新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 ハエ、羽アリ

2019-06-25 20:51:48 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第38弾


6月21日にマンションの廊下を歩いて見つけた虫の続きです。今日はハエと羽アリです。





最初はユスリカの♀です。この2匹は共に以前調べたことがあるフチグロユスリカに似ている感じです。でも、ユスリカは♂を採集しないと種まではなかなか分かりません。



こちらは翅に紋があるので、たぶん、ヤモンユスリカ♀だと思います。







この3枚は別の個体ですが、いずれも♂の有翅アリです。でも、写真だけでは名前までは分かりません。♂有翅アリは「日本産アリ類画像データベース」に属までの検索表が載っていますが、そこから先はよく分かりません。



これはオオハリアリの♂有翅アリです。



そして、これはノミバエ科です。中脛節に刺があるので、たぶん、ノミバエ亜科だと思われます。



最後はオドリバエの仲間です。オドリバエについては、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」という三枝豊平氏の科研費の報告書(この題目で検索するとpdfがダウンロードできます)を見ると詳しい説明と検索表が載っています。この写真を使っても検索ができ、Hilara属Hilara亜属らしいことが分かります。Hilaraはミナモオドリバエ属のことです。特徴的なのはR4脈という脈がR5脈から大きな角度で分岐した後、R5脈とほぼ平行に翅縁まで伸びているところです。「日本昆虫目録第8巻」によると、この亜属には23種記録されていて、そのうち13種が近畿地方にいそうなのですが、大きな亜属なので種まではまだまだ先が長いです。この属については「原色昆虫大図鑑III」や「日本産水生昆虫第二版」にも詳しい説明が載っていますが、Hilara亜属についてはコシアキ型大型種だけの検索表が載っています。この写真の種は小形なのでそれ以外なのでしょう。

ヒメカミキリ属

2019-06-24 20:40:26 | 虫を調べる
21日にマンションの廊下で見つけたカミキリがいます。



こんなカミキリです。以前、似たようなカミキリを見たことがあるので、たぶん、ヒメカミキリ属 Ceresiumではないかと思っています。ただ、この属にもいろいろと似た種がいるので、この写真をもとにして少し検索を試みてみました。検索表には「日本産カミキリムシ」(東海大学出版会、2007)に載っている絵解き検索表を用いました。日本産のヒメカミキリ属には8種記録されていますが、このうち、本州産はヒゲナガ longicorne、チャイロの亜種ニホンチャイロ simile flavapubescens、ヨコヤマ holophaeum、テツイロ sinicumの4種です。そこで、この4種に限った検索表を作ってみました。

①a 前胸背板は中央前方に1対の光沢のある小隆起がある;上翅は極めて密に点刻される ヒゲナガヒメカミキリ longicorne
①b 前胸背板は中央前方に小隆起がない;上翅はむしろ粗く点刻される
 ②a 前胸背板は虫食い状に点刻される ニホンチャイロヒメカミキリ simile flavapubescens
 ②b 前胸背板は明瞭に点刻される
  ③a 体は太く短い。特に前胸背板は幅と同長で、側縁は中央付近で隆起する ヨコヤマヒメカミキリ holophaeum
  ③b 体は長くむしろ細い。前胸背板は多少とも幅より長く、側縁は一様ににほぼ弧状 テツイロヒメカミキリ sinicum

この検索表を用いて調べていきます。まず、前胸背板に小隆起はないので、①aのヒゲナガはすぐに除外できます。



②は前胸背板が虫食い状に点刻されるか、明瞭に点刻されるかですが、実はニホンチャイロについては以前調べたことがありました。その時の前胸背板の写真を載せておきます。確かに、明瞭な点刻は見えなくて、何だかはっきりしない模様がついています。これを虫食い状というのでしょう。



それと比較すると今回の個体には明瞭な点刻があります。それで、②bを選びます。最後の③は微妙ですが、前胸背板の幅と長さを測ってみると、ほぼ等しくなりました。側縁の隆起ははっきりしないのですが、毛の向きが変化している場所で側縁が若干隆起しているようにも見えます(矢印)。それで、③aのヨコヤマヒメカミキリが候補に挙がりました。



各論を読むと、ヨコヤマヒメカミキリの触角は♂で第10~11節基部付近で上翅を越し、♀では長い場合でも第11節後半で越す程度と書かれているので調べてみました。写真からは第11節後半で越しているようなので、これは♀なのかもしれません。一方、③bのテツイロヒメカミキリの場合は、♂で第10節、♀で第9節となっているので大きく違っています。やはりヨコヤマヒメカミキリでよいのでしょう。ただ、本土域では稀と書かれていました。

廊下のむし探検 蛾

2019-06-23 20:21:24 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第37弾


6月21日にマンションの廊下で見つけた虫の続きです。



最初はプライヤハマキ。綺麗ですね。



これはハグルマエダシャク



これはたぶん、ギンバネヒメシャク



マンションの廊下の端が外と通じているところがあるのですが、そこで見つけました。ウスキコヤガです。



これからは望遠で撮ったものです。最初はヨツボシホソバ♂。



ちょっとピンボケになってしまいました。カシノシマメイガです。



これはアシブトチズモンアオシャク



うーむ。こんな大きな毛虫もいました。マイマイガですね。



最後もピンボケ。アカエグリバです。

廊下のむし探検 甲虫

2019-06-21 21:06:08 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第36弾


ネタ切れになったので、今日の午前中、急きょ、「廊下のむし探検」に行ってみました。さすがに6月ですね。虫がいっぱいです。とりあえず、甲虫だけ名前を調べてみました。まだ、はっきり分からないのもあるのですが、一応、出しておきます。





最初はこのカミキリです。この日は2匹いました。「原色日本甲虫図鑑IV」の図版を見て見つけました。おそらく、シラオビゴマフケシカミキリだと思います。「廊下のむし探検」初めてみたいです。



次はヒメジョウカイモドキの仲間だとは思うのですが、そこから先がよく分かりません。



これはキボシツツハムシ。結構、うまく撮れました。



これがまだよく分かりません。ヒメカミキリの仲間 Ceresiumだとは思うのですが・・・。



これはホソクビアリモドキ。これまで、5-6月と9-10月に見ています。





これは今までアオカミキリモドキだとしていたのですが、次の写真の個体と比べると、脛節と跗節が黒っぽいので、ひょっとして別種かもと疑い始めました。



そして、たぶん、こちらがアオカミキリモドキ



これはガロアケシカミキリ。これまで6月下旬に2回ほど見ています。



これはたぶん、コメツキダマシ科のFornaxの仲間だと思います。

家の近くのむし探検 公園の虫

2019-06-20 20:25:54 | 家の近くのむし探検
家の近くのむし探検 第18弾


昨日の続きで、6月17日に家の近くで見た虫たちです。



まず最初はササグモです。



これはヒメクダマキモドキの幼虫かな。



次はたぶん、ホソヒメヒラタアブ♀。



ヒメジョオンに頭を突っ込んでいるのはヒメマルカツオブシムシ





この2匹。前翅前縁基部が赤くないので、たぶん、ベニモンアオリンガ







これはミナミヒメヒラタアブ♀かな。



それにセマダラコガネ



最後はサクラサルハムシとアオバネサルハムシで迷ってしまいました。でも、前胸背板が前方に向かって直線的に細くなっているので、たぶん、アオバネサルハムシの方かなと思いました。