さて、義父のお得意の演説が始まった。
まず、説明書を読むのは彼のやり方だ。新車が来たときも夫からGPSやデジカメを贈られたときも、まずは説明書を熟読する義父だ。
死海の塩、もちゃんと説明を読まなくてはならないらしい。
「バスタブいっぱいの38度くらいのお湯に300グラム使用のこと」
私はこの情報だけでたくさんだったが、義父は長々と読み上げ続けた。
お湯に浸かるという習慣のあまりないドイツ人だ。入浴の危険性についていろいろ書かれてあるらしい。
あまりにも話が長く続くのと「りすは若者ではないからお湯に入るのは気をつけなくてはいけない」という一言にブチ切れた私っ。
「ドイツ人と違って、私たち日本人は入浴の危険性について熟知していますっ」
いつもより語調を強く言ったせいか、義父も負けずに反論してきた。
興奮していて彼が何を言ったのか忘れたが、その直後に義父は他の部屋へ行ってしまった。
あ、まずいかな、っとちょっと思ったが、ここはドイツとドイツ人。
2時間後の食事には、義父は何事もなかった、という風に普通に接してきた。

日本だったら後を引くことが多いので大変だ。ドイツ生活の数少ないいいところのひとつに人間関係がラク、というところがある。
義両親たちも大声で議論していることがあるが、基本的にえらく仲良し夫婦だ。
ちなみに私たち夫婦は、まったくいい争いをしたりしない。いや、しないように私が気を回している。

ってことで、わたしは義両親に鍛えられつつある。いつも言われっぱなしじゃあ気分が悪い。
どんな屁理屈でも反論したほうがいい場合があると学びつつある。
ああ、こうして嫌な性格の長期外国在住日本女が作り上げられていくのか、とか自分で自分を嘆いている。
そうじゃあないと、この義両親と生活していけないんだぞ~って、思いっきり言い訳さっ。






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義姉からのクリスマスプレゼント

2012年12月26日 | 家族
義姉からプレゼントをもらうことはめったにないのだが、今年はあった。
これ。

彼女が書いた小説。
二人の子供のシングルマザーの彼女。仕事は自宅でもできるジャーナリストらしいが、それにしてもそんな時間があるのかい?
「仕事で書いたのですか、趣味ですか?」と思わず尋ねてしまった。
どうも、趣味で書いたらしい。自分の子供たちの名前が出てくるので、普段の生活を書いたのか??
「出版してくれる出版社を探しています」だって。
それって、日本の自費出版と似たようなものか?今年の長期休暇は子供と三人でトルコに行ってきたくらいだから私たち夫婦より経済力があるとはいえ、金出してまで私小説のようなものを作る必要性があるのかい?
などと一瞬思考した私。
いや、ベストセラーになって印税生活を目指しているのかも、子供かわいさに記録に残すために書いたのかも、とか冷静なって考えてみた。

タイトルの「Kratzbürste」を辞書で引いてみると・・・偏屈者・あまのじゃく・強情っぱり・反抗的な少女・・・って、ろくな意味が並んでいないぞ。
早速読んでみることにしよう。長編小説をドイツ語で読んだことがない私、果たして読みきれるかどうか不明だが。

万一、出版されることになったりしたら私のブログで宣伝することにしよう。
義姉よ、目指せ、印税生活~





小さな幸せ

2012年12月24日 | 家族
今年の義母が作ったシュトーレンは例年よりおいしい。
この大きさの塊を2つ作って、一つはこうしてタッパーに入れ台所に置いておくのだ。
台所に来るたびに薄く切った一切れを持っていく。こうした行儀の悪い食べ方が一番おいしい。
シュトーレンはおいしい今年のクリスマス、ということで小さな幸せを感じる一瞬さ。
ああ、過酷なドイツのクリスマスにこうして喜びを見つける私の努力、素晴らしいじゃあないか、
ああ、自画自賛~

