R.Life

The fishing is life itself !

2022.7.17 花の宝箱

2022-07-20 14:36:00 | Mountain

富士山に次ぐ標高3193mを誇る
南アルプス 北岳
北岳から南に続く間ノ岳間の天空の稜線上を
歩いてきました

残念ながら雲の多い時間が続き
雨にもうたれながらのハイクとなりましたが
時折り雲が途切れ青空が広がってくれた
真っ白なガスの向こう側には南アルプスの雄大な絶景が広がっていました


足元には沢山の高山植物が可憐に咲き誇り
風で踊っていた
固有種であるキタダケソウも丁度見頃を迎えていました


視界の無い北岳山頂
一桁台の気温と強風が打ちつけて
真冬並みの体感で下界とは次元が違う温度
避暑を遥かに超えて極寒の地だ


北岳を越え間ノ岳へと続く稜線上でガスが晴れてくれた
太陽の日が降り注げば先程の寒さから一変してポカポカ陽気となり絶景も広がる
稜線上には北岳山荘が見えます


絶景を楽しみながらの空中散歩
宙を舞うかのような足取りで間ノ岳へと着いた
標高3190mの間ノ岳は先程の北岳を次ぐ日本3位の高さでもあり、2、3位を連続踏破となるので少し得した気分になる


山頂付近のキタダケソウもとても綺麗です


雷鳥にも出会いました
個体識別に伴う足輪を付けいます
この識別により生息域や移動状況、寿命などを調べて絶滅から守られているようです
愛らしい雌の雷鳥自ら近くに寄って来てくれました



間ノ岳から農鳥岳まで続く美しき稜線
予定はこの先の稜線を渡り農鳥岳まで行き白峰三山を縦走往復で北岳肩の小屋のテン場まで戻るつもりでしたが、再び雲行きが悪くなって来たのでここで引き返す事にした


雲が流れこむ稜線上には農鳥小屋が小さく写り稜線の規模の大きさがよく分かる


戻りは高山植物と戯れながら肩の小屋を目指しました
優しいピンク色の花のイワカガミ


岩の陰から咲くミヤマオダマキ


豪華に咲くタカネシオガマ
一つ一つの花が鳥のようです


まだまだ数えきれないほどの高山植物の花達があちこちに咲き
まるで花の宝箱のようです



小雨がぱらつき始めた頃、運良く親子の雷鳥も見れました
五羽の雛を引き連れてお散歩中
お母さん雷鳥に駆け寄る雛の愛くるしさにほっこりします



夕暮れ時
真っ白だった北岳肩の小屋に
眩い夕陽が差し込んだ
静まり返っていたテント場は
一斉に大歓声が湧き上がった


テン場から見る
鳳凰三山と燃えあがる積乱雲
格好良すぎます


素晴らしすぎる一日の終わり
きっとこれは天からの贈り物だったのかもしれない。


よき山旅でした。


camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO





2022.5.19 埼玉のジャンダルム

2022-05-23 19:02:00 | Mountain

埼玉県秩父の岩峰
クライミングで有名な二子山に訪れた
登るルートは二子山西岳中央稜
200mほどの断崖絶壁を登攀して山頂を目指す
マルチピッチソロクライミングを楽しみます


有名なリードクライミングエリアを通過
私のようになんちゃってクライマーが太刀打ちできるルートはほぼ無いでしょう
この岩を触れるに相応しい技術を身につけて
挑戦してみたいものだ


中央稜の取り付き点に到着
ここから1ピッチ目が始まり
合計6ピッチに分けて登攀していきます


2ピッチ目
この辺りから高度感が出てきて
身を乗り出すシーンもあり緊張します


眺望も素晴らしく
ロウソク岩を横目にして岩壁を登ります


このルートの核心である3ピッチ目
核心部はクラック以外のホールドは乏しく
少し悩まされたが無事にクリア出来た
核心部にはお助けロープの残置が使えよと言わんばかりに垂れ下がっていましたが
そこは堪えて頼らずに登攀できた
始点回収時の懸垂下降で核心部を見上げた写真
後続者もいない事なので核心ピッチは
3度も登り返してムーブを習得した




