里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

トチカガミ(鼈鏡)、スイレン

2010年07月20日 | 庭の山野草
ガガブタに続いてトチカガミが咲き始めた。
径が1~1.5cmの小さな花で、3枚の花弁の下に白い小さなガク片が3枚あり、雌花には
柱頭の外側に退化した雄しべ(→)がある。
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一方、雄花には中心に3本の退化した柱頭とその周りに9本の雄しべがある。

水中で茎を伸ばして5~20cmおきに根や葉を出すというが、成る程数珠繋ぎに“分家”
が出来ている。 小さな小川等は水面が見えなくなる程の繁殖力だそうだが、納得した!

先日、「咲いてくれない」と悪口を言ったのが聞こえたのか、何年も咲かなかった黄花種
のスイレンも咲いた! もっと濃色だと思ったのに、意外にも淡黄色だった?

トチカガミ、鼈鏡(トチカガミ科トチカガミ属)
本州以西で、池や沼、水田の用水路などに自生する多年生の浮葉植物。
水中で茎を伸ばし、5~20cmおきに根や葉を出す。 
葉は約4~7cmほどの円形で長い柄があり、裏面に空気が入った細胞があって膨らみ
水面に浮かぶ。
花期は8~10月で、径が1~1.5cmの白い3枚の花弁と、小さな3枚のガク片をつける。
雌雄異株で、雌花には二又に分かれた柱頭とその外側に退化した雄しべがあり、雄花
には中心に3本の退化した柱頭とその周りに9本の雄しべがある。
〔名前の由来〕
葉の形をスッポン(鼈)の鏡と見立てて“鼈鏡”と名づけられた。


オリエンタル・リリーの害虫

2010年07月19日 | 園芸種
畑へ植えておいたオリエンタル・リリーが、虫に食われて無残な姿になっていた。
5月末に道の駅で買って帰り畑へ下ろしておいたのだが、花芽を食べられてしまったり、
花芽に大穴を明けられたりして、見る影もない。

かろうじて残っていた2種類も、今日見ると跡形もない!
ビビアナソルボンヌ

花芽を食べた犯人は花に群がっていた小さな甲虫らしいが、株元から齧った究極の犯人
が別に居た! この犯人、ねぐらに持って帰って玄関へ無造作に活けているが、花器と
いい活け方といい、全くセンスがない!



思春期(?)のトサキン

2010年07月18日 | 動 物
近所に金魚を飼っている愛好家が居て、以前に“トサキン”と“イズモナンキン”を貰
ったのだが、今はトサキンが残っているだけだ。

このトサキン、孵化して1年間はフナのように黒っぽい色をしているが、2年目に入る
頃になると、一気に赤と白のまだら模様に変身する。
 
いま正に変身の最中で、人間で言えばニキビ盛りの思春期といったところだが、近所の
愛好家はこの時期迄にミジンコを飼っておいて与えたり、池や田で掬って来て与えるら
しい。 ところが、我が家ではメダカの餌で誤魔化しているので生存率はかなり低い!

それでも何とか生き延びた“つわもの”が居る。 
上のチビ達の兄貴分だが、虐待をしているにもかかわらず、セッセとボウフラ退治をし
てくれるお陰で水草の花を楽しむ事が出来る。 申し訳ない!

昨日梅雨明けし、いよいよ暑い夏がやって来た。  
今、県北の山へ登っても山野草は少ないし、それに暑い! 横着者はクーラーの効いた
部屋から出て行くのが億劫だ。 金魚達が羨ましい!

トサキン、土佐金
江戸時代より飼育されて来た高知県の天然記念物で、琉金の突然変異とする説や琉金と
ランチュウとの交配だとする説がある。
体型は琉金似で、色は赤又は赤と白のまだらが多く、尾びれは大きくて両端が反転して
いるのが特徴。


ガガブタ(鏡蓋)

2010年07月17日 | 庭の山野草
トチカガミ(鼈鏡)を植えた鉢へ5月末にガガブタを1株植えたところ、両方とも鉢
一面に繁ってしまった。 大きな心臓形の葉がガガブタだ。 

〔上段:トチカガミだけの時(5月末)→現在〕
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心臓形がガガブタ、円形はトチカガミ葉の直ぐ下から芽や根が出ている

よく見ると1輪だけ花が咲いている。
同属のアサザと同様に一日花で、葉の下には蕾が沢山ついていて次々に咲き、その間に
環境が変わっても確実に子孫を残そうという作戦だ。
それにしてもこの毛深さは何なのだろう? どうもよく分らない!