プリンターをめぐる人間関係

2012年08月22日 | 家族
義父は去年のクリスマスに息子から新しいプリンターを贈られてそれを使っているのだが、プリンターを持っていない私に「使っていいからな」と声をかけていた。
彼のプリンターは彼の書斎にあるので、そこへ行かなくてはいけない。
ネットからの印刷など、コンピュータを使うためには義父のコンピューターを開けなくてはいけない。
家族とはいえ、他人のコンピューターを使うのは気を遣う。夫は自分以外に自分のコンピュータを操作させないし。
神経遣って印刷をしようとは思わないので、ずっと印刷をすることを避けていた。
また、義父と一緒にPC作業をすること自体も神経を遣う。新しい物事に積極的に挑戦する意欲は素晴らしいとは思うのだが、何せ、作業の一つ一つが遅い。
PC操作など、ドイツ語力がなくても出てくる画面が何を指示しているか予想して読めてしまうので、どうしても私が義父にイライラしてしまう。
また、義父のプライドを傷つけないよう、下手に彼を指導したりしないよう黙って待つこともしばしばだ。
そうだ、そこをクリックだっ、それ、そこそこ・・・!!と心の中でじたばたする。
また、コピーだけ頼んでも義父は原稿をまっすぐに置く観念がないのか、斜めに印刷されたりしてがっかりすることほぼ90パーセント。
「わたしがやりますっ」と言いたいのだけど、「ちゃんと必要な部分は入っているだろう?」と言われると「は、はい・・・」と引き下がってしまう私。

不自由していた私を哀れに思ったのか、夫は私にプリンターを買ってくれた。
ただでさえ物が増えてひどい状態のりす部屋がますます狭くなるので「要らない」と言っていたのだけど。

届いたその日、義父はそれを見てひどく機嫌が悪かった。
「一家に3台もプリンターなんて!りすは私のを使えばいいんだっ」
返品させられそうな勢いだったので、このプリンターは寝室の隅に隠しておくこととなった。

使うときは、寝室から箱を引きずってりす部屋まで運び、箱から出す。PCと電源をつなぐ。
義父が留守のとき、あるいは階下や外にいるときを狙って、だ。
操作時の音は結構聞こえるものだし。
作業が終わると、再び箱に入れてずるずると引きずって寝室へ・・・

まったく、同居はいろいろなところで神経をすり減らさなくてはいけない。
いったい、いつまで隠して遣わなくてはいけないのか、プリンター・・・・・




へとへとだ、留守番っ

2012年08月20日 | 家族
義両親たちが旅行に出かけたその日の昼食は早速魚を料理した。サバの味噌煮。

サバをさばいて煮る作業、いったい、何年ぶりだろう~。
頭部をどのように処分するか、ちょっとわくわくした。近所の黒猫がウチによく来るのだが、そいつにやるか、あるいはコンポスターに置いておくか。
結局、普通の生ゴミと一緒にコンポスターに目立つように捨てた。黒猫が見つけて食べるといいな、と思ったのだが、やってきたのは何と、ネズミ。小さくてかわいらしいのが生ゴミの中でめったにないご馳走に嬉しそうにしていた。

りんごが実る季節だ。夫にはりんごケーキを焼いた。ドイツのワイルドなケーキ、絶対学ばないぞ、と秘かに誓っていたのだが、ついに作ることとなってしまった。


水遣りはかなりの重労働だ。このジョウロは10リットルの水が入る。義母は両手に持ってすたすたと歩くのだが、私には無理だ。庭の数箇所に雨水を貯めてあって、そこにジョウロを突っ込んで水を入れる。

ここには蚊がうようよしている。水面にはくねくねとうごめくものが・・・ボウフラだっ。
ボウフラ、ボウフラ、うっほー!
と、叫びながらジョウロを突っ込んで水を満たしたっ。
蚊がワンワンと私の周りを飛び交った。このとき、思ったぞ「お義母さん、早く帰ってきてぇ~」

こちらは蓋がある。以前、この中でリスが水死していたからだ。「リスが水を飲みに来て落ちるから、ちゃんと蓋を閉めてね」と義母。うわわわわ~

芝生にはホースで水をやることもある・・・・
今年植えたりんご(たぶん)。なんだかしおれかかっているのが怖かった。義両親がいない間に枯れたらどうしよう・・・

野いちごはできたばかりの頃は摘んで食べるのが楽しみだったが、しばらくすると飽きる。これは誰にも食べられずに残った残骸。

野菜畑。右のきゅうりは義母がいない間に全部枯れてしまった・・・義母が出かける直前は三分の一が病気でやられていて、いなくなったとたんに全部ダメになった・・・

家の中の植物は「水をやらなくてよろしい」。下手にやりすぎると枯れるからなぁ・・・
私はその水遣りの加減がわからず、これまでの人生で大量の植物をだめにしてきた。
階下の居間のソファ。
義両親が占有している部屋はクッションひとつの置き方も気合が入っている。
うかつに座ると、私はこのように真ん中を上手くへこませることができない。階下で大暴れ、の予定だったが止めておいた。

