今年は例年にないほどの
冬らしい冬が訪れている様な気がする
山に入る者だけがそう感じるだけかもしれないが
ウィンタースポーツを楽しむ人にとっては
願ってもないことです
私もそう願う一人となっていた
そんな冬らしい冬が織りなす氷の芸術
「氷瀑」を登りに
人生初となるアイスクライミングを一泊二日で
楽しんできました
場所は南八ヶ岳の南面にある小沢で
一日目は峰の松目沢の南東沢
二日目はその西側を流れる
峰の松目沢の南西沢に訪れた
今回はちょっぴり贅沢をして八ヶ岳の山小屋
赤岳鉱泉の個室を一人贅沢に宿泊した
今回も単独のソロクライミングで挑戦してきました
それでは大自然が織りなす
自然の造形美をご覧下さい
赤岳から硫黄岳に延びる白い稜線が美しく
白銀の世界が眩く広がる
しばらく沢を登ると手始めにはちょうど良さげな
F2のお出ましだ
ここは簡単そうなのでフリーで登攀
今日の最終目的地
F8南東沢の核心です
氷はとても硬く、アックスを打ち込むと時に大きく氷が割れることもしばしある
分厚く硬い氷にも、質の違う場所や、氷の目があり
それを見分けるのがとても面白い
F8を含めると、ここまでに8つの滝があるのですが
小さな滝やナメ滝は雪が被ってしまい
知らぬ間に通過していたようだ
核心のF8で様々なルートを登り
アイスクライミングを沢山学んだ
今日のお宿、赤岳鉱泉
暖かく広い部屋で
濡れたギアもすぐに乾き一安心です
アーベントロートに焼ける峰々
高く聳える横岳や赤岳に崇めたてる同心の姿が
夕暮れ空に浮かんでいた
赤岳鉱泉といえばゴージャスな夕食
名物なステーキを堪能
白飯三杯をお供に完食、明日の力の源になりそうです
暖かい部屋からぼんやりと眺める星空
知らぬ間に夢の中に落ちていました
二日目は
峰の松目沢の南西沢に入った
昨日の沢より標高が少し低いからか
水量が多いからか分からないが
足元の薄い氷の下にはたっぷりと水が流れていて
全体的に氷の薄い箇所が目立った
この沢はしばらく人が入っていない様子
標高を増すごとに雪は深くなり
膝上ラッセルで突き進む
穴に落ちれば胸辺りまですっぽり雪に埋まる
二時間ほどせっせと雪山のような沢を登ると
それらしい氷瀑に行きついた
簡単な階段状から最後は垂直に落ちるバーチカル
ここはフリーで登ります
お次は、なかなか面白そうな氷柱
ここは支点を構築してロープを出しました
チョックストーンの氷瀑は
見るからに簡単そうなのでフリーで越える
南西沢のメインの氷瀑、ここは日当たり良好で暖かいクライミングが楽しめるが
その反面、氷瀑上部は氷が脆く薄い
アックス一撃で大きな穴が開いてしまいます
アイススクリューの支点場所探しに一苦労です
今回のソロシステムはこんな感じ、アンカー支点は21cmのアイススクリューをダブルで構築
氷の状況に応じて三箇所支点にて使い分ける
それにしてもソロクライミングは登攀器具が
必然的に多くなり、腰のハーネスが重たくなる
いざという緊急事態時には
一人で回避しなければならない単独山行なので
備えあれば憂いなしといったところです。
この美しい造形と白く雄大な峰々からなる
自然の神秘と偉大さに強く心をうたれた。
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