ミツガシワ科の花、上段:ガガブタ(アサザ属)〕
アサザ(アサザ属)ミツガシワ(ミツガシワ属)

ガガブタ、鏡蓋(ミツガシワ科、アサザ属)、別名:金銀蓮花
本州以西の湖沼やため池に自生する多年生の水草。
地下茎から長い葉柄のような茎を伸ばし、先端に直径10~20cmの卵心形の葉をつける
が、実際の茎は葉の少し下までで、そこには根や新たな芽が出る部分がある。
花期は7~9月で、直径1.5cmの白色の5枚の花弁は細かく裂けて、細長い毛が生えた
ように見える。
〔名前の由来〕
葉の形を鏡の蓋に見立てて“カガミフタ”としたのが、訛って“ガガブタ”となった。


ヒロハトンボソウ(広葉蜻蛉草)

2010年07月16日 | 庭の山野草
ヤフオクで買った花のおまけで北海道からやって来た、ヒロハトンボソウがようやく咲
き始めた。 私の地方には、同じツレサギソウ属のオオバノトンボソウなら沢山あるが、
このヒロハトンボソウは初見参だ。

東京山草会の「ふやして楽しむ野生ラン」という本には、
『オオバノトンボソウは身近にあるランなのに、どうした事か栽培が極端に難しく、
 衰弱死してしまう』
『ツレサギソウ属には多くの種類があるが、いずれも栽培出来ないと考えた方が無難』
と書いてある。

オオバノトンボソウは、尾根の乾燥した場所や薄暗い林内等どんな環境の場所にも生え
ていて、如何にも順応力がありそうな感じがするのだが、それでも栽培が難しいと言う。
そうなると、このヒロハトンボソウは葉がずっと柔らかいし、しかも北海道育ちなので
果たして育つかどうか心許ない。 どうなる事やら先行きの見通しは暗い!
ヒロハトンボソウオオバノトンボソウ
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花、正面→横顔花→正面下から覗くと

ツレサギソウ属
オオバノトンボソウ(ノヤマトンボ)、コバノトンボソウ、ジンバイソウ、ツレサギソウ、
トンボソウ、ミズチドリ、ヒロハトンボソウなど。

ヒロハトンボソウ、広葉蜻蛉草(ラン科、ツレサギソウ属)
本州中部以北で、林内や林縁に生えるラン科の多年草。 草丈は40~60cm。
茎の下の方に、長さが10~20cmで広楕円の葉を2~3枚つける。
花期は6~7月で、黄緑色の花を穂状につける。
〔名前の由来〕
葉が広くてトンボソウに似ている事から“広葉蜻蛉草”と名づけられた。

オオバノトンボソウ、大葉の蜻蛉草(ラン科、ツレサギソウ属)、別名:ノヤマトンボ
本州以西で丘陵地の林内に自生するラン科の多年草。 草丈は30~60cm。
茎には稜があり翼があるように見える。 
葉は下の方に、長さ7~12cmで長楕円の葉が2~3枚、その上に小さな葉をつける。
花期は6~7月で、黄緑色の小さな花を10数個穂状につける。 
〔名前の由来〕
葉が大きくて花がトンボの形に似ている事から“大葉の蜻蛉草”と名づけられた。


キキョウ科の花達

2010年07月15日 | 庭の山野草
今、ソバナが満開だ。 全部ササユリ山へ移した筈なのに未だ残っていたらしい。
ササユリ山では確実に繁殖しているので、今年の2月に買ったシデシャジンと一緒に山
へ移す積りだ。 
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ソバナの花→拡大シデシャジンの花→拡大
ソバナの葉シデシャジンの葉

他には、キキョウ科ホタルブクロ属の園芸種が2種類咲いている。 
青花ホタルブクロとして買ったものともう一つは貰ったものだが、調べて見るとどうやら
前者がカンパニュラ・サラストロで、後者がカンパニュラ・ケントベルらしい?
どちらも舌を噛みそうな名前で、花は自生種に比べて大きく、色も濃い。
カンパニュラ・サラストロカンパニュラ・ケントベル
サラストロの葉ケントベルの葉
ホタルブクロ(自生種)ホタルブクロ(自生種)

もちろんキキョウも咲き続けている。 
しかし、これだけは誰に聞いても園芸種か自生種か分らないらしく、教えてくれない! 



雨の中で咲くユウスゲ

2010年07月14日 | 庭の山野草
日曜日以来、連日降り続けた雨で川の水位がかなり上昇した。 
幸いにも、土砂降りの雨が連続して降らなかったので、今のところ大した事はないが、
昭和47年の集中豪雨の時には氾濫寸前まで増水し、早朝から地区民が総出で対策に
走り回った事もあった。

普段の水量は全く少ないのに一旦増水したとなると、落差のある部分で水が轟々と音を
立てて流れ落ちるのに加え、大きな石がゴロゴロ流れ落ちる音や、流木があちこちにぶ
つかる音がして、何時堤防が決壊するか恐ろしくなってくる。
 
もっと恐ろしいのは昭和47年の時の様に氾濫寸前まで増水した時で、それまで轟々と
音を立てて流れていた水が、落差がなくなるものだから音がしなくなるのだ。
こうなると氾濫は時間の問題で、一旦氾濫してしまうと、そうでなくても堤防が決壊する
恐れがるのに、氾濫した水が今度は堤防の後ろ側からも決壊させるので処置無しにな
ってしまう。 もう雨は充分だ。 梅雨よ早く明けてくれ!