自由を満喫することはできたが、普段やりつけない家事でくたびれ果ててしまった。
夫が在宅で仕事をしていたり、予定外の来客があったりで食事の支度も大変だった。(その来客は「すしを食べたい」と急に要望したので大慌てで巻き寿司をこしらえた)
一人で家を掃除したのだが、どの程度手を抜いたらいいのかわからず、結局うろうろするばかりであまりきれいにならなかった。
ちなみに、夫はほぼ全く家事をしない。
体重計が故障したので詳細がわからないのだが、いつもの家着ジーンズがぶかぶかになってしまったから、かなり痩せてしまったと思う。
朝夕の水遣りは、ついに両手にジョウロを持って数十メートルを歩き回るようになった。ほぼ自分の体重の半分を持ち歩くことができるようになったのだ。
生涯作るつもりのなかったドイツケーキも学んでしまったし・・・
ああ、こうやってドイツ化していくのだろうか、私。行く末を案じてしまう留守番経験となった。







夢のお留守番

2012年08月13日 | 家族
義両親が明日から週末まで東欧を旅行する。
彼らが揃って家を長期(一週間にも満たないのだが)に空けるのは、私にとって初めての出来事だ。
う れ し い

義母はわたしに家の仕事をいろいろ細かく指示した。一番の難関は野菜や草木の水遣りだ。
彼女が帰ってきたときには庭全滅、ということにならないよう、明日からじゃんじゃん雨が降って欲しいと私は願った。
義父はコンピューターで日程表の作成や、去年の息子からの贈り物GPSの操作練習に余念が無い。
ずいぶん昔にもらったというデジカメを出してあれこれ私と電池や操作方法に悩んでいたら、それを見ていた夫が電気屋にひとっ走りして新しいデジカメを買ってきた。
私と同じフジフィルムの製品。
高齢者に新しいデジカメの操作が今日中に把握できるか不安だけど、一通りの簡単な操作を義父に教えた。

さあ、明日からりす天国

ちゃんと魚料理三昧の用意もした。風呂は毎日入ろう。りす部屋よりあたたかいサンルームで過ごそう。大音量で音楽を聴こう。それから・・・それから・・・それから・・・・うほほほほほほほほほほほほほほ~




上手に付き合う

2012年04月17日 | 家族
義父の発言には時々困ることがある。
「ドイツにいるのだからドイツの食事にしなくてはならない」
「20歳の頃食べていたものは年をとったら変えなければならない」
特に、食べることに関してのテーマは私には腹立たしく感じてしまうものだ。

ドイツはすでに多民族国家である。
頭巾姿のイスラム教徒の女性たちをそこいらじゅうで見ているはずの義父。
私がイスラムの知識がないと思ったのか、彼らの宗教で定められている食習慣をよく説明する。
ドイツの食事をしていない人々が大勢いるのは義父も当然知っているわけだ。
私がしぶしぶ義母の料理を食べていること、最近では私だけの和食メニューを一人で食べているのを快く思っていないのだろう。

義両親たちも、以前はたんぱく質信仰があったらしく、現在より多量の肉を摂取していたらしい。
朝食にハムやソーセージを添えていたとか。今はたっぷりの生野菜と果物を食べている。
私が比較的質素に米飯と質素なご飯のお供で済ませているのをこれまた快く思っていないのか。
私にも同じようなものを食べて欲しいのだろうなぁ。

先日、早朝に米を買いに行って帰ってきたら、また絡んできた。
「米に違いがあるのか?それは・・・」
彼が話し始めるとだらだらとしつこく長い。
義母はそうした自分の配偶者の性質をよく理解していて、私が面倒がっているのを一目で見抜いて、
私に用事を言いつけてその場から逃してくれた。

