RSM MBA Life

オランダロッテルダムにあるRSM Erasmus UniversityのMBA Programに通う学生達の日記。

Term3-Living Management

2016-08-20 10:58:37 | MBA17全般
Term3では、アドバンスコースに加えての他にLiving Management Consulting Projectという授業が行われます。具体的には、オランダ国内にある企業が実際に抱えている課題や問題に対して、RSMの生徒がコンサルティングを行うという実践形式の授業です。このプロジェクトは約2週間に渡って行われ、最後の週には学生側から企業側に対してプレゼンテーションが行われます。生徒はTerm2から引き継がれているチームごとに分かれ、1つの企業を担当することとなります。企業の割り当ては抽選によって決められるため、学生側に決定権はありません。今年は有名なところで言えば、家電メーカーのPhilipsやDieselなどのファッションブランドを抱えるOTBなどの企業がこのプログラムに賛同していただきました。

私のチームは、Google(Amsterdam)のプロジェクトを担当することになりました。企業側と守秘義務の覚書が結ばれているため、プロジェクトの詳細については記載を差し控えますが、私たちはGoogle AdWordsというクリック課金型の広告サービスのPromotionについてコンサルティングを行いました。私たちを担当してくださったGoogle社員の方は、このプロジェクトに対して非常に熱心であったため、アムステルダムにあるオフィスに同行させてもらうことができ、様々な部門の担当者と面会機会を作ってくださったり、提携を結んでいる広告代理店のヒアリングに連れて行ってくれたりと非常に貴重な経験をすることができました。これまで、国内の企業でしか働いたことがなかった私にとっては、レストランやバー、マッサージルー、ジムなどが併設された海外のオフィスがとても新鮮でした。また、国籍や性別、年齢、宗教などに囚われず様々な特性を持った方々が自由に生きいきと働いている姿がとても印象に残っています。

私がプロジェクトの中で一番苦労した点は、チームワークでした。Term2からずっと同じチームメンバーで課題に取り組んできたため、ある程度、各々の長所、短所など特徴を掴んでいたつもりでいたのですが、2週間ぶっ続けのプロジェクトで、しかも迫りくる締切とクライアントからのプレッシャーが相まってチーム内で衝突が度々起こりました。例年、このようにチーム内でのトラブルは頻発するようで、RSMのAdmission Office側も各チームのケアに対して、これまで以上に気を遣っていたように思います。クライアントを抱えたシビアなプロジェクトということも影響しているかもしれませんが、2週間のプロジェクトの間に計7回ものコーチングセッションが設けられており、各チームに1人ずつ割り当てられている担当アドバイザーがプロジェクトの進捗状況やチームワークに問題がないか等のチェック、アドバイスを行ってくれます。
また、当プロジェクトの総括責任者としてマッキンゼー出身の教授が期間中はキャンパスに常駐しており、生徒は自由に質問したり、企業の問題解決に向けた助言を求めたりすることができます。私は、これまでのキャリアの中でコンサルティング経験者の方の考え方やノウハウに直接触れる機会がほとんどなかったため、彼らのアプローチ方法や思考を知る良い機会となりました。このLiving Managementは、RSMのプログラムの中で最もアウトプットに重きを置いた実践形式の科目だと思います。机上のビジネスケースだけでなく、生きたビジネスに触れる良い機会であると共にグローバルなメンバーと一緒にコンサルティングの仕事をする貴重な経験となりました。

Term 3 -アドバンスコース

2016-08-18 16:00:41 | MBA17全般
アドバンスコース

 Term2のExam Week後、すぐにTerm3のカリキュラムの1つであるCore Concentration Courseが開始されます。4つのCore科目から1つを選択することができます。科目はMarketing、Strategy、Finance、Sustainabilityの4つで、私はMarketingを選択しました。日本人RSM学生の5名はMarketingとFinanceを選択しています。Financeのみテストが課せられています。どの科目も計8~10回の授業に参加します。

 Marketingについて詳細を記します。全体の流れとしては、デジタルテクノロジがどのように商品を変遷させ、それに応じてマーケティング方法やビジネスモデルをどのように転換させていくべきかについてフォーカスしています。最終課題についても、その重要点の流れに沿っており、最新のデジタル技術やロボティック技術が、どのように既成商品の大きく変化させ、付加価値を生み出すか、またその商品におけるマーケティング戦略はどうするかをチームでプレゼンする課題でした。授業内容はデジタル技術だけでなく、新商品のマーケティング戦略についても学ぶことができました。例えば、Onlineサービスを利用した商品の販売方法は、今では普通のように取り扱われていますが、これをB2Bに活用した事例を学習しました。またロレアルの新しいヘアダイ商品の流行の作り方など多種多様に富んだ内容でした。

 印象に残っているのが、初回クラスで顧客の購買判断への影響性を探る方法として、コンジョイント分析を実践しましたが、その方法が品質工学で利用するL18方法と全く同じで正直驚きました。L18分析は数多くある決定因子のうち、どの項目が感度に影響するか特定することができる手法です。この手法を利用することにより、18回の組み合わせ検討で因子を特定できます。一般的に品質工学では、プロセス条件を決定するための因子特定に利用、また不良が発生した場合の原因因子特定に利用します。マーケティング分野での顧客嗜好分析においても同様で、どの項目(例えば、形状、色、価格、重さ、電池の持ち)がその影響性を左右するか把握できます。マーケティングも自然科学の1つだなと実感しました。

 最終評価はチームプレゼンテーションおよびその資料、個人レポートで評価されます。マーケティングの本質がまだ理解できていませんが、このアドバンス授業に参加したことで、少しですが理解できたような気がします。最後に、最終課題で私がデザインした新商品のマーケティングロゴを添付して、終わりにしたいと思います。

TOMATOより

Term 2が終了しました!!