〔今日の水位→一昨年の9月の渇水期〕
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こんな雨の中でもユウスゲやヘメロカリスが咲いているが、花粉を媒介する役目の昆虫
達もさぞ困っているだろう。

あのスイレンでさえ、葉を傘にして「早く止んでくれ」と言っているように見える!



閉鎖花

2010年07月13日 | 山野草
キツリフネとミヤマカタバミが相変わらず次々に閉鎖花をつけては、開花しないままで
実が大きく育っている。

普通の開放花をつける一方で何故閉鎖花をつけるのか、様々な理由が挙げられているが
良く分らないらしい。 しかし、種の保存をする為の術である事には違いは無く、その巧み
さには感心させられる!

〔閉鎖花に稔った実〕
キツリフネの実ミヤマカタバミの実
アオイスミレの実(5/3 撮影)フタリシズカ、開放花の実と閉鎖花(6/17)

〔閉鎖花をつける植物〕
 ・地上につける種類
  スミレの仲間、センボンヤリ、ツリフネソウ、フタリシズカ、ホトケノザ、
  ミヤマカタバミなど
 ・地中につける植物 
  ミゾソバ、ヤブマメなど

〔閉鎖花をつける理由〕
 ・夏場は周りの草に覆われて、日が当たらなくなる上に昆虫も近づく事が難しくなる
  ので、開花しないまま自家受粉をするようになった。
 ・開放花をつけて他の花と媒介する事により多様な遺伝子を持った子孫を残す一方で、
  閉鎖花をつける事により自身と同じ遺伝子も残す。
 ・土中の栄養が少なかったり株が老化した場合、開放花をつけるとエネルギーを消耗
  するので、先ず閉鎖花をつけて確実に子孫を残す。 


参院選

2010年07月12日 | 政 治
鳩山内閣が、政治と金の問題でグラつき始め、裏づけのない予算や普天間基地問題等
で行き詰り、あとを継いだ菅内閣も、余りにも正直に消費税アップを口にするものだから
選挙前から急に支持率が下がり、選挙で負けてしまった!

今迄の自公政権と違って、無駄を無くし、お金の使い方を物から人に変え、沖縄の負担
を軽減しようと努力した事については大いに評価されるべきで、方向性は間違っていな
かったと思うのだが、国民は主に消費税アップに反対して性急に判断を下したようだ。

政権を担当した経験のない民主党にもう少し時間を与えても良いと思うのだが、国民は
事もあろうに昨今の経済の行き詰まり状態をつくり出した自民党を選んでしまった。
このままでは、自民党は嵩にかかって衆院での逆転を図って政府を追い詰めていく事に
のみ熱心になるだろう!

本来ならば、この行き詰った状況を乗り越える為に挙国一致政権をつくって欲しいところ
だが、また党利党略が優先する不毛の議論を聞かされそうで今から心配でならない。

ア~ァ、何時になったら老後を楽しむ事の出来る時代がやって来るのだろう? 山野草
を見て楽しむという、ほんの細やかなものなのだが…!?

〔庭で咲いているナデシコの仲間〕
エンビセンノウオグラセンノウ
カワラナデシコガンピ



ナツフジ(夏藤)

2010年07月11日 | 花 木
町内の公園の柵に絡まっている藤の花、以前から気になっていたので調べてみたら、
どうやら“ナツフジ”らしい?
フジにくらべて樹高が低いのに花穂は逆に随分長く、花は淡黄白色でかなり地味だ。

面白いのはツルの巻き方で、根元から上に向かって反時計回りに巻いているのだが、
これを左巻きと書いてあるものや右巻きと書いてあるものがありややこしい!

昔の基準に従えば、ツルの先端が右に旋回しているので“右巻き”となるわけだが、
最近の大勢は、右ネジの螺旋のように傾きが右肩上がりのものを“右巻き”と呼ぶよ
うになったので、この基準に従えば“左巻き”というわけだ。 
ややこしい書き方は止めて欲しいものだ!

〔画像2枚ずつ〕
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ナツフジ、夏藤(マメ科、ナツフジ属)、別名:土用藤
東海地方以西で、山道の脇や低木林に自生する落葉ツル性の木本。  高さ2~3m。
葉は互生で、小葉9~15枚からなる奇数羽状複葉。
花期は7~8月で、葉腋から長さ20cmくらいの花穂が伸び、淡黄白色の蝶形花を多数
つける。