義父は私の行動が気に入らないのではなく、私に構って欲しいのだ。
ここに来た当初から「ドイツ語上達のためには学校などより私たちと話すのが一番だ」としつこく言われ続けている。
が、いざその気になって話しをしようとしても、義父は一人で演説するだけで私に発言する機会をほとんど与えない。
挙句の果てには「りすは全然話さない、もっと話しなさい」と言うのだからどうしようもない。
高齢者だけに限らないのだが、一般的に言うと高齢になるほど人の話を聴かずに自分だけしゃべり続ける人が多いように感じる。

だが、義父に「ドイツにはすでにたくさんの外国人が住んでいてそれぞれの食文化で毎日食べている」とか「和食は高齢になるほど日本人の身体にあっている」とか「日本人は米の微妙な味の差がわかる」とか「あなたは私に話せ、と言うがあなたばかり話し続けてちっとも私のことを聴かない」などと反論するのは義父に反省を促すどころか傷つけることにもなるだろう。
「そうですか、はいはい」
と受け流してその場をやり過ごすのがいい様子だ。
義母も何気にそうしている私を観察してほっとしているようだ。



右は故障した脱水機。左はいよいよ出番が来たと思われた予備の脱水機。
ところが・・・・
義父は何度も故障している脱水機を修理して復活させてしまった。
左の予備は再びどこかへしまわれてしまった。
ここで私が義父を盛大に褒め称えれば、私に絡んでくることは無くなるかもしれない。なんとなく彼は私にないがしろにされていると感じているのかもしれない。
人の存在価値を認める言動は大事である。
日頃あまり義父を構わない自分を反省。(ってやっぱり面倒なんだけどだって、話題が合わないし、昔話を何回も聞くのも退屈だし)












まっすぐに干したい

2012年04月01日 | 家族
義母は結婚前に花嫁学校のようなところに行っていたらしい。
全寮制で、尼僧が指導した、というのだから、現在の少女たちの生活の様子を観察いている限りでは想像もつかない生活が昔は普通にあったものだ。
小説や映画にはありそうだな、うわわわ・・・

私は実家の生活ではハンカチをこのように干していた。
これは実際に帰省時の実家で撮影。
義母はハンカチ類をこのように干す。

後ろに見えるのはシーツ、まっすぐに干す
数枚をまとめて一箇所の角を洗濯ばさみでとめるのだ。
これは、アイロンをかけるときに非常に苦労する。斜めに固まったハンカチを再び正方形に戻す労力が必要だからだ。
義母は「どうしてこうするのがいいのかわからないが、こうやって習ったからずっとこうしている」
と言っている。
どう見ても合理的ではないのだが、ずっと習慣付けてきたので止められない様子だ。仕方なく、私も彼女の方法に従っているのだが。
もしかして、干し場所の節約か?大量にまとめて洗濯をする習慣は昔は普通にあったのだろうか。
この写真でわかるが、秋から春先にかけての洗濯物は地下室に干す。
薄暗いこの部屋で、2.3日かけてじわじわと乾かすのだぞ、こちらに来た頃は気持ち悪かったが、恐ろしいことにそういった感覚は次第になくなっていった・・・・

食事のあと、義母は使った皿を重ねて運ぶ。
これでは汚れる必要がない裏面が汚れてしまうのではないか、と思うのだが、義母はそれも長年の習慣でやめられないらしい。
ごくたまに、義父が「重ねないほうがいいのでは」と提案するのだが、彼女がそんな意見に同意するわけがないっ。
多くの家庭で持っている食器洗い機はウチには存在しない。辛抱強く皿の両面を私は洗い続けるしかない・・・

その花嫁学校のほかの卒業生は、いまでも彼女のようにやっているのだろうか。
それにしても義母の時代は主婦としての仕事が認められていた時代だったのだなあ、と時代の変化を目の当たりにする。
女子も現金を稼ぐのがいい人生という価値観が植えつけられてすでに長い。義母の娘も家事より現金を稼ぐほうに熱心である。









義父の誕生日

2011年08月19日 | 家族
今日は義父の誕生日。


わたし達夫婦から彼への贈り物はGPSだ。
たいして外出もしない義父にこの贈り物はふさわしくないと思うのだけど、
毎年、書籍ばかりなので、たまにはこういうものもいいのだろうか。
万年経済難のわたし達夫婦にこんな出費が許されるのだろうかね、義父も「こんなの買うのだったら光熱費(家賃・食費・そのたもろもろ)払え!」とか言いたいのじゃあないかい、などとぐるぐる私の頭の中に巡っていた。

