新田次郎の小説”芙蓉の人”
明治28年の冬、気象学者”野中到”と”その妻千代子”が気象観測の為
史上初めて冬季の富士山頂に長期滞在した事実を基に描かれた作品。
冬の富士山は過酷を極める。死と隣り合わせの作業。
「夫はひとりでは生きて帰れないであろう」と直感した千代子は周囲の
反対を懸命にかわし夫のもとに。
結果的に千代子なくして、なしえなかった連続観測を実現し夫妻は生きて下山する。
新田次郎氏は「千代子の事を調べれば調べるほど彼女の偉大さが肉薄してきた」と。
「野中千代子は明治の女の代表であった。新しい日本を背負って立つ健気な女性であった」
封建社会の殻を破って”日本女性ここにあり”とのその存在を世界に示した最初の女性なのでしょう。
この夏、テレビでも番組がスタ-トしました。
”芙蓉の人”から伝わるメッセ-ジに心を傾けてみましょう。