RSM MBA Life

オランダロッテルダムにあるRSM Erasmus UniversityのMBA Programに通う学生達の日記。

1年間のRSM MBAを終えて

2017-12-20 09:56:40 | MBA18全般
RSMをご検討中の方、卒業生の皆様、またはランダムに立ち寄られた方、こんにちはMasaです!

小雪がちらつきひしひしと冷えるロッテルダム市内で、先日、激動の1年間を締めくくる盛大なパーティが開催されました。これを以てRSMでのMBAは修了となり、これから約100名の生徒達はそれぞれの道を進んでいきます。欧州に残るメンバー、自国に帰るメンバー、他の国にいくメンバーなど、その道は様々です。

最後のパーティは、厳しい時間を共にした仲間だけが共有できる思い出や感謝の言葉、そして笑顔や涙にあふれていました。そして生徒による学内投票で選ばれる各種アワードにて、もう一人の日本人であるTakeさんはなんと二部門にノミネートされ、うち一つを獲得。そして僕もRSM Superstar Awardという名誉ある賞の四名のうち一人にノミネートしてもらうことができました。日本人としてグローバルの多種多様なメンバーに囲まれても十分やっていけるという自信と誇りにつながる最後となりました。


さて少し前に戻り、その盛大なパーティを控え皆がどことなくそわそわしていたMBA最後の数日。この時期は、今までの学業は落ち着き、それぞれの人生について思慮を廻らす時期となります。そのタイミングで最後に学校から用意されたプログラムは、自身の将来の自己実現のために、今の自己を通して自分のあるべき将来を考え、そこから今の自分を変革していく、という”自己変革"セッションとなりました。

各種自己啓発セッションのうち、一番印象に残っているのは、”Near-death-experience”という非常に深くそして重い、自分の人生を見つめ直すきっかけになる瞑想体験から始まりました。この体験、簡単に言うと

"今日、癌で余命一年を宣告された。明日から、誰と、どこで、何を、するか。
そして死を迎える最後の数分、ベッドの上で残された力を振り絞り、誰に、何を、伝えたいか。"

を深い瞑想状態で考えるものです。

その体験を通し、人生における自分の幸せの源は何か、その源を生み出すためには、何を実現しなければいけないのか、そしてそのために、今始めること、そして同時に止めることは何かを考えます。

故Steve Jobs氏の2005年のHarvardスピーチや、Harvard MBAのShawn Achor教授によって、幸福論という単語が一気に世界に広まりましたが、自分の人生と幸せを知らずして、会社や社会、そして周囲の人の幸福を実現できるわけがない、というところからきています。


RSMのMBAの強さは何か?一般的に言われるところであれば、グローバルで認知度が非常に高いこと、一年で終わる、学費がまだ比較的安いこと、社外グローバル企業とのプロジェクトがいくつも用意されている、など色々とあります。個人的には、このRSMのMBAプログラムを特別なものにするもう一つの重要な要素は、”これから人としてどう生きていきたいか”、それを考えて行動するきっかけを作ってくれる機会が潤沢に用意されていること、かと思っています。この”自己変革”こそが、まさにこれから一生、自分の一部として生きていく"学び"だからです。


来年より僕は欧州にて、某グローバル企業の経営企画でM&A等を含む事業企画に携わらせていただけることとなりました。並行して、今年3月に自ら開設したRSM Family(RSM MBAの学生の家族を支援する会)の活動と、アジア人RSM学生向けのキャリアアドバイスを通し、少しでも人様の助けになれるよう、頻繁にRSMに戻ってくる予定です。

これからは、ここロッテルダムでの学びを最大限活かすため、RSMの卒業生としての誇りを持ち、自分が本当にやりたいことを常に考え、生きて行きたいと思っています。

最後に、この一年、卒業生の皆さま、そして何より日本人二人で苦楽を共にし、悩めるときに支えてくれた唯一無二の最高のバディー、Takeさんに心から感謝し、僕からの投稿の締めとさせていただきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

