通い慣れたダートの雪道を
赤岳山荘の登山口駐車場まで車を走らせ
車中泊にて一夜を明かした
空には満点の星空、足元には真っ白に広がる
雪の結晶がヘッデンの光に反射してキラキラと輝く静かな森
次第に夜は明け樹々の隙間から溢れる朝焼けがとても綺麗だった
しばらく登った所から登山道を外れ、薄いトレースが残る沢を行きます
道迷いの心配は無さそうです
やがて大きな滝に行き着いた
阿弥陀岳北西稜近くにある滝「摩利支天大滝」だ
圧倒的な威圧感を醸し出して
滝と対峙した瞬間は気持ちがひよってしまうほどだった

今回も単独のアイスクライミング
摩利支天大滝に挑戦します
滝の裏にはテラスがあり風も凌げて
休憩場所にはもってこいの場所でした

普通の日常生活では絶対に味わえっこないこの風景、山には常識を超えた美しい情景が沢山広がっている、山に通いたくなるひとつの理由でもある

垂直に落ちる氷は
ガラス細工のように硬く脆い
折り重なったスカスカの氷にプロテクションをとらざるおえない個所もあった
アックスを打ち込んだ腕は既にパンプ寸前
スクリューひとつ打ち込むのに奮闘する程だった

メンタルはへし折られ、パンプする腕は既に限界を超えている
心の叫びが口から次々と溢れ出ます
「無理〜」「ダメ〜」「腕が〜」「怖い〜」
コンサート会場のような地形に自分の発した弱音がこだまして、無観客のソロオンステージ状態でした



その後トップロープで猛特訓
登ると言うより滝に振り落とされて宙吊りにされたと言った方が正解かもしれない...
しかし学んだことは沢山ある
次に繋げたい。
待ってろよ摩利支天大滝
次は振り落とされぬよう
しっかりとしがみ付いてやる。

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