3ピッチ終了点には広いテラスがあり
最高な天気と絶景を眺めながらランチタイム
コンビニ弁当が3割増しで美味しく感じた


残りの4,5,6ピッチも慎重に登り
山頂を目指した


二子山西岳山頂
標高1165mに無事に到着


埼玉のジャンダルムとも言われる二子山
ゴツゴツとした切り立った稜線と剥き出しの岩肌が荒々しく続いて、北アルプスの険しい岩陵のように感じさせる


登攀ルートに後続者が居ないときは
始点回収時の登り返しの煩わしさを逆手にとり
トップロープで難しそうな違うルートに挑戦したりしてより楽しみ、より技術を磨くことができる
その分、疲労感も倍増しますが...


無事に下山して、帰路の蕎麦屋に立ち寄り堪能
勿論、大盛り
疲れた身体と空の胃袋を満足させる大盛りっぷりでした。


HARNESS
ARC’TERYX -AR-395a-
ROPE
Edelrid -swift protect Pro Dry-
8.9mm 50m
SHOSE
LA SPORTIVA -TC PRO -



2022.4.17 消えゆく大雪庇

2022-04-20 07:57:00 | Mountain

東洋一とも言われている大雪庇がある
新潟県の守門岳へと登った

新潟の街を彩る桜は満開を迎え
今まさに春爛漫といった感じ
桜舞う下界の街から見上げる守門岳の雪庇は
時既に崩壊はかなり進んでいる様子
連日の暖かさからそのはずである
折角なので崩壊途中の大雪庇を
間近で見てみました
ルートは大岳から守門岳へと縦走する
周回コースで楽しんできました


この日は連日の暖かさからぐっと気温が下がり
守門岳山頂の予報気温は氷点下7度でした
山頂付近の樹々は樹氷となっていた
それでは大岳から守門岳へと1キロ程続く
滑らかな尾根の壊れかけの大雪庇をご覧下さい


奥に映る今にも崩れ落ちそうな雪庇は
豪華な一軒家ほどの大きさはあります



崩壊した部分の雪庇の高さは
余裕で10m以上はありそうです


人と比較すると崩壊はしてはいますが
雪庇の大きさがよくわかります


無事に守門岳に到着しました


山頂からの眺望は空気が澄んで
どこまでも晴れ渡る空に
彼方の山々が鮮明に映っています


日光白根山や男体山も望めます


辿ってきた尾根を振り返る
こうして雪庇崩壊や融雪も進み
雪解けの水は山に浸み大地を潤し
そして満ちた潤いは川へと流れ魚たちを育む
雪がとけて露わとなった潤いの大地からは
一斉に高山植物たちが芽吹き美しい花を咲かせ
生命に溢れる山となる
初夏の時期に咲き誇る稜線上のお花畑から
花の名峰とも称えられてるようです


オコジョや複数の熊さんの足跡も見つけました
越後の長い冬も終わりを迎え
もう山は目覚めている様でした。


この日は寒かったので見れませんでしたが
大雪庇の崩壊を間近で観るのも
迫力があって良いかもしれませんね。


camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO


2022.4.2 残雪の北アルプス

2022-04-06 12:28:00 | Mountain

文明の利器に頼り
標高2156mまで新穂高ロープウェイに乗っかる
そこから美しい残雪の峰を歩き
標高2909m西穂高岳へと辿り着いた

穏やかに晴れ渡る青い空
頬にあたる風はまだまだ冷たいですが
春らしい暖かな陽の光がそそぐ西穂高岳山頂から
大パノラマに広がる
残雪期の山岳風景をお届けします


雄々しく聳える
ジャンダルムと奥穂高岳


右側には槍ヶ岳
槍の穂先の雪は溶けているようです
左側には水晶岳、鷲羽岳、薬師岳も見えます


登ってきた尾根方面
尾根のずっと先には焼岳
更に先には雲のかかった乗鞍岳
谷には梓川が流れて上高地が広がります


たくさんの雪を被った笠ヶ岳とその周辺の峰々


「はぁー」っとため息が出るほど美しい
穏やかな山頂だけにお弁当を広げて
のんびりピクニック気分でも良さげです
それでは別れ惜しいですが
思い出のアルバムに記憶して
絶景に別れを告げて
来た尾根を戻り西穂山荘まで下山します



