里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

世界初の“燃える氷”産出試験

2011年02月21日 | 経済
2月20日の朝日新聞に、“燃える氷”の記事が載っていた。
『経産省は今年末に、東海沖から熊野灘にかけての沖合い50~60km・深さ約1,000m
 の海底から数百mの掘削をして、世界初メタンハイドレート産出試験を行う』
『メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンと水が結晶化した氷状の物質で、
 寒冷地域の永久凍土層や深海の海底下の地中に存在するが、産出試験を行う一帯に
 は日本の天然ガス消費量の13.5年分が眠っており、2018年の商業生産につなげる』
というものだ。

メタンガスといえば川や沼の粘土の中から出て来るガスだが、和名を“沼気”と呼ぶと
は知らなかった。 
そのまんまの名前だが、今では生ゴミや豚などの糞を用い、メタン菌の働きで生成した
メタンを家庭用の燃料として使っている人もいるそうだ。

しかし、メタンは同量の二酸化炭素の21倍の温室効果をもたらすとされる、強力な温室
効果ガスなのだそうで、草食動物のげっぷや糞から発生するメタンガスが温室効果を助
長するとして問題にされた事もあったと言う。

地下資源の少ない我が国にとって、メタンハイドレートを燃料として利用するのは大いに
結構な事だが、昨年のメキシコ湾原油流出事故のように大量に漏洩する事の無いように、
くれぐれも気をつけて貰いたいものだ。
そうでなくても二酸化炭素の排出量削減で苦労をしていると言うのに、これ以上の問題を
起こすのはかなわない!

メタン、和名は沼気(しょうき)〕…Wikipedia から引用
天然ガスから得られるほか、工業的には一酸化炭素と水素を反応させる事で大量に
生産されている。 自然界で発生するメタンの殆どはメタン菌により合成されている。
常温・常圧で無色、無臭の気体。 人に対する毒性はない。
融点は −183 ℃、沸点は −162 ℃。空気に対する比重は 0.555。

メタンハイドレート〕…Wikipedia から引用
メタンが海底下で大量に保存されている原因については、無機起源説と生物起源説に
大別されるが、メタンハイドレートを構成するメタンの炭素同位体比は比較的小さい値
である(13Cが少ない)事から、堆積物中で有機物の分解によって生じる生物起源のも
のを主としていると考えられている。

メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている固体結晶。
低温かつ高圧の条件下で、水分子は立体の網状構造を作り、内部の隙間にメタン分子
が入り込み氷状の結晶になっている。
(分子式) 
 
日本に於ける埋蔵量は、1996年の時点で、天然ガス換算で7.35兆立方メートル
(日本で消費される天然ガスの約96年分)と推計されており、石油や石炭に比べ燃焼時
の二酸化炭素排出量がおよそ半分である為、地球温暖化対策としても有効な新エネル
ギー源であるとされる。

天然ガス〕…Wikipedia から引用
一般的には、天然に産する化石燃料である炭化水素ガスの事を指す。
地質時代にかけて堆積した動植物などの死骸が地中に堆積し、長い年月をかけて地圧・
地熱などにより変成されて出来たもので、液化したものは液化天然ガスLNG)と呼ばれ
るが、産地によって組成が異なる。
産   地
メタン
エタン
プロパン
ブタン
ペンタン
窒素
ケナイ (アラスカ)
99.81
0.07
0.12
ルムート(ブルネイ)
89.83
5.89
2.92
1.30
0.04
0.02
ダ  ス(アブダビ)
82.07
15.86
1.86
0.13
0.05