青木優和

地の利を活かして

2017-12-02 18:59:18 | MBA18全般
皆さん、こんにちは。Takeです。ご無沙汰しております。
Masaさんのほうで授業やプログラムについて記載してもらったので、
僕のほうからはそれ以外のことについて個人的体験を基にお伝えしたいと思います。

RSMはオランダにあるので、やはりなんといっても時間を見つけて
近隣諸国に旅行をしまくるというのもプライベートの時間を充実させるうえで
重要なポイントなのかなと思います!!
国によって文化はもちろんのこと交通機関などの細かな部分一つとっても
多種多様でいろいろな刺激を受けられるのも自身の価値観やビジネス感覚を
養う上でも有益ではないかなと思います。

さて、この一年間ですが土日を利用したり、長期休暇、学校のイベント等で様々な
国に行くことができました。それを時系列で振り返りたいと思います。

<12月>
プログラムスタート前にベルギーのブラッセルに行きました。
タリスというオランダからベルギーを通ってフランスまでつながっている国際電車なのですが、
車内にはFree Wifiも完備されており快適な旅をすることができます。BrusselsまではRotterdamから
およそ一時間程度でついたと思います(あいまいですが、、、)
このときはオランダの洗礼を受けました。
時間通りに電車が来ない・・・。真冬の吹きさらしのホームで2時間程電車が遅延するという
日本では考えられない経験をすることができました。
Brusselsについてはオランダと全くカラーの異なる国でご飯もおいしく楽しむことができました。

<Term1>
Term1終了後にはおよそ10日前後のオフ期間があったので、スイスのチューリッヒとスペインのマドリッドに行ってきました。
なんといってもスイスは物価の高さに驚かされました。タクシーに乗るとあれよあれよという間にメーターが上昇し、
心臓の鼓動が高鳴りましたw
マドリッドはスイスに比べ物価が低く、なんといってもスペイン料理が最高においしく感動しました。またマドリッドから車で一時間くらいのトレドという街は非常にきれいで気候もよく、最高に楽しむことができました。
宿もMBAでともに学ぶ同級生の実家に泊めてもらい、現地の暮らしも体験することができました。
これもMBAの一つの強みかなと思います。

<Term2>
4月にIESE SpringチャレンジというIESEが主催するMBAスクール対抗の運動会がありました。これはバルセロナで2日間行われ、ビーチスポーツと体育館、陸上競技と別れています。僕が出場したビーチフットボールでは優勝することができ、これをネタに夜の懇親会でほかの学校の生徒たちと仲良くなれました。これは次に記載するMBATでも会う仲間たちとなりますw
5月にはMBATと呼ばれる欧州のMBAスクール対抗運動会がHECで行われます。この大会は3日間か4日間で約20校近くが出場し、夜には交流を深めるパーティーが毎日開かれるので、ほかのスクールの日本人学生をはじめ、
様々な人と出会うことができます。僕はサッカーに出場したので、対戦した相手と交流することができ、翌日には応援しあうというような学生ならではの経験ができましたw

また連休を利用しベルギーのブルージュを訪れました。この町は小さい街ではあるものの、街並み全体が非常に美しく、時の流れもゆったりとしていてリラックスするには最高の町でした。ベルギーという国のなかでも個人的にはレストランの値段が高かったように感じました。

Term2終了後には5日ほどのオフがあったため、ロンドンに行きました。ここでは様々な人との出会いがあり、観光というよりパブでビール片手に冗談を言い合うという過ごし方をした気がしますw

<Term3、LMP終了後>
ここからStudy tripまでおよそ一か月ほどの休暇が与えられます。この期間にはフランスのパリから始まり、ニース、カンヌ、マルセイユ、ポルトガルのカスカイス、イタリアのローマ、ナポリ、カプリ島、ポシタノ、アマルフィを回り、ブルガリアのブタペスト、ギリシャのアテネ、ミコノス島、トルコのイスタンブールをめぐりました。詳細は割愛させていただきますが、働いている間にはここまでの長期休暇を取ることはできないので、非常にいい経験になりました。
Study Tripはカナダのトロントを選択していたので、この旅行の後すぐに飛行機に乗ってトロントに向かいました。
いい経験ではありましたが、飛行機にもう乗りたくないと思うほど疲れましたw

<Term4>
このTermは選択授業となるので、自分である程度自由に時間を決めることができます。
授業がない期間を利用して、僕はスペインのバルセロナとマドリッドに再度訪問しました。
スペインは本当に食べ物がおいしく、オランダではなかなか食べることのできない美食をひたすら食らいましたw

最後になりましたが、現在このブログは南アフリカから書いています。
南アフリカにはたくさんの自然と最高のビーチがたくさんあり、毎日がリフレッシュできるいい期間となっています。
残りわずかなMBAライフですが、限界まで楽しみたいと思います。本当は写真もUPしたかったのですが、ネット環境が悪く断念しました。
とりとめのない文章になってしまいましたが、ご愛読ありがとうございました。

Take



Living Management Program - 最強のチームって?

2017-11-30 22:52:20 | MBA18全般
RSMをご検討中の方、卒業生の皆様、またはランダムに立ち寄られた方、こんにちはMasaです!

先日投稿したTerm2の振り返りに続き、今回はTerm3の振り返りです。

このタームは普通のMasterや他のMBAとは異なる、"MBAらしい"と呼べるコースが含まれています。それが"Living Management Program"。結論から先に言うと、MBAの中で一番楽しく、学びが多く、そして自信を得ることができたプログラムでした。コースの内容を端的に言うと、"オランダにオフィスを構えるGoogleやAdidas、Philipsなどグローバル企業が、コンサルフィーを払ってRSMのMBA候補生に3週間でソリューション提案させる"というものです。

挑戦課題は担当企業により異なりますが、事業戦略の立案から、M&Aの対象企業の発掘、企業内文化課題の解決策検討、など様々。元マッキンゼーのコンサルによるサポートを得ながら、チームで担当企業の事業や市場分析からスタートし、課された課題についての仮説提案を立案し、顧客にぶつけ軌道修正、そしてさらに顧客にぶつけて軌道修正を繰り返すというザ・ソリューション提案の形で進めていきます。

相手も少なからずお金を払っているので、要求してくるレベルは本気です。メンバーにかかるストレスも小さくなく、中にはメンバー間の衝突から崩壊するチームも出てきます。

そんな環境で重要だった点があります。それはストレスや時間的制約などのネガティブな力に屈せずに、チームの方向性を見失わず、メンバーの前向きさとモチベーションを維持していかにパフォーマンス(提案品質)を最大化するかという点。これ、日本人だけのチームで仕事をするとあまり考えないのですが(汗)、多種多様なメンバーのチームマネジメントとなると、如実に成果に差が出てくる鍵となってきます。

リーダーシップやチームマネジメントには好きな言葉が色々ありますが、今回はGoogle等でも良く言われる以下を強く実感した三週間でした。

"In a great team, EVERYONE is a leader"

最強のリーダー1人に引っ張られるチームはもちろん強いものです。でもメンバーそれぞれが自分がリーダーだと責任を持ち、発言し、行動し、上を目指し、そして他のメンバーを助け、勇気付け、影響を与える、これが全員でできるのがやはり最強のチーム/組織だなと再認識することが出来たプログラムでした。

グローバル環境でそんな強いチームを作れるようになるよう、これからも日々鍛錬していきたいと思っています。

なお肝心の提案結果ですが、、最終的には担当顧客から優秀提案チームに選ばれることができました。また、来年もプログラムへの参加を決めたと、その場でうれしい言葉をいただき、ターム3が無事終了しました!

