里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

原発の緊急事態!

2011年03月15日 | 天変地異
福島第1原子力発電所で稼働中の原子炉が、制御棒を挿入して連鎖核分裂反応の緊
急停止は出来たものの、電源を失った為に緊急に原子炉を冷却する事が出来なくなり、
1~3号機共に海水を注入して必死に冷却しているそうだ。

その理由は、
・余熱が残っている上に、核分裂で生じた放射性同位元素の崩壊熱による温度上昇も
 加わるので冷却水が気化し、燃料棒が露出してその部分が高温になる事によって、
・圧力容器の温度が上がって内圧が高まり圧力容器が破壊されたり、
・或いは、熔融した被覆菅や核燃料が圧力容器の底に落下して溜まり、圧力容器の熔
 融やひいては格納容器の熔融を起こし、やがて環境に深刻な放射線障害を与えるか
 らだそうだ。

ところが、1・3号機は途中で、水素爆発で建屋の壁を吹き飛ばす事故を起こしながらも、
どうやら安定的に海水を注入出来ているらしいのに、2号機は今朝6時過ぎに爆発が起
き、最後の望みの綱の格納容器が一部破損してしまったらしい!

2号機は、冷却途中で2度にわたり燃料棒が全部露出するなど、圧力容器へ海水を注入
する作業は非常に難航し、朝8時頃の段階ではどうやら燃料棒4mの内の2.7mが露出
するところまで回復しているらしい。

最後のよりどころの格納容器が当てにならない以上、何とか圧力容器の中で、安定だと言
われる100℃以下まで冷却して欲しい!
福島原発の皆さんは、2度にわたる水素爆発や、何時起きるか分らない大事故に怯えな
がらも、懸命な手探りの難しい仕事に明け暮れている。
今は気の毒だとは思うが、全部の原発を安定な状態に持ち込めるように、彼等の決死の
努力に期待するしかない!

沸騰水型軽水炉の仕組み〕…Wikipedia から引用


緊急炉心冷却装置〕…自然エネルギー庁「原子力2010」から引用


緊急炉心冷却装置〕…Wikipedia から引用

低圧注水系
圧力制御プールのプール水や外部給水経路の水を低圧モードで、
炉心シュラウド(燃料集合体や制御棒を取り囲むステンレス鋼製の円筒)外側に注水
する。 残留熱除去系の一部となる。
所内電源非常用ディーゼル発電機バックアップを含む交流モーターポンプで駆動さ
れる。

高圧炉心注水系
初期水源は復水貯蔵槽から、その後、最終水源には圧力制御プールからの水を高圧
モードで炉心上部のノズルからシュラウド内側の燃料集合体に向けて注水する。
所内電源非常用ディーゼル発電機バックアップを含む交流モーターポンプで駆動さ
れる。

原子炉隔離時冷却系
主蒸気隔離弁が作動され原子炉が隔離・閉鎖された場合に、初期水源は復水貯蔵槽か
ら、その後、最終水源には圧力制御プールからの水を炉心シュラウド外側に注水する。
所内電源と非常用ディーゼル発電機による電力のすべてが失われた事態を考慮して、
炉心の崩壊熱による蒸気を使用したタービンによってポンプは駆動される。
常に待機状態に置かれ、非常時には30秒で定格回転速度に達する必要があり、暖機
運転がなく湿度の高い蒸気にも対応するなど、厳しい条件での運転が求められるため、
特殊なタービンが使用される。

自動減圧系
主に主蒸気管に接続されている複数の蒸気逃がし弁によって構成され、原子炉水位低と
ドライウェル圧力高が同時に起きた時、例えば30秒後に自動的に作動するようになって
いる。
作動すると、蒸気逃がし弁より出た炉心冷却水の蒸気は圧力抑制プールへと導かれ、
原子炉圧力容器内の圧力を下げる。