今宵は西穂山荘の小屋泊でお世話になりました



夕食はハンバーグとクリームコロッケ
個人的には副菜のしそ味の春雨が好みでした
勿論、主菜も美味でした


食後のサンセットタイムは
雲が多く一瞬のひと時でした


小雪が散らつく翌朝は早々に下山して
麓の秘湯温泉を堪能して帰路につきました。

雪の質が著しく悪くなるこの季節
雪崩れや滑落の事故情報をよく耳にします
この時期の残雪期は特に注意が必要ですね。


camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO


2022.2.25 山旅 冬から春へ

2022-03-03 10:28:00 | Mountain

風のない穏やかな朝
テントから顔を出すと三日月と阿弥陀岳が
淡い藍色の空に浮かんでいた


日の出とともにジョウゴ沢へと向かった
沢に入るとすぐに小さな氷瀑F2に出会う
左側のラインをフリーで越える
この滝を越えるとトレースは無くなっていた
これより先はしばらく人が入っていないようだ
積雪は多く吹き溜まりにはまると
胸まですっぽり落ちる


雪をかき分け一歩ずつ
真っ白な深い谷に
新しい軌跡を残しながら前へと進んだ


谷を振り返ると
阿弥陀岳の堂々たる姿が励みとなった


深いゴルジュを抜けると
時が止まっているかのように凍り付いた
乙女の滝がある
ここはスルーして先へと進んだ


続いてはナイアガラの滝
ちょっと名前負けしてるような気がするが
覆い被さるように凍った氷柱は
登れる気がしないので
右側のラインを越えた


アイスモンスターのような滝は
自然が作り出した不思議な芸術品である


ジョウゴ沢最後の氷瀑
本谷大滝
情報によると滝の高さは25mですが
実際には5mもありません
今年は積雪が多く大滝の殆どが
雪の中に埋まっていました


大滝を抜けると後は硫黄岳山頂に向けて
ひたすら急登を直登する
見上げる稜線は近いようで遠かった
稜線上の岩のテラスで腰をおろす
胸一杯に深呼吸をしてこの絶景を瞳に映す
やっぱり八ヶ岳は最高だ!っと改めて
感じる瞬間である


標高2760m硫黄岳に到着
何度目の登頂かわからないが
これ程晴れ渡る空の硫黄岳は初めてかもしれない


自然の力強さを感じる爆裂火口


先月訪れた東・西天狗岳も見渡せます


手前には諏訪湖
彼方には真っ白な穂高連峰や乗鞍岳も美しい


威厳に満ちた八ヶ岳最高峰の赤岳
ずっと見ていたい風景が大パノラマに広がる


稜線上の風は穏やかで
陽の光は暖かく
厳冬の八ヶ岳もそろそろ終わりを告げるころ


夜空にも春の足音が
冬の間地平線に隠れていた北斗七星も
いつしか北の空に昇って輝いていました
星ふる夜空にカメラをかたむけて
今夜はちょっぴり夜ふかしをしました
明日はのんびり下山ですから


翌朝は心地よい目覚めに温かい珈琲と
熱々なスープをつくりマイペースで下山しました
森の中は樹々に積もった雪が溶け落ちる音と
小鳥達のさえずりが響き
春の足音が日増しに大きくなり
風も春っぽい匂いが漂っていました。


季節の交差点
厳冬八ヶ岳よ、また来年。


HARNESS
ARC’TERYX -AR-395a-
ROPE
Edelrid -swift protect Pro Dry-
8.9mm 50m
SHOSE
LA SPORTIVA -NEPAL CUBE GTX-
CRAMPON
PETZL -DART-
ICE AX
PETZL -QUARK-