今回もつたない長文を、最後まで読んでいただきありがとうございました!

RSMのMBAで本当に学ぶもの

2017-10-31 08:07:13 | MBA18全般
RSMをご検討中の方、卒業生の皆様、またはランダムに立ち寄られた方、こんにちはMasaです!

しばらく時間が空いてしまいましたが、better late than neverの精神で、3月から6月の間に詰め込まれた密度の濃いTerm2の振り返りと、ここまでの思いをお伝えしたいと思います。

このタームの内容を端的に表すと、「長い、しんどい、眠い、もう早く終わって」です。

というのは冗談で、このタームは前タームと同じく、MBAの基盤知識をとにかく短期間で詰め込みつつ、そして一層グループワーク中心で学び、議論し(時にはぶつかり合い)、とにかくどんどんアウトプットを出していくという、非常に有意義な三ヶ月でした。

まず、科目としては以下の6つ。
Accounting・・・Theグローバル会計基礎の短期間集中プログラム
Business Economics・・・マクロミクロ経済学おさらいからスタートし、最後は担当国の経済予測を立てる
Human Resource Management・・・軽視されがちなHRがいかにCompetitive advantageを生み出す源となりうるかを学ぶ
Marketing Management・・・シュミレーション中心。Salesや製品開発/投入戦略等、広い視野と判断力、バランス感覚を学ぶ
Operations Management・・・生産から事業戦略や運営まで、オペレーション改革がいかに企業の生存に重要かを学ぶコース
Strategic Management・・・とにかく現場で使える戦略分析・立案ツールを使い倒してマスターするコース

ほぼすべての科目が4ECT、つまり授業、予習復習、課題対応などで最低112時間以上かかることが想定されているコースとなっており、この三ヶ月間は今まで同様、体力を要する期間となりました。そして何より、Term1より一層チームでの活動が多いため、いかに多国籍メンバーから成るチームで効率的にベストパフォーマンスを発揮し、そしてそれを維持できるかが試されたチャレンジングな三ヶ月でした。


ここで話は少し逸れますが、僕は2016年12月に、好きだった会社を辞め、数百万円の個人投資判断としてこのRSM MBAを選択しました。他のクラスメートと同じく、金銭面以外にも、Mid-careerでの貴重な一年間という時間や、日本での安定した生活、妻と子供への大きな負担、そして年老いていく親/義親や友人との関係等など、多くの対価を払っています。

そんな一年間、学術的知識の習得や、テストやレポートの成績より何より重要視していることが一つだけあります。それは自分の思考や行動に一生の変化を与える学びを、一つでも多く得るということです。

その意味でこのTermは、自分の判断が正しかったと思う瞬間を節々で感じた特別な期間となりました。

正直、このTermで暗記した知識の大半はすでに忘れています。ただし、国籍、人種、キャリア、思考回路が全く異なるメンバーから成るチームのパフォーマンスマネジメントを通じ、"日本人"や"大企業"のレッテルを自分から外して世界標準の中で生きていくためには何が必要か、本気で考え、将来を見渡すことができました。

そしてその時間を通し、今まで見えていなかった自分の内面と素直に向き合い、悩み、葛藤し、そして最後には33年間で凝り固まっていた自分の"思考"、"言葉"、"行動"を実際に変えることができた、非常に貴重な期間となりました。


MBAを取ったからと言って、さくっと給料が上がったり、事業が成長したり、起業に成功できる確約チケットを取れる訳では全くありません。でも一つだけ確かなのは、RSMのような質の良いMBAという人生ツールの一つを使うことで、背伸びをして外の世界を見渡し、そして自分の内側に語りかけることで、自分を良い方向に変えることだけは必ずできる、ことかなと感じています。

The only thing you can REALLY change is yourself

つたない長文を、最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回は、RSMのMBAプログラムで一番有名なLiving Management Projectについてを綴ります!!