新しい機械物を手に入れると「まずは説明書を熟読」という義父、ネットでダウンロードしたブ厚い紙束を私に得意げに見せながら「死ぬまで勉強だぁ~」といつもの通り私のドイツ語力の無さを遠まわしに言いたげだった。

ま、たいした病気や怪我もなく、この一年を過ごしてきた義父、これからも健康には注意して欲しいものだ。

用意された二種類のケーキ。
奥に見えるのはスポンジ台。完成品の撮影は忘れてしまった。
毎週のように食べるケーキ、また、使用される砂糖の量、一度に食べるケーキの量も日本の平均の倍以上に感じる。
特別な機会には更に倍量を食べるのか・・・



食料小部屋にももう一台、スポンジが・・・明日来る義姉一家分かな。
奥に見えるのはわたしが作った夫用「蒸しパン」。脂肪分が極端に低いこのケーキを夫は喜んで食べるのだぁ。
義母ケーキを彼はめったに食べない。悔しいか?義母!!


ぼちぼちりんごの収穫時期。
木から落ちたものを拾っている。普段、スーパーなどで買ったりんごはそのままでも大丈夫だが、自家製りんごはネットをかぶせておかないと、ショウジョウバエのような虫がたかる。
収穫時期から約1年保存させて販売する技術によって、年中りんごを買うことができるいまの生活は便利だけど、
虫も敬遠するのだからどんな薬剤を使っているのかと思うと、ぞっとする。
でも、食べるけどね。かじったら、にょろりと虫が現れる心配もないし・・・








まともな味覚

2009年03月25日 | 家族
昨日は三週間ぶりに衣類の洗濯をした。
家事を仕切るのは義母であるので、この「三週間ぶり」に私の衛生観念を疑わないで欲しい。
私は毎日でも洗濯したい、現代日本生活に慣れ親しんできたものであ~る。

三週間分の洗濯物は当然多い。
わかりきっているのに、義母は
「今日はやたら洗濯物が多いわね」
ぶつぶつ不平を言っている。
全自動洗濯機は全部で3,4回、回さなくてはならない。
(これがまた、1回が物凄く時間かかるシステムなのだ!絶対日本の忙しい生活に合わないこちらの全自動洗濯機!)
セーターなどはうちは手洗いするので、洗濯機と同時進行で義母と私がたらいで洗濯物と格闘する。
午前中は洗濯に時間をとられ、昼食は簡単なものとなった。
「りす、パスタを茹でておいてください」


ソースの準備まで言い渡されなかったので、不安に思っていたら、案の定・・・


先週、もらった瓶入りりんごソースと、自家製いちごソースだ。
残念なことに、これらは当然甘い。
パスタにジャムを添えて食べるのだ。デザートではない。
これは立派な1品料理のようである。

まったく、洗濯を貯めるとこういった手抜き料理。
ちゃんと塩味のものを準備するために洗濯はまめにして欲しいものだ。
とぐるぐる頭の中で義母への不満がつのる。
わたしだけ、醤油和えにしたい、と言い出したいのを我慢。


ところで・・・
意外なことだが、ドイツにはごく普通にこの写真のような緑茶のティーバッグが売られている。
緑茶は健康にいい、とでも読んだのか、義父母は好んで買っているようだ。
が、その飲み方は普通の日本人にはマネ不能である。
お湯で緑茶を作ったあと、りんごジュースで割るのだ。
「緑茶は苦いから」
と義母は説明した。
ドイツ人は苦味に美味さを感じないのかあぁぁぁっ!!
と一瞬イラついたものだ。


さて、これは夫が大好きなケーキである。
作り方はこちら「だんな用特別ケーキ」

以前のものより進化して、半分はココア入り、もう半分はシナモン味となった。
開発者の夫はうれしそうに一度に二味のお得を楽しんでいる。
開発者の指揮の下、製造するのはりす。

このケーキ、相変わらず砂糖抜き。
甘くないケーキのどこにうまみを感じるのか、私は理解不能。

まったく、この家の者たちの味覚についていけない。
まともなのはわたしだけぇ~!!
と、秘かに自分を褒め称え、過酷なドイツ生活に気合を入れている