2016-08-18 14:21:53 | MBA17全般
 6月6日の週を以って、長かったTerm2がついに終了しました。3月末より6月はじめまでの長い期間でした。Term2のカリキュラム概要を簡単に記します。


Personal Leadership Development (リーダーシップ育成)

 ビジネスリーダに向けての講義となります。集中講義として設けられており、Term2の始めの1週間をこの授業に割り当てました。主にリーダとしての行動について、チームを率いるリーダーシップについて学びました。Term2は新しいチームと活動しました。

Marketing Management (マーケティング)

 シミュレーションゲームソフトを使い、マーケティング戦略を考えながら計5タームのシミュレーションを実施しました。最後に利益と企業価値が高いところが勝ちです。詳細としては、購買セグメントを考慮しながら、どのようなターゲットの商品を市場にどれくらいの量を投入すればよいか考えます。また場合によっては新規商品の開発も実施します。商品は、電子機器で、精度・電池の持ち・価格・耐久性などに分かれていて、消費者のニーズに合わせて、その商品の差別化を実施していきました。ニッチビジネスを取りにいくか、それとも大口顧客をターゲットにするかなど、マーケティング戦略を重視した授業でした。

Management Accounting (会計学)

 IFRSに準拠した会計についての知識を習得しました。はじめは各項目の仕訳に始まり、最終的にバランスシート、キャッシュフロー、プロフィットアンドロスのシートを学習します。また、どのタイミングで表記するのか、償却費の取り扱いなどの詳細についても習得しました。個人アサイメントは最終テストのみで、グループアサイメントが2つありました。

Operations Management (オペレーション)


 モノづくりにとどまらず、業務オペレーションを改善し、顧客の要望に応えることで、市場での差別化を図ることを習得しました。事例でよく挙がるのはトヨタですが、セブンイレブンのオペレーションは海外でも有名だそうです。お弁当を作る拠点をより近く、配達経路を最適化することで、高頻度で配達できるようにし、顧客の「うまい」というニーズに対して応えています。テストはなく、個人レポートで評価されました。

Strategic Management (ビジネス戦略)

 市場分析・競合分析などを実施し、戦略的にビジネスを開拓する方法を習得します。マイケルポーターの5フォーシス理論、他でいうと、ブルーオーシャン戦略などです。授業スタイルは、講義形式で、事前のケースリーディングから各戦略について習得しました。最終評価はテストとなります。また後半授業では、ケース別にチームに分かれて、戦略案を立案し、対チームでネゴシエーションするインタラクティブ形式の授業も準備されていました。

Economic Environment of Business (経済学)

 企業を取り巻く、マクロ経済およびミクロ経済について習得しました。金利や政府政策変更によるマクロ経済の変化にどう企業を対応するかなど多岐にわたる授業でした。中間テスト、個人レポート、最終テスト、グループレポートなどすべてを含んでおり、負荷としては高いほうでした。日本のバブル経済での財政政策、金融政策について、サブプライムローン、ドットコムバブルについての各政策についても習得します。またチームプレゼンテーションも課されており、指定された国おける現況経済状況と中期的経済政策について提案しました。

Human Resource Management (人事戦略)

 企業における人財開発方法やモチベーション維持の方法、また報酬分配など、人事戦略について習得しました。日本の人事システムと海外では異なることが多く、授業内容は、MBA生徒が今後マネージメント層になることを想定し、学生に部下を持ち、モチベーション維持やどのように部下の能力を開発するか、また給料ネゴシエーション方法について学習しました。日本では通常は、経験論のみで対応してきたので、アカデミックに人事戦略を学習することは初めての経験でした。


 6月6日よりExam Weekが始まり、アカウンティング、エコノミクス、ストラテジーがテストの対象でした。それ以外は個人レポートでの評価となります。Term1で少し慣れていたこともあり、授業とテストともに落ち着いて対応できました。また各課題については、チーム単位で対応することが多く、Term1のメンバーと比較すると、全く異なる価値観を持つメンバー達と学業を共にすることができました。ダイバーシティの高いRSMでは国際色豊かで、多種多様の文化に根付いた考え方・価値観を学ぶことができます。それは時には衝突の源となってしまいますが、それも1つの学びだと考えると、貴重な経験をしていることに気づかされます。今回のTerm2にて、必須科目については終了となり、Term3より選択科目に移行します。

 何を学ぶかによって、人それぞれMBAで習得すべきことは異なると思いますが、私の個人的な見解としては、MBAに来て勉強する内容自体は、決して難しいものではなく、それよりも価値観の違う人同士が、対話を通じてなんらかの解決案を導き出すという行為のほうが、学ぶべき点が多かったような気がします。それなりに苦労もしましたが、それ以上の喜びを感じることもできましたし、達成できたこと、できなかったこともあります。すでにプログラムが終わったような感想ですが、まだ中間点ですので、引き続き頑張っていきます